そんな事が、俺はとても嬉しかったんだ
弓矢の強化ですっかりハイになった俺は、次々と自分の装備を強化していった。
《ポーン!》成功しました。軽革鎧+1にランクup
《ポーン!》成功しました。軽革鎧+2にランクup
《ポーン!》成功しました。軽革鎧+3にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。軽革鎧+4にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。軽革鎧+5にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。軽革鎧+6にランクup
《ポーン!》失敗しました。
……。
……そして!
《ポーン!》成功しました。魔獣の軽革鎧+3にランクup
《これ以上の強化には別の強化素材が必要です》
おっし! 次は靴だな?
《ポーン!》成功しました。軽革靴+1にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。軽革靴+2にランクup
《ポーン!》成功しました。軽革靴+3にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。軽革靴+4にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。軽革靴+5にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。軽革靴+6にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》失敗しました。
まだまだっ!
……。
……。
……《ポーン!》成功しました。魔獣の軽革靴+3にランクup
《これ以上の強化には別の強化素材が必要です》
……おっしゃ出来たああああああああああ!
レア度;SR+
鎧 :魔獣の軽革鎧+3(不可)
属性 :無(付与可能)
物理防御:+100+30
魔法防御:+50+30
回避率 :+10%+3%
耐久度 :1500/1500
備考 :
補正効果:魔力を込める事で一定時間【ダメージ軽減効果】が発動。
レア度;SR+
靴 :魔獣の軽革靴+3(不可)
属性 :無(付与可能)
物理防御:+50+30
魔法防御:+50+30
回避率 :+20%+6%
耐久度 :1500/1500
備考 :
補正効果:魔力を込める事で一定時間【回避率】UP
こうして防具も、格段に強くなり守りも万全。堅くなった。
魔狼のアスカが、隣でずっと羨ましそうにしているので、ほんと仕方なく、しゃーなしやで? という雰囲気を出しながら、彼女の人型用の装備も、全て強化してあげる事にした。
そして魔獣の杖+3、魔獣の服+3、魔獣のローブ+3、魔獣の靴+3が完成。ついでに、状態異常に耐性が付く【忍耐のピアス】を作ってアスカにプレゼント。
実は彼女だけ、装飾品(アクセ枠)による強化がまだだったからだ。ピアスなら、どの形態で付けてても問題無い筈。
その後のアスカには、めちゃくちゃ喜ばれたのは言うまでもない。まず人型になり、繰り返し感謝の言葉と、感激の余り変身直後の全裸のままで突撃されずっと抱きつきかれた。
あまりに困った俺は、はよ魔狼になれ! と命じたら、狼形態となったアスカは今度は俺の手や顔などを、ペロペロ舐め回す始末だ。俺の手や顔は、アスカの涎まみれになるハメになった。
……解せぬ。
興奮のあまりか、アスカは始終鼻息荒くフンフンさせ、仕舞いには俺の全身の匂いを嗅ぎまくって喜んでいる魔人狼(変態)アスカだった。
何か……凄く変態っぽいよアスカさん? 大丈夫?
……。
そして後日、まずはお留守番組の魔猫には、今回のボス討伐で得た大魔石を【大魔石塊】にしてプレゼントした。これで魔猫も、相当のパワーUPを果たし喜んでいた。
ダンジョンではポリポリと、道中の魔物の小魔石を摘み食いして上昇した魔鼠のモッチーの数値よりも、魔猫のステータスは倍くらい上がった。
――やっぱり、ダンジョンボスの魔石は格が違うな!
魔猫に任せていれば、ミーナの身辺警護は万全だ。感謝の気持ちを伝え、優しく体を撫でてあげる。
ちなみボスの魔石からは、仮面の男の臭いはしなかった。今回は自然と進化し、変異したボスなのだろう。本当に魔獣ばかりだったな。
そして少女ミーナには、可愛い指輪を作ってプレゼント。【忍耐】という状態異常耐性がUPする効果付きだ。
ミーナは現在、孤児院でしっかりと勉強しながら皆とも楽しく一緒に遊んでいる。ある意味、彼女の存在のおかげで、今となっては孤児院の運営もようやく安定したと言える。
今のミーナの待遇は、かなり良い状態だ。ならばもう少しだけ、ここにお世話になるとしよう。とてもまだ、俺達の冒険の旅には連れて行けないからね。
そして後日、ルークにも魔獣の鎧+3、魔獣のヘビーブーツ+3、魔獣の兜+3、それと武器と盾も+3へとそれぞれ強化してあげた。
鴉さんにも、ついでに状態異常耐性が付くお洒落なピアスをあげた。流石に自分の相棒である得物(装備)などは、俺にもおいそれと渡す訳にもいかないだろうし、俺自身まだ秘密を彼女に話せないから仕方がない。
ただ彼女にだけ、今回何もしないのは気まずさを覚えた。鴉さんは、嬉しそうにやら恥ずかしそうにやら、照れた表情をしながら感謝の言葉と一緒に、その場でピアスを耳に付けてくれた。
――俺はそんな事が、何故かとても嬉しかったんだ。




