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ギルドの美人受付職員の頼み事をあなたは断れますか?

そう、私達はギルドの美人受付職員の頼み事は断れないッ!

『おはようございますユウコさん。もしご都合がよろしければ、近くの森での依頼を受けて頂けませんか?』


 ギルドの美人受付職員さん《テンプレ》が、深刻な顔をしながらギルドへ顔を出してすぐの俺に声を掛けてきた。


「別に構いませんよ? でもどうしたんですか? 森で何か困った事がありました?」


 俺はとりあえず、数日前からは【鉄級】冒険者となったので、街の外の依頼も受注可能になったので、この依頼を受ける事に何も問題はない。


 どうせなら、いっそ初心者冒険者らしくゴブリン退治テンプレでもやってみようかと、そう思っていた所だった。


 それも踏まえ、ギルド内の訓練場で戦闘訓練を始めた。


 どちらにしても、目的は同じ森の中だ。大丈夫だ問題無い。


『それがですね。最近のルーキーさんが、森の浅い場所の薬草を【根こそぎ全部】採取してきちゃいまして。その薬草は、葉っぱだけ綺麗に摘んできてくれたら良かったのに。一応は根っこにも薬草としての効果は多少はあるから、葉と根の両方を持ち込めば、その分報酬が増えるだろうって安易にそう考えみたいなのよ。でもそれだと、次の薬草がその場所では生えてこなくなるのよ~。だからギルドでも凄く困ってるの! だからお願い出来ない?』


 なるほど。それは確かに問題ですな。


『だからね? この(ゴソゴソ)まだ枯れていない薬草の根っこを(ドンッ)何とか上手に、森に埋め直してきて欲しいの。それと普通に、薬草の採取(葉っぱ)もお願いします。ユウコさんに頼めないかな? あと根を埋めるのは森の浅い場所にして欲しいの。そうすれば来年くらいには、その森の浅い場所で薬草が生えてくると思うの。森の奥の方なら、今も薬草は沢山生えてるので、採取はそこでお願いします』


 おおぅ。思ったより大変そうな条件を頼まれた。まあいっか。これもお仕事なのだ。


 ある意味、指名されて依頼を受ける事は光栄でしかない。


「オッケ~です♪ 森の浅い場所に根を埋めて、森の奥へと向かい薬草を採取しますね?」


 と愛想良く返事をし、大量に薬草の根が詰まった大きめの麻袋を職員から受け取った。


 また、根を森に埋め直す為の道具一式も貸してくれた。


 根を埋めるだけで報酬は大銅貨1枚。

 薬草が葉1枚で銅貨1枚だ。まぁそんなもんかな。


 1日は大銅貨1枚で、普通に生活出来るのだから。


 森へ向かうための準備をしながら、今は別行動中の眷属ブルーアイにも思念で連絡を取る。


 魔猫は孤児院へ行き、少女ミーナの遊び相手兼、護衛を頼んでいる。


 何だかんだ言っても、ミーナはまだ5歳くらいの女の子なのだ。


 うっかり誰かに、その秘密を知られてしまったら、きっと面倒事が起こるのは間違い無い。


 魔猫は、その為のお目付け役だった。


 俺も当然、ミーナの今後も考え魔猫と一緒に何度も孤児院へとお邪魔し、孤児院の皆に挨拶など済ませてある。


 その孤児院の院長さんは、最初は俺が駆け出しの女冒険者なのを問題視をしていたのだが。


――だがある日、俺の目の前で元気に走り回っていた、孤児の1人が勢い良く転んで怪我をした時、俺が神聖魔法でその怪我を回復してあげた事で、それを目撃した院長が『ユウコ様は聖女様の素養もあるのですね! それはまあ大変素晴らしい事ですわ。女神様の御加護を、より強く受けていると言う事です。そんなユウコ様でしたら、きっとあの子の母親代わりとして、ミーナを託しても何も心配御座いませんわ』とアッサリと掌を返し、OKしてくれたのだ。


 俺がもう少し、冒険者として生活が安定したら、ミーナを引き取り一緒に暮らす事に決めている。


 ミーナにも「俺が引き取るまで、ここでいっぱい勉強して友達といっぱい遊んでおくんだぞ?」と念を押した。


 いずれは、俺と魔猫とミーナで一緒に暮らせるようになると聞いたミーナは、満面の笑顔になったのは記憶に新しい事だ。


 それからは、積極的にモリモリ勉強をしているようだ。


「うーん。宿屋の俺の部屋だと流石に狭いんだよね。そしたらやっぱり一軒家を借りるのも視野に入れる必要がある……かなぁ?」


 条件に合うような、良い物件があるといいな。


 そんな事を考えながら、俺は街の近くにある森の中へと1人で入って行ったのだった。



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リザルト


戦闘訓練と「学習」スキルの相乗効果により


○スキル:弓術Lv1 会得しました


○スキル:剣術Lv1 会得しました


○スキル:盾術Lv1 会得しました


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