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元の生活に戻れる!?
僕は心のどこかでホッとしたのに、
戻れないなんて・・・
「えっ!じゃどうしたら元の生活に戻れるんですか?」
「戻りたいの?」
「はい。」
「またあの生活をしたいの?」
「えっ?」
「職場は理不尽な上司で安月給だし、
彼女はいない、友達もいない、
趣味もない、やる気もない。
楽しいの意味もわからないそんな生活に戻るの?」
「・・・悪口ですよね?」
「違うわよ、事実よ!」
「・・・・はぁ・・・」
「2日後また来るからその時までに考えといて!
今なら戻してあげてもいいわよ!
ちなみにここでの1ヵ月は現実世界の6ヵ月と同じなの!」
「えっ?どういうことですか?」
「あなたはこの世界に来てもう3ヵ月でしょ?
だから現実世界に戻ったら、あなたがいた現実世界から1年半が過ぎてるってこと。」
「えっ?現実世界にも僕はいるんですか?
あなたの代わりが働いているわよ。
あなたがいなくても現実世界は動いていて、
時は進んでいるの!」
「じゃ僕が現実世界に戻らなくても、
問題は無いってことですか?」
「現実世界には何も問題はない。
ただあなたがこの世界で生きて行くのか、
また現実に戻るのか決めてって言ってるの!
この世界にいたら病気も無い死ぬことも無い。
でも彼女は出来ない、友達も出来ない、
親にも会えないのよ。」
「孤独にここで生きて行くか、
また戦場に戻るかってことですね。」
「そういうことね。
じゃ2日後ね!って言うか6時間後ね!」
そう言って彼女は僕の前から消えた。
つづく