第1話
何書いてんだ俺……疲れてんのかな
1-①
ある夏の昼下がり、一人の老人と少年が縁側に腰掛けていた。
少年は老人の孫で、年齢は5歳、小麦色に焼けた顔を綻ばせながら、老人の畑で採れたスイカにかじりついている。スイカを食べ終わった少年は、口の周りを腕で拭うと、祖父に言った。
「おじいちゃん、今日もお話聞かせて!!」
キラキラとした視線を向けて来る孫を見て老人は笑った。
「そうかそうか、じゃあ今日はこういう話をしてあげよう」
そう言って老人は語り始めた。
「昔……そうじゃな『昔』というのはまだお侍さんがいたくらい昔の話じゃよ。
ある村の若い衆が寄り集まって、『自分のこわいもの』を語りあった。
ある者は『蛇がこわい』と言い、またある者は『クモがこわい』と言い、またある者は『嫁がこわい』と順番に言っていったんじゃが……ある若者が『まんじゅうがこわい』と言い出したんじゃ。
その若者は『まんじゅうなど見るのも嫌だ、名を聞くだけで体調が悪くなる』と青くなってブルブルと震えているではないか。
その様子を面白がった若い衆達は、次の日まんじゅうを買ってきて、その若者の家に次々と投げ込んだのじゃ。
しばらくして、まんじゅうを投げ込んだ若い衆達は『さぞ怖がっているに違いない』とその若者の家を覗き込んだんじゃ……そしたらなんとした事か!!
その若者はまんじゅうに食べられておったのじゃ!!
驚いた若い衆は慌ててまんじゅうを踏み潰してしまったが、一つのまんじゅうが逃げてしまった……
……それが、人類とまんじゅうが銀河を二分し……今なお続く戦争の始まりだったのじゃ……」
老人と少年は空を見上げた。二人の頭上を、まんじゅう迎撃のために出撃した宇宙戦艦がゆっくりと通り過ぎて行った。
勢いに任せて短編ギャグ……のつもりで書いたのですが、作者が血迷ったら連載化するかも(苦笑)
ちなみに作者は……感想とブックマークが怖いです!!
お後がよろしいようで!!(苦笑)