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レポート9 フラとの恋

 せっかくの「リアルタイム☆ファンタジー」なので、なにかリアルタイムな話題を。


 雨上がり決死隊の宮迫さん、少し前にユーチューバーになりましたけど、表情が生き生きしてきましたね。


 きっと、テレビと較べて観ている人は少なくても、やりたいことを表現できるのが、嬉しいのだろうと思います。


 ぼくも、見ている人は決して多くなくても、やりたいことを表現できるこの空間に、喜びと感謝があります。


 あちらとは、全然比較にならない規模ですけどね。

「おめでとう、LV2ね」


 沼の声に、目を細めて天を見あげた。今は1人ではなく、ぼくの横には、元フラフーパーのフラがいる。


「彼女もできて良かったわね」


「ああ。情熱的なポリネシアンの、しかもバリバリのティーンエイジャーを入手するなんて、男子の本懐これに勝るものはない。ユメオの夢は、すべて果たされた」


「ダメよ。まだゲームは始まったばかりなのよ」


「このゲームの目的って、なんだっけ?」


「ひたすらPVを上げて、そこから脱出することよ」


「脱出? 嫌だよ。初めて彼女ができたのに」


「現実世界に戻れなくてもいいの?」


「もちろん! だってぼく、今がいちばん幸せだもん」


 フラとほっぺをくっつけた。フラはとっても柔らかい。ココナッツの、いい香りもする。


「ぼくのマシュマロちゃん。ぼくのココナッツ」


「わたしの勇者。最強の恋人。伝説の王」


 フラの瞳を見つめた。7色に光っていた。その輝きは、まさに愛に燃える情熱のダイヤモンドだった。


 フラフーパー、ガ、アラワレタ!


 ぼくは猛然とダッシュし、フラフープがまわりはじめる前に叩き落とした。


 フラフーパー、ヲ、タオシタ!


 恥じらって逃げようとするフラフーパーを、そうはさせじとひっつかんだ。


「ああ、恥ずかしい。あなたのお顔を見るのが、とっても恥ずかしい」


「なぜ恥ずかしい。顔にウンチョでもついてるか?」


「だってあなたは、世界一かっこいいんだもの」


 ぼくはその、新しい彼女を抱き締めた。


「待って」


 フラの声に、振り向いた。フラは腰に手を当てて、なんとなくふてぶてしい態度で立っていた。


「わたしたちの風習では、1人の男を好きになった女同士は、決闘することになってるの。着ている服を全部はぎとられたほうが、負けよ」


「服をだって?」


 ぼくは興味津々で、その決闘を見守った。


 勝負は一方的だった。ぼくの彼女第2号は、フラに投げ飛ばされ、蹴られ、つねられ、ひっかかれ、青い花柄の布をズタズタに引き裂かれて、号泣しながら森の奥へと消えていった。


「ユメオ、勝ったよ。わたしたちの風習では、勝ったほうが必ず正義なのよ」


 相手の傷から流れた血で、まだらに赤く染まった顔でフラが言った。


 ぼくはフラに手を引かれて歩きながら、現実世界に戻る努力をしたほうがいいだろうかと、真剣に考え始めた。


 PV207

 LV2


 今回出てくる南洋の女同士の決闘は、中島敦先生の「夫婦」に、むちゃくちゃ面白く描かれています。


 というか、あれが完全に元ネタです。青空文庫でも読めますので、ぜひ御一読を!

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