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人造魔法生物【ホムンクルスライム】

「後はそうですね。この世界では、数値化されたレベル等の概念はあるのでしょうか? ステータス的なものとか?」


 聞いた限りよくあるファンタジーな世界なのだろう。だから正直ありそうだなと思った訳なのだが。果たして?


『それについては内緒なのですが、実は御座います。これは今から貴方に授ける、固有スキルの《ヘルプ》で、自由に何時でも参照出来るようにしておきますね。凄く便利な機能を()()()()していますので、是非使いこなしてみて下さい。ヘルプ参照で得られる情報内容は、情報権限レベルが上がる事で更に詳細な内容が得られるようになりますので。権限レベルとは、どれだけこの世界に貴方が貢献しているかで判断され与えられるものなので、賢明な判断と行動をして頂けたらと思いますわ』


 ナルホド賢明な判断とな? 何となく分かった。悪者ロ-ルプレイは絶対に厳禁って事だね。OK理解した。ヘルプ参照については、口に出して【ヘルプ】など言わなくても、頭で知りたい事などを考えるだけで使えると。なるほどなるほど実に使いやすい。


 固有スキル《ヘルプ》。それは、この世界のガイドブック的な機能だ。知りたい内容や人物などをヘルプ参照するだけで教えてくれる。試しに自分をヘルプ参照した所、名前などの簡単なステータス情報が得られた。


 とても便利なスキルだな。便利な機能が色々詰まっている。それは非常に助かると感じた。

 そして僕は、次なる疑問を解消すべく続けてヘルプを使用した。


――この世界についてもっと詳しく【ヘルプ】


……ほうほう。なるほど。僕が想像していたように、レベルやステータスなどがあるみたいで、他には人間以外にもエルフや妖精、獣人などの所謂【亜人種】がこの世界では多数存在しているみたいだ。


 元の世界にも居た様な、犬や猫などの動物も居るみたいで、僕は動物が大好きだから凄く嬉しい。


 亜人種なども、差別や弾圧などは特に酷いものはないようだ。そしてこの世界での宗教は慈母神ララフェル様を信仰する【女神教】が単一で広く信仰されていて、小さい村にも必ず教会が建てられているくらいの普及率だそうで。


 大きい街には、教会とセットで孤児院もあり女神教が主導で両方の運営をしている。

 うーん。何だか想像していたよりも、ずっと優しい世界なんだねぇ。


「そう言えば、大切な事を聞くの忘れてましたが、僕ってこの世界ではどういう扱いなんですか? 初期設定? を決めてからの赤ん坊スタートですか? このままの姿でスタートしても大丈夫なんですか?」


(これは絶対、聞いておかなければいけない事だ)


『そうですわね。ご希望があればそのままの状態でも構いませんわ。赤ちゃんからの転生スタートでもこちらは問題ありません。

 そこは貴方の希望を聞いてからと私は考えています。どちらにしても、私が用意した器(肉体)に貴方の魂を定着させてからのスタートですので。

 このままでスタートする場合は、基本的に貴方は突然この世界に現れたと言う、摩訶不思議な存在になりますので、そこはご自分で過去設定は考えて下さいね。

 赤ちゃんスタートを御希望でしたら、また設定は違ってきますけれど、いかがなさいますか?』


――いやいや。赤ちゃんスタートだけは無いと断言しよう。


 相手がいくら実の肉親だとしても、中身(精神)がこのままでオムツ生活スタートは……凄く嫌だ。なので断固拒否したい! 絶対に! 赤ちゃんスタートだけは絶対に拒否する所存。


 だいたい単独で自由に動ける様になるまで、拘束時間が長過ぎるんじゃないかと僕は思います!


 それに義務教育期間などもあるとしたら、またそれを過ごすのも嫌だ。義務教育自体がそもそもあるのかどうかは知らないけれど。


「今現在考えている方向性としては、このまま成人スタートでお願いします!」とだけ言ってみた。


「それとキャラデザ的には、どこまでがOKですか? 性別とかは変更可能ですか? 僕の死因がアレなのでもう修羅場は勘弁です。なので何か良い方法って無いでしょうか」


 ザックリと、女神様に丸投げスタイルで相談してみる事にした。


『そうですわね。外見などは自由に変更していいわ。恋愛とかの修羅場を回避したいのだったら、いっそ性別も何もない、魔法生物みたいな存在にもなれるわよ? 興味あるかしら?』


 魔法生物ニモナレマス! と言われて凄く驚いた。うおぉ、それマジですかね!?


『魔法生物、少し前に人気だったのが【スライム】とか。あとはゴーレム種とか? とにかく種類も色々あるわね。基本的に魔力を補充すれば、寿命とか無関係で活動可能な点が特にオススメね。でも繁殖は不可だったりするわね。その方が良かったりする?』


……それは、大変魅力的な情報です女神様!


 寿命は関係無し、そもそも性別が無いのは最高かも。

 同性や異性との恋愛とかほんと面倒くさいし。女性って怖い。


――だがしかしですね! スライムでは問題ありますよ? だってスライムって……。街で普通に暮らせないんじゃないですか!? 本末転倒なのですよ女神様!


【見敵必殺】サーチ&デストロイ! されちゃいます。僕は早死にしたくないのです。

 だからこその人間型? うーん。やっぱりゴーレムもダメだなぁ。


「あ、でもそうすると、この世界では所謂【人造人間】(ホムンクルス)って存在はどうなってますか?」


 もしかして、ホムンクルスなら見た目がそのまま人っぽくて問題ないのではなかろうか?


……勿論、存在するのであればだが。それこそ元の世界のクローン問題みたいに、それ自体が禁断とされていたり、極端に寿命が短いとか大きなデメリットが無ければ、僕としては大歓迎なんですが。


 それらの問題が全てクリアされているならば、ワンチャンそれがベストかもしれないと考える。


『……そう言えば、今なら新種の人造魔法生物【ホムンクルスライム】も選択可能です。

 これは()()()人型のホムンクルスと()()なスライムを融合させる事で、人型でありながらスライムの特性も併せ持ち、魔力供給さえ出来れば寿命も無く病気などにも掛からない特別な種族になります。追記としては、スライムの特性で外見も自由自在ですので。

これはユウトさんに()()()()()()()()ですね?』


(なるほど確かに。正しくその通りだ)


――いやしかし、そんな存在が許されていいの? 思い切り反則くさい。問題無いのかな?


 僕には最高の条件ですけどね! 正にパーフェクトです女神様。本当にありがとう。パチパチパチ。僕の心の中で鳴らす本気の拍手だ。


――僕はそんな()()を求めていたっ!


 寿命無し、外見性別自由自在、限りなく人型OK。

 病気とかもしない、ミラクルボディ最高! うん、もうこれにしよう。


 人造魔法生物【ホムンクルスライム】キミに決めたッ! ビシッ!

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