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美容品が王都でも大人気!? ……だが断るッ。

「え? 私が王都にですか?」


 美容品の売れ行きが気になったので、気紛れに顔を出した商人ギルド。


 お互いによく知る、ギルド受付職員さんが俺の顔を見てすぐギルマスへと、アポを取りに行ったのである。


 軽~く売れ行きだけを、聞こうとしただけなんだが。

 受付嬢に、凄い勢いで流されるまま案内された、商談でよく使うVIP室の中での出来事だった。


『そうなのだ。実はユウコ様の作る美容品が、王都の方でもすでに評判でね。王族や貴族のマダム達から、問い合わせがもの凄いらしいのです。ここみたいな、地方の商人ギルドが独占販売するだけではなく、王都の商人ギルドでも同じく美容品を販売をしろと、執拗に対応を迫られているのだ』


 この街からの出荷程度では、とても需要に供給が追い付かないのだと言う。


「……美容品の、製造者が私だとはあまり知られたくないのですが?」


――それは契約条件の最初の1つで、とても重要だった。


『うむ。それは充分に分かっているのだ。しかし王都商人ギルドは言わば本店。こちらは支店の立場でな。

 明らかに、無理無茶な要求である場合ならば、こちらも突っぱねる事も出来る。

 だが王族を含めた、セレブの奥方様達がこぞって、この商品なら3倍の値段でも買うから、早く王都でも販売しろと言って聞かんのだ。

 確かに金銭的な条件で言えば、破格の良い条件なのだ。

 だからこそ、こちらとしては安易に断る事が出来なかったのだよ』


……なるほど。それならば仕方ないか。


 いやしかし、あの美容品をお値段3倍でも買うのか!

 セレブ奥様達の、購入意欲がはんぱねぇっすな。


『この街で、ユウコ殿に納品頂いた美容品を、例えそっくりそのまま王都に輸送するだけでも、かなりの手間と経費が掛かるのだ。

 しかも、王都から来ている注文の数は、すでにこの街の発注数で言うと、3ヶ月分以上になるのだ。

 とても供給が間に合わない。運搬による商品の破損も無視出来ない。どうしてもロスが大きくなる。

 輸送が大きくなれば、道中で盗賊などからの被害も無視できない。

 それには、それ以の護衛の数も必要になる。

 ならばいっそ、可能であれば単身ユウコ様に、王都に向かって頂いて現地で製造が可能なら、それをギルドとしてはお願いしたいと思い至った次第。可能だろうか?』


……なるほどね。


 確かに、リスク管理などを考えれば、俺が単身王都へ行って、現地で製作したほうが色々な面でベストだろう。


 この街から王都までは、馬車で5日程の距離。

 俺が単身で向かうだけなら、そこまで大変ではないだろうな。


「そうするとですね? 王都で3倍の値段で売れる! となれば、当然私がこちらで今後も【銀貨1枚で】安く卸す理由が無くなりませんか? 下手をすれば、私が王都からずっと戻らないかもしれませんよ?」


『それは……。こちらも当然覚悟している。

 しかしこちらも立場がな? 

 王都ギルドからの要求を、無碍には断れん。

 だからそこで1つ、こちらからのお願いがある。

 半年……いや3ヶ月分だけ、据え置き価格で先に商品を卸して頂けんだろうか。

 後はこちらで何とかする。それでどうだろうか?』


 3か月分を先に製造して、こちらに据え置き価格で売って欲しいとな。

 その後は、買い取り価格を見直して再度契約して俺から買い取るか、もしくは王都ギルドから買い取るか。


「わかりました。据え置き価格で3か月分、先にこれから作ります。

 その後は準備をして、王都へ向かい現地で製作します。

 その後の契約は……またその後の話しで決めましょう」


 という形で、商談は無事に落ち着いたのだった。


……ちなみに王都では、香り付きの高級品の方が人気らしい。


(この街では、無香の安いほうが売れているんだけどね)


 そうなると王都では、香り付きの商品が沢山必要になる。


 実は、他の種類の香り付き商品も、今は作れるので併せてガンガン売れそうだ。


 (よっし! 製造頑張ろうっ)


 その後暫くすると、王都ギルドの担当者が尋ねてきたので会談した。


 そして、王都ギルドとの契約でも、製作者は極秘で扱って貰う事。

 卸しの値段は以前の3倍。

 銀貨3枚/6枚をベースとして、手数料は変わらず20%で、卸価格以外は以前と同じ条件での契約が出来た。


 後は売れ行きを見てだが、定期的に俺が王都に来て1ヶ月程滞在し、その間に何ヶ月分かの製造を繰り返す形か、そのまま王都に定住するかはまだ未定だ。


 王都行きの馬車など、かかる費用も全て王都ギルド持ち。


 王都で俺の宿泊する部屋や、作業部屋なども毎回全て手配してくれるとの事。


 ここまでしてくれるならば、王都行きも嫌では無くなる。


 そこでまずは、王都で半年分の製造依頼を受けた。

 滞在予定は1ヶ月の予定だ。


 商品1ヵ月分の製作には、最低3日かかると伝えてある。


 半年分製造(6)x3日=18日で、製造作業の合間の休憩(お休み日)も込み込みとして約1ヶ月滞在の契約だ。


 実の所は6日程度、製造作業をすれば残りは王都観光し放題。

 実に遊び放題なのだ。


 うーん。真っ白ホワイトなお仕事。最高です!


 そろそろ、この街以外も見ておきたかったし、良い機会かも。


 そして俺は、王都行きの専用馬車が10日後に迎えに来るという事なので、その間は毎日色々な製作作業に明け暮れた。


 すぐ3か月分の商品を作り、この街での依頼は完了した。


――実は王都に行く前に、すでに王都の注文の内3ヶ月分のストックも出来てしまっている。


 これからいよいよ、王都生活かぁ~!


……だがその前に、()()()()()は、やっとかないといけないね?





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



リザルト


○スキル:錬金術Lv3まで上昇


○街での収入「3ヶ月分」金貨136枚と大銀貨68枚を獲得


○王都用の商品在庫として〖美容品3ヶ月分〗製造完了


△製作費用:大銀貨3枚支払う


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