俺とアスカの夜は深まる(意味深
今日の反省会は、良い雰囲気で無事に終了した。そろそろ就寝の為に、各自が自分の部屋へと引き揚げていく。
魔鼠も自分の家族と過ごす様で、自分の愛の巣へと帰って行った。やりおる。
俺の足元で狼の姿になり、撫でる度に嬉しそうに尻尾を振るアスカと、俺はゆったりと静かな夜を過ごす事になった。狼形態のアスカは、とってもモフモフで最高だ。癒される。
そもそも俺もアスカも、特に睡眠の必要は無いのだ。しかしこうして、のんびりと体を休ませるだけでその効果はある。そして俺は、今日の反省会で出た事を早速活かす為に、まずは自分の【強化】をする事にした。まずは武器から。
装備などは、強化が可能になっている。そして普通は、鍛冶屋などに頼み必要な素材かそれに値する金銭を渡して強化をしていく。
そして、鍛冶師の腕や使用する素材の数や品質にもよるが、装備強化をする事によって性能を上げるのだ。
一部のステータスが、上昇するなどの【補正効果】がついたりもするし、装備自体のランクアップもあったりする。
例えて言えば、銅の剣+1← のような感じだ。装備のランクが上昇すると、それに従い性能も全体的に上がり単純な強化よりも強くなる。
そう考えれば、装備のランクUPが良いじゃないか? となるだろうが、実は装備の強化による結果は選べないのだ。
つまり強化してみるまで、補正が付くのかランクがUPするのか、それとも強化失敗してしまうのかが分からない。
運次第であり、一種のギャンブル的な要素がある。そのせいか、装備の強化に無駄にハマる冒険者も多いよか何とか……。
また装備には、属性の付与というものも可能だ。擬似的な魔法装備となり、精霊や悪霊などの霊体系にもその攻撃が通るようになる。
ただ属性付与は、相手により属性が不利になる事もあるので注意が必要だった。
例えば、火山MAPのダンジョンで、水属性の装備を用意するのはとても有効なのだが、逆の場合を考えると、分かり易いだろうか。実際に非常に辛い戦いとなるだろう。
だが俺は、今回のボス討伐で新たな能力を得た。それは擬態変換に、新たな機能の【強化】追加だった。
これは強化したい物を、必要になる素材を入れて【変換】する事で、それらを【強化】出来る能力だった。
そして強化の内容も選べたのだ! 俺は自分の弓を取り出し、今回の冒険で大量に入手した魔獣の牙や爪などを使い【強化】を始めた。
《ポーン!》成功しました。弓+1にランクup
《ポーン!》成功しました。弓+2にランクup
《ポーン!》成功しました。弓+3にランクup
《ポーン!》成功しました。弓+4にランクup
《ポーン!》成功しました。弓+5にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。弓+6にランクup
……。
俺はひたすら弓の強化を続けた。
……そして。
《ポーン!》成功しました。魔獣の弓にランクup
……!? 店売り装備の弓が、どうやら武器として進化したみたいだ。まだ強化は出来るか? どこまで強化出来るのか試してみよう。
《ポーン!》成功しました。魔獣の弓+1にランクup
《ポーン!》失敗しました。
《ポーン!》成功しました。魔獣の弓+2にランクup
《ポーン!》成功しました。魔獣の弓+3にランクup
そしてついには、《これ以上の強化には別の強化素材が必要です》と出た。なるほど? 別の素材ね。
とりあえず完成した弓を、参照して確認してみる。
レア度:SR+
武器 :魔獣の長弓+3(不可)
属性 :無(付与可能)
攻撃力:+50+30
耐久度:1500/1500
備考 :矢の種類により攻撃力など追加上昇。
補正効果:魔力を込める事で攻撃力上昇。※ 擬似魔法装備扱い。
となった。
ついでに大量にストックしていた木の矢も【強化】だ。矢の場合は、30本単位での強化が可能だった。そして一気に強化開始だ!
《ポーン!》成功しました。魔獣の矢+3にランクup
《これ以上の強化には別の強化素材が必要です》と出た。
そして在庫の矢を、全てそうなるまで強化を繰り返した。
レア度:SR+
武器 :魔獣の矢+3(不可)
属性 :無(付与可能)
攻撃力:+100+30
耐久度:330/330
備考 :
補正効果:魔力を込める事で対象に追加固定ダメージ。
――こうして俺は、自分の武器の大幅性能UPが出来たのだった。
そしてその一部始終を、隣で見ていたアスカは『ウォ~ン?』と鳴いて、お得意のおねだりが始まったが、まずは俺の装備が終わってからな? と俺が言ってアスカの頭をワシワシと撫でてやったら大きく尻尾を振って納得してくれたようだ。
アスカは本当に可愛いな(モフモフ最高)
俺とアスカの夜は、こうして深まっていった。




