第4章 ♯8 リラの一番嫌いな拷問
「一体何が起きてるんだ!?」
上位の獣人の村に偵察に来た猫の獣人は驚愕した。
村は謎の結界が張ってあり、簡単に入れないようになっている。
「アイツらが働いている・・・??
しかも何だ、あの畑は!?
大豊作じゃないか!!
うちの村でもあんな豊作見たことないぞ!?
米も野菜も大量に収穫できている!?
何故だ!?
こんな短期間に!」
猫の獣人が暫く見ているとミコト率いる狩り班が帰ってくる。
「アイツはこの前、あいつらをやっつけてくれた獣人?
何でここにいるんだ?
まさかグルだったのか?
いや、だったら俺たちに何かしてくるよな?
助けた見返りを請求してきたり・・・。
そんなことはしなかったしな。
な、何だあの肉の量は!?
うちの村の何ヶ月分だ!?」
そして、猫の獣人はあることに気付く。
「あの助けてくれた獣人、俺と目があってないか・・!?
まさか・・・そんなことは・・・!
あ、絶対気付いてますね。
指差してきたもの。
そして・・・
何故か横にいるもの。」
「お前何してんだ?」
「ぎゃぁぁぁぁ!!
何で一瞬で来れたんですか!?」
「瞬間移動だ!!」
「そ、そんなスキルが・・・!?」
「で、何しに来たんだ?
コソコソ覗いたりして。」
「いえ、実はここ最近、上位の奴らが俺達の村に来なくなったので、様子を見に来たんです。」
「ああ、そういうことか。
それなら安心しろ。
あの村は俺が支配したから。」
「へ?」
「下位の村を襲わないように調教してるんだ。
だから、もうお前たちの村は襲われないぞ。」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。
本当はアイツらに謝らせに行こうと思ったんだけどな。
アイツらがやったことは謝っても許されないと思う。
だからせめて、お前たちと関わらせないことにしたんだ。
村の皆にも伝えといてくれ。
皆によろしくな!」
「は、はい!
わかりました!
では、失礼します!!」
猫の獣人は木と木を起用にジャンプして去っていく。
本当は上位と下位が仲良くなってくれればいいんだけどな。
それはもう無理だよな。
こいつらは許されないことをしている。
殺されても文句が言えない位に。
アイツらが謝っても蟠りは消えないだろう。
だから、今はこれでいいな。
先ずは法を変えなくてはいけない・・・。
下位の村にて・・・
「今帰ったぞ!!」
「おう!
無事で良かった!!
でどうだった?」
「とんでもない事になってたよ・・・。
この前、ここに4人の獣人が来たよな?」
「ああ、村を助けてくれた獣人だろ?」
「その獣人に上位の奴らが支配されてた・・・。」
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
「だから、もう安心しろって・・・。
その獣人が言ってたよ。」
「見つかったのか!?」
「ああ。
見つからない自信があったんだけどな。
皆に宜しくって。
あの獣人、ホントは上位の奴らに謝らせようとしたみたいだ。」
「俺達に上位の奴らがか?」
「ああ。
だけど謝っても許されないだろうからって。」
「アイツらには散々暴力を振るわれたり、食料を荒らされたからな。
謝っても許せないよな・・・。」
「もう関わらせないって言ってたよ。
それだけでも俺達は嬉しいよな。」
「これで安心して暮らせるな。」
「一つ、凄い事があって、アイツらの畑や田んぼが大豊作だったんだ!!
肉も大量にあった!!」
「なんだって!?
何でアイツらだけ良い思いをするんだ!?」
「そうだよ!
俺達の食料を荒らした癖に・・・!」
「なあ、スキを見てアイツらの畑から食料を盗まないか?」
「バカ、見つかったらどうするんだよ!!」
「その時はあの獣人が助けてくれるだろ?
今迄やられてきたんだ、やり返したっていいだろ?」
「しかし、あの村には結界が張ってあったぞ。
簡単には入れないぞ?」
「大丈夫だ。
俺には魔法を無効化出来るスキルがある。」
「そ、そんなスキル持っていたのか!?」
「ああ、ここでは役に立たないスキルだけどな。
それなら結界を無効化出来る。」
「すごいぞ!
それならやり放題だな!
狙いは夜だな・・・。」
「夜目が効くやつらが盗んで、ついでに荒らしてやろう。
今迄やられたんだ、それくらいしたって文句は言われまい!!」
下位の獣人達は怨みを晴らすため、綿密な作戦を立てる・・・。
上位の村にて・・・
「よし、今日の作業終了だ!」
「今日も大量だったな!!」
「さあ、帰って美味い飯でも食うか!!」
「なんだかんだで最近充実してるよな。」
「そうだな。
美味い飯のお陰か?」
「ちょっと前が嘘のようだな。
・・・下位の奴らに悪い事したかな・・・。」
「どうした急に?」
「もし、俺達の作った畑を荒らされたらどうする?」
「そんなやついたらボコボコにするな!
こんなに頑張って作った畑だからな!!」
「・・・俺達はあいつらが頑張って作った畑を荒らしたんだ。
今の俺たちならどんな気持ちかわかるよな・・・。」
『・・・・』
黙って罪悪感を感じてる獣人達にミコトが話し始める。
「やっとわかったか。
下位の気持ちが。
お前たちは許されないことをしたんだ。
お前らが畑を荒らされて怒るように、下位の獣人達だって許せないんだよ。
お前らに力で勝てないから、やり返さないだけで本当だったら殺されても文句は言えないぞ?」
『・・・・』
「謝っても許してもらえない事をしたんだ。
せめて、もうアイツらに関わるな。」
『わかりました・・・。』
皆が反省の色を見せて家に帰っていく。
「皆、少し変わったね。」
「そうですね。
相手を思いやる気持ちが生まれましたね。」
「暴力も振るわなくなったしな。」
「これも御主人様のお陰なの?」
「そうだよ!
ミコトはすごいでしょ!!」
「流石は私の御主人様だわ!
今日も交尾していいわよ!」
「いいえ、今日はご褒美に私だけ御奉仕します!」
「それはお前のご褒美だろ?」
「ジュリアはすぐに一人占めしようとするんだから!!」
「はいはい、帰るよ。
明日も収穫だからな。」
『はーい』
家に帰ってご飯を食べたらもふもふパラダイスだな。
今日はどんなコスプレにしようかな・・・♡
次の朝、事件が起きる。
「こ、これは・・・!」
「は、畑が荒らされている!!」
「だ、誰だァァァァ!!
俺達の畑を荒らしたやつはぁぁぁぁぁ!!」
見事なまでにくちゃくちゃになっている畑や田んぼ。
朝には採れそうな野菜も無くなっていて、見るも無惨な状態だ。
一体誰が・・・?
《マスター。足跡があります。
上手く消したようにしてますが、畑の端までは気が回らなかったみたいですね。
あと、結界が無効化されてます。
魔法無効のスキルを持った獣人の仕業かと。
昨日、下位の獣人が偵察にきてますからね。
多分、その者達の犯行かと思われます。》
流石、名探偵Ririちゃん!!
「犯人がわかった。
今からいってくる。」
「ミコトさん!
俺達もついていくぞ!
こんなことされて黙ってられねえよ!!」
行く気満々の男達。
「お前らは残って畑を整備し直せ。」
「なんでだよ!!
こんなことされて許せねえよ!!」
「お前らは下位の獣人の畑を荒らした癖にか?」
『ううっ!!』
「昨日、反省してたようだが、まだ分からないみたいだな。
犯人は下位の獣人達だ。
お前らは復讐されたんだよ。
しょうがないよな?
お前らが先にやったことだもんな。
俺だって復讐するぞ?
最初に言ったが、これは調教だ。
お前らもわかっただろ?
自分達が一生懸命育てた畑や田んぼをグチャグチャにされた悔しさを。
お前たちは理不尽に同じことをしてたんだ。
復讐されて当たり前だろ?」
『・・・・』
ミコトの言葉に何も言えなくなる獣人達。
「わかったら畑をなんとかしろ。
これは俺が話をつけてくる。
間違っても下位の村に来るなよ。
来たら・・・殺す。」
『ひぃぃぃぃ!!い、行きません!!』
「リラ、きらら行くぞ。
ジュリアとルーシアはいつも通り頼むぞ。」
『・・・うん。』
俺は二人を連れて下位の村に瞬間移動する。
一方、下位の村では・・・
「はっはっはっ!!
上位の奴らめ!
ざまあみろ!!」
「すげぇ大量だな!
これなら暫く困らないな!」
「うちらの畑より良いもの育ててやがって!!」
「なあ、これどうやって盗んだんだ?
結界も張ってあったんだろ?」
「そんな結界、俺の魔法無効スキルで余裕だって言っただろ・・・って」
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「あ、アンタいつの間に!!」
「よう、大豊作だな。」
「と、取り返しに来たのか!?」
「いや、違うよ?」
「じゃあ、なんだよ!
俺達は今迄散々苦しめられたんだ!
このくらいの復讐しても文句は言わせないぞ!!」
「そうだよなあ。
あんなことされたら俺も復讐するよなあ。」
『へ?』
「でも、またお前らやられるぞ?
アイツらバカだから、1週間位じゃ変わらないからな。
お前らがやったってバレてるしな。
復讐する気満々だぞ?」
『ええ!?』
震え上がる獣人達。
「まあ、自分達がやったことだから責任持って自分達で解決しろよ?」
「そ、そんな!
アンタあいつらを支配してるんだろ?
なんとかしてくれよ!!」
「は?バカなの?
何で俺がお前らのケツ拭かなきゃいけないんだ?
俺は関係ないぞ?
バレたらこうなることもわかってただろ?」
「アンタが一言言えば言う事聞くんだろ?
俺達は弱い種族なんだ!
アイツらに勝てるわけないだろ!?
頼むよ!!
助けてくれよ!!
アンタ強いだろ!?」
「ふざけんなァァァァァ!!!
俺はこの猫に行ったぞ?
アイツらにもう此処とは関わらせないと!
つまり、お前らも関わるなってことだろぉぉぉぉがァァァ!!
それを調子に乗って復讐しやがって!
挙げ句の果にバレたから助けろだと?
勘違いすんじゃねぇぇぇ!!
俺はてめぇらの味方でもないし、アイツらの味方でもねえんだよ!!
弱ければ助けて貰えるとか思ってんじゃねぇぇぇぇえ!!」
膝から崩れ落ちる獣人達。
「お前たちは悪いことをしたんだ。
悪いことをしたものには罰を与える。」
『え!?』
【迅雷の拘束具】
電流の流れる鎖が獣人達を締め付ける!
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
「ミ、ミコトやりすぎだよ!!」
「大丈夫だ、威力は弱めてある。」
「だ、だずげでぇぇ・・・!」
周りの獣人は恐怖で立ちすくんで助ける者は誰もいなかった・・・。
「復讐だから悪いことをしてもいいのか?
たとえ、殺しても罪にならないのか?
違うだろ?
悪いことをしたら罰が与えられるんだよ。
アイツらも悪いことしたら、これよりも酷い死んだ方がマシレベルの拷問を喰らうんだぞ?
威力を落としてるだけマシだと思え・・・。」
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ごめんなざぁぁい・・・!』
「御主人様!!
もうやめて!!
もういいから!!」
「きらら。
こうなったのも全部あいつらが理不尽にこの村を襲ったのが原因だぞ?
あいつらが何もしなければ、こんなことにもならなかった。
ただ強い種族だからって理由でこいつらを虐めなければ、お互い歩み寄れたかもしれない。
自分達がどんだけ愚かかわかったか?」
「・・・うん。
とてもわかったわ・・・。
ずっと私達はくだらないことをしてたって・・・。」
「それが分かっただけでもお前は成長したな。」
俺は拘束を解除する。
「その野菜はくれてやる。
そして、もう関わるな。
お前たちはあいつらを許せないだろ?
もう歩み寄る気がないなら、これ以上何もするな。」
『・・・・』
一人の獣人が口を開く。
「・・・だって狡いじゃないか!!
アイツらばっかり良い思いをして!!
こんな大豊作、肉もいっぱいで・・・。
こっちはあいつらのせいで食べるのも集めるのも必死なのに・・・。」
「アイツらは良い思いばっかしてないぞ?」
「え?」
【スカフィズム】
男の体内に複数ウジが湧き、皮膚の中でウニョウニョと動いたり、口からも大量のウジが出てくる。
「ゲェェェェェ・・・」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
ミコト、それやめて!!
気持ち悪いぃぃぃぃ!!」
あ、リラはこの拷問嫌いだったね。
ごめんね。
直ぐに拷問を解除するミコト。
「ハアハァハァ、いきなり・・・酷いです・・・」
「アイツらは少しでもサボったり、悪いことするとこんな拷問を長時間喰らうんだぞ?
何でアイツらの村はあんなに食べるのものに困らないくらいの豊作か分かるか?
お前らの為だ。
アイツらに仕事を与え続け、お前らに対する興味を無くすんだ。
食べ物が有れば襲う必要もない。
お前らが襲われ無いようにしてやってんのに、お前らは襲われないと分かったら欲を出した。
襲われないだけでもマシだと思えないのか?」
『・・・・』
【クリエイト】
村の空き地に大きな畑が出来る!
「種はもう植えてある。」
【植物育成強化】
畑から沢山の芽が出てくる!!
「これでアイツらと同じく豊作は約束された。
もう無駄な争いはやめろ。
子供達が見てるぞ。」
『・・・!!』
周りの子供たちは心配そうな顔でみている。
「お前たち、大人がしっかりしないでどうする?
子供達は大人の背中を見て育つんだ。
大人が見本を見せないでどうする?」
「・・・すいませんでした。」
「これに懲りてもう悪いことはやめるんだな。
じゃあ俺は帰るよ。
また様子を見に来る。
法に則って此処も俺が支配する。
悪いことしたらお前らも拷問だ。
弱かろうと関係ないぞ?」
そう言ってミコト達はいなくなる。
残された獣人達は無言で下を向いていた。
上位の村にて・・・
「ただいまー。
やっぱりあいつらだった。
もうさせないように話はつけてきた。
お前らが今迄やったことの罰として受けとめろ。
また畑を作り直すぞ。
わかったか?」
『・・・・』
「・・・返事は?」
『はい!!!!』
一目散に畑に戻る獣人達。
この蟠りを無くす方法はないのであろうか・・・?
おはようございます!
本日も一日頑張りましょう!!
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