本当の答え
6時間後にまた同じ女の人が来た。
「決めましたか?」
「はい、あの・・・質問していいですか?」
「はい、なにか?」
「僕の他に僕のように仮想の世界に行った人はいるんですか?」
「いますよ!
でもみなさん1週間で飽きて帰られています。
3ヶ月なんて最長です。」
「そうなんですか?」
「眠ることが出来ない、食べることもない、
楽しみが無いこの世界で恐怖を感じる人が多いです。」
「そうなんですね・・・」
「ここの世界が気に入ったのならここにいても大丈夫ですよ!」
「はい・・・」
僕は元の世界に帰ると決めていたのに、
帰ることが急に怖くなった。
みんなが飽きるこの世界、でも僕には合っているのかもしれない!
元の世界に戻っても幸せが待っている訳ではない、
何の保証もない世界。
ここは安定の平和な世界、でも楽しみはない。
僕は冒険者にはなれない、
やっぱりここにいようか?
僕の決断は揺らいでいた。
「じゃこの世界にいるんですね?」
ハッキリしない僕に女の人はイライラしていた。
「もう少し考えさせてもらえませんか?」
「わかりました、
では明日・・・3時間後にまた来ます!
これが最後です、
そしてこの世界にいることを決断したら、
もう元の世界には戻れません。」
「わかりました。」
女の人はイライラしながら帰って行った。
僕はどうしたらいいんだ?
この世界に残ったらどうなる?
元の世界に戻ったらどうなる?
僕は3時間考えた。
そしてついに答えを出した。
つづく