女神達の苦難と明かされていく陰謀
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「救世という力に目覚めたのですか……ユウト。私が想像していたよりも、ずっと凄い力に目覚めたのね」
『まさか……。彼が外道化を《イレギュラー》防ぐ事が出来るなんてありえない。まさかまさかと言いたいですね』
「これで分かったでしょう? ユウトは私達の世界の希望ね。ユウトが覚醒したスキル【救世】は、この世界の全てを救える力があるわ。そして私達にも、その救いを齎してくれるで事しょう」
『彼は……そこまでの存在なのですか?』
「ええ、そうね。いずれ私達以上の存在となって、この世界を救済してくれる日も、そう遠くないかもしれません。だからこそ、もう少しだけユウトの生活を、私達が暖かく見守りましょう?」
彼が完全なる存在になるまでは。
それまで私達が、この世界を守りましょう。
『……承知致しま『失礼致します』(シュンッ)』
そこへ別の使徒が転移してきた。そして驚くべき次の報告を始めたのだ。
『我らが主様。どうやら各地の大型化したダンジョンから、我等の張った結界への侵食行為を確認しました。これによりダンジョン大型化の目的が、我等の結界を内部から侵食し破壊する為であると判明しました。このままだと最悪の場合は、内部と外からこの世界を守る結界への同時侵食によって、そう遠くない未来に結界が破壊されます』
――更なる衝撃が、女神達を襲ったのだった!
「急いで他の使徒達も派遣! 大型化ダンジョンを速やかに攻略して完全に潰しなさい! いいわね?」
……でもこれでは、後手後手に回る事になる。
「それと小型のダンジョンでも、今後は一切放置せず世界の住人達に任せてる形で全て潰させましょう。各地の女神教の司教や神官達全員に【天啓】を一斉に与え、指示を出して。それで何とかなるでしょう」
小型とはいえ、住人達がダンジョンに挑むのは危険な行為だ。
特に進化して強くなった魔物の存在【ダンジョンボス】がいる。
この世界の住人達にも、少なくない被害は出るでしょう。
でもそれもきっと、貴方達の成長にも繋がる筈。
そうして魂の格を上げ、いずれはきっと……。
そこへ、また別の使徒が現れた。
『主よ。彼に救済された少年の《ルーク》ですが……。不確定ですが、どうやら外道化前に何者かが接触した形跡がありました。外道化はその者による影響かと思われます』
「何ですって!? それは……イレギュラー化を、任意に促進させる力を持つ敵まで居るって事? 結界に殆どの力を注ぎ、そして大型ダンジョン及び進化した魔物達を潰していくだけでも、今の私達には手一杯だと言うのに! まずいわ何とかしなければ!」
――明らかに戦力が。手が足りていない女神達だった。
女神様達の苦難はまだまだ続く。




