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小さな青いドア  作者: 田中らら
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現実逃避

下りの電車は空いていた。


会社から何度も電話があったけど無視をして、

急いで実家に向かった。


両親は仕事でいない、

僕は泥棒のようにこっそり鍵を開けて自分の部屋に向かった、

この世界から抜け出せるかもしれないとドキドキしながら、

自分の部屋を開けた、

しかし、

そこに小さな青いドアは無かった。


僕は壁を叩いてドアを探した何度見てもドアは無かった。


僕はその場に座り込んだ。


絶望・・・この言葉はこんな心境の時に使う言葉なんだろうな、

と僕は冷静に考えていた。


この世界は僕が選択した世界?


このつまらない世界を選択したのは僕・・・


こんな世界、嫌だ!!


僕は部屋の真ん中に座り過去のことを思い出した。


友達が少ない僕は部屋にいることが多く、

違う世界があったらいいな・・・と現実逃避をしていた、

簡単に過去に戻ったり、

簡単に違う世界に行きたいと願っていた学生の時の記憶が蘇って来た。


僕が望んだ世界・・・・




それから僕は仕事を辞めて、

実家に帰って来た。


人生のすべては自分の選択によって決められる。


楽しい人生を選択すれば楽しい人生になり、

どうせ上手く行かない、どうせ失敗ばかりと考えていたら、

その通りのつまらない人生になる。


僕は楽しいを選択した。


自分に合わない仕事を辞めて、

自分に合う仕事を探し始めた。


これからが僕の人生の始まり。


僕にはたくさんの選択肢がある。


僕は自分にそう言い聞かせながら、

心の奥では、またあのドアが現れて来てくれることを期待していた。


望んだことが現実になるなら、またあのドアが現れる。


今度は「みんな優しく、苦労しない世界」を望んでドアを開けよう!

心の準備は出来ていた、

あとはドアが現れるのを待つだけ


さていつドアは現れてくれるかな?


僕はもう10年もドアを待っているのに、


まだドアは出て来ない・・・・






おわり





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