大きな問題
――順風満帆に思えた俺達だったが、大きな問題が発生していた。
前回の反省会を活かし、俺はPTメンバーの装備の強化などに努め、更に鴉さんや魔猫達の装飾品のプレゼントなどを作り、ここ数日非常に忙しくしていたのだが。
……。
強化した装備【魔獣シリーズ】が、とても派手だったのだ!
色が真っ赤で、とても目立つのだ。それはもう、めちゃくちゃ。俺達が1人いるだけで、周囲に半端ない存在感を示してしまうのだ。ましてや、PTとしてメンバーが固まって行動していたら?
――周囲の反応は、推して知るべしだった。
これは俺のミスだろうな。そう思ってはいたのだが、その悩みは意外とすぐに解消へと向かう事になった。
そもそも、俺達PT全員が金級以上の凄腕冒険者である事。俺自身が、更に上の霊銀級冒険者だった事が影響したのかは分からない。
そして何より、複数のダンジョン制覇をした事によって、いつからか俺達はダンジョン攻略専門PTの様に、周囲からはそう認識をされて行き。
実はすでに、目立ちまくっていたのだ! 装備の問題でも無かった! ジャジャーン(笑)
そして更には、PTでお揃いの真っ赤な装備の俺達を見て、周囲の人達からはダンジョン攻略PT【真紅】といつしか呼ばれるようになった。
そう呼ばれてしまっては、鴉さんだけちょっと装備(色)が違うのもアレなので(ゲスト扱いだからある意味で仕方ないけれど)彼女には魔獣のマント+3を追加でプレゼントだ。
勿論これも真っ赤で派手なマントだ(笑)これで一蓮托生。なかーま。
それに、デフォルト外見が真っ黒な鴉さんには、真紅色のマントが良く似合っていた。
鴉さんも、これで立派な真紅の一員だね! まだゲスト参加だけどさ。でも1人だけ仲間はずれって可哀想だよね? 旅は道ずれ世は情け。PTは酸いも甘いも一蓮托生なんだぜ。
こうして俺達は、ダンジョン潰しの真紅と呼ばれる高ランク冒険者PTとして、有名になって行くのだった。
……別にそこまで、ダンジョン巡りがしたい訳じゃないんだけどね? 鴉さんの旦那と仮面の男の行方が気になるから、だからなんだからね? そこは勘違いしないで欲しい。僕の望みはずっと前から悠々自適な異世界スローライフ(モフモフ付き)なんだからね!
まさか本当に、ドラゴンと戦いそうな件についてはフラグ乙としか言えない。




