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小さな青いドア  作者: 田中らら
11/12

あの世界

またあの世界に戻ってしまったのか?


「なぜだ?なんでまたこの世界に・・・

今日は何日?」


僕はテレビのスイッチを押した、

いつものニュースがやっている、

今日は月曜日だ!


「会社に行かないと!」


僕は会社に行く準備をした、

また8時になったら5時に戻るかもしれない、

でももし戻らなかったら・・・


僕は8時前に家を出た、

腕時計の秒針を見ながら歩いていた。


看板に何度かぶつかりそうになりながら、

歩いていると時計は8時になった。


めまいはしなかった。


この世界は元の世界みたいだ。


僕は少し残念に思いながら会社に向かった。


しかし、今日はいつもと違っていた。


いつも通り仕事しているのに、

部長に何度も怒られ、みんなが冷たく感じた。

今日はみんな機嫌が悪いのかな?


家に帰ると母親から電話でなんで勝手に帰ったんだと、

怒られて、あんたは昔から責任感が無いと、

関係の無い過去のことまで掘り返され怒られた。


「なんか今日は散々な日だな・・・」


そして次の日も次の日もみんなは優しくなかった。


優しいみんなはどこに行ったのか・・・


僕の日常はまたつまらない日々に戻った。


満員電車にもまれながらの出勤。

理不尽な上司、つまらない仕事。


これが僕の世界なのか?


そんなことを考えながら前を見ると、

あの女の人の大きなポスターが目に入って来た。


「自分が望んだ世界は楽しい?

すべては自分の選択で決まる。」


ポスターに大きく書いてあった。


自分の選択?


僕はフッと思い出した。


実家に行った時に僕は、

みんなの優しさに違和感を感じて元に戻りたいと願った。


じゃ僕の実家の小さなドアからこのつまらない世界に通じていたのか?


じゃまたあのドアを抜けたら優しさの溢れた世界に戻れるのか?


めまいがして時間が戻り、小さなドアから違う世界に行ける?


世界はどうなってしまったのか?


めまいはいつ来るかわからない、

でも実家にあるドアは今もあるかもしれない!


僕は急いで実家に向かった。


つづく



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