レポート25 ホーカミの家
ユメオに指示を与える天の声キャラを、なろうのユーザー名「沼」にしていましたが、ついさっき、「ぬま」さんが実際にいらっしゃることを知りました。
偶然の一致ですが、失礼いたしました。
ガルが止まった。
恐る恐る目をあける。振り落とされなかったのは奇跡だ。いったいどこまで遠くに来たのだろう。闇を透かし見ても、なんの手掛かりもなかった。
するとーー
ぼうっとした、赤い光が近づいてきた。
人魂だ!
ぼくはビビった拍子にガルの背中から落ち、硬い岩の地面で頭を打った。
「ご苦労だった」
人魂がしゃべった! と思ったら、次第にそれが、松明を持ったホーカミ族の男であるのが見えてきた。
「上手くやったでしょ、お兄ちゃん?」
驚いて後ろを見た。ガルがまた、少女っぽいホーカミに戻っていて、普通に人語をしゃべっていた。
「うん。モリノボスを倒した勇者と聞いていたから、かなり手強いと思っていたが、案外簡単に連れてこれたな」
「わたしのかわいさに、萌えてくれたんだガル。テヘッ」
「勇者よ」
お兄ちゃんと呼ばれたホーカミが、ぼくを見て言った。
「ここは、我々ホーカミ族の暮らす谷間だ。あの聖水を出す爺さんと、我々の弱点を知る門番に、この場所を知られるわけにはいかなかった。だから、このような策を弄させてもらった」
「策って?」
ぼくは、どうやら魔物に化かされたわけではなかったらしいとわかり、ほっとしてホーカミに訊いた。
「我々は、妖術を使える。それでまず、フラという女に妖術をかけ、洞穴から誘い出した。爺さんと門番は、深く眠らせておいてね」
「なんのために?」
「あなたに来てもらうためだ。安心してくれ。あの女は、暖かな家でスヤスヤ寝ている。あなたへの話が済んだら、2人とも、無事に元の洞穴へ送り届ける」
「ぼくへの話って?」
「あなたに、この山の謎を解いてもらいたいのだ」
それだったら、こんな誘拐みたいなことされなくても、元々するつもりだった。
「それは、どんな謎なんですか?」
「それがわからない。山の頂上付近に、恐ろしく強いボスがいるんだが、こいつが時々暴れるために、森の生き物たちは困っている。謎を解く勇者が現れたら、このボスを倒してくれると言い伝えてられているのだ。しかし、これまで数々の冒険者が挑戦したが、すべてボスに殴り殺されている」
「むちゃくちゃ怖いっすね。ぼくで大丈夫かな?」
「もし倒してくださったら、この谷間に、あなた専用のハーレムをお作りしたい」
「……ん?」
「妹のような萌えホーカミが、20名くらいであなたに仕える。旅に疲れたら、いつでもここに戻ってきて、骨の髄まで癒されていただきたい」
「そういうことなら、お引き受けしましょう」
ぼくはガルを見た。ガルもぼくを見て、シッポをプルプル振った。
「ここはまだ標高千メートルだ。頂上まであと1万メートル近くある。我々ホーカミ族の助けなくして、そこまで辿り着くのは不可能だ。ガイドをつけよう」
「わたしが行くガル!」
ガルが、ピョンピョン飛び跳ねて言った。
「行けるか?」
「もちろんガル。冒険と聞いたら黙ってらんないもん。ホーカミの血が騒ぐガル」
「よし。おまえももう一人前のホーカミだ。頼んだぞ」
「じゃあ明日から出発するガル。今夜はもう暗いから、勇者さん、わたしんちに泊まっていって」
「え、ガルんちに? いやー、なんか悪いなー。ではお言葉に甘えて」
ガルが松明を持って歩き出した。ぼくは岩につまずかないように、慎重について行った。
「ここガル」
やがて暗がりに、一軒の家が見えてきた。石造りの、四角いトーチカみたいな家だった。
「どうぞ。今お茶を淹れるガルね」
中は明るく、暖炉で火が燃えていた。これがホーカミの家かと思うと、なんだかお伽話の国に来たような、不思議な気分になった。
「ベッドが1台しかないね。ガルがここで寝るとして、ぼくはどこで寝ればいい?」
「もちろん、一緒に寝るガルよ」
「えっ? いやそれは、お兄ちゃんに怒られるなー。ぼくちん困ったガル」
「ガル?」
「ガルガル、ガルーン!」
「ユメオ」
ベッドの布団が持ちあがったかと思うと、フラの上半身が現れた。
「救けに来るのが遅かったわね。それはそうと、あなたは人語を忘れたようだから、犬並みに、ベッドの下で寝たらいいわ」
PV570
LV5
前回の後書きで、アニメはドラえもんくらいしか観ないと書いたけど、子どものころはずいぶん観ていた。
中でも好きだったのは。
「侍ジャイアンツ」
「巨人の星」
「マジンガーZ」
「ライディーン」
「トムとジェリー」
「ハクション大魔王」
「天才バカボン」
「いなかっぺ大将」
「ヤッターマン」
等々。毎日面白いのがあって、幸せだった〜。




