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魔猫探偵ブルーアイ出動せよ!

 わらわは魔猫。名前はブルーアイ。


 ふとした事から、ただの野良猫から魔猫として生まれ変わった。


 そしてその、偉大であり寛大なわらわの御主人様と、この宿屋(紅の海豚亭)で一緒に仲良く暮らしている。


 親切な人間達にも囲まれ、今となってはもう夢のような生活を送る毎日。


 御主人様の眷属となってからは、人間の言葉も理解出来る様になった。これも御主人様の叡智の賜物であろう。


――皆に愛想を振りまくのも、随分と得意になった。


 そして御主人様に至っては、テレパシーのようなもので繋がったのが嬉しい。


 完璧な意思疎通は、今はまだ出来ない。

 それでも、だいたいわかる! それだけでも凄い!


 そして人間の思考や、感情という物はとても複雑で難いものなのだと知った。


 わらわの敬愛する御主人は、特に難解で苦労する。

 例えば、さっきご主人様から、とある指示をされた時の事だ。


「(ブルアイちゃん好き)こんな感じの(大好きッ)猫を(愛してる)探して(ブルアイちゃんは可愛い)欲しい(ニクキュウぷにぷにしたい)」という感じだ。


……分かる? 分かりますか?


 例えるならば、2つ以上の異なるパズルを混ぜ併せ、同時にそれぞれを組み立てるようなもの、だと言えば何となく伝わるであろうか?


 偉大なる御主人様の、その御心は所詮わらわなどに理解などする事はきっと出来ないのだ。


 なんて考えていたら、御主人様がすぐ傍に居て。


「ブルアイちゃんが、なんか凛々しい顔してる! とっても美人さんだねぇ~? よしよし(ナデナデ)」


「それにこの毛並み……。いつ触っても最高だよ! もっとナデナデしていい? 良いよね? 答えは聞いてない。モッフモッフー♪」


 この様に、言葉と感情が1つの時もある。

 御主人様は流石なのである。


 まぁそれはそれで、余計《当社比3倍以上》その思念が大きく強く伝わってくるので、わらわには相当に大変なのです。


 それでも、その気持ちが、感情が伝わってくる事が嬉し過ぎて、思わずわらわは鼻血噴いて卒倒しそう。


 こんなにも敬愛する、わらわの御主人様に褒められて悪い気分になる筈が無い。気絶するとしても、それはまた至極当然な事!


 そう言う訳で、わらわは光栄にも今回、元同族である【猫】探しという大命を仰せつかった。


 偉大で慈悲深い御主人様は、そのイメージする力までもが大変素晴らしく、探し猫の特徴などのイメージが、実に鮮明に頭に浮かんできた。


 これならば、探すのは容易い。全力で急ぐしかない!


 この眷属、魔猫の力を存分に活かし、任務に当たらせて頂きます! そして御主人様に褒めて貰うのです!


 魔猫として、同族以下に対する支配の《オーラ》のようなものが備わったみたいで、素晴らしく平和的に《威圧して聞き出す》迷い猫の捜索が進んだ。


 そうしていつの間にか、この辺りのボス《鬼美姫》として認知され、そう呼ばれるようになっていたが、それは些細でどうでも良いな事だった。


 迅速に全力で懸命に精一杯、この使命を果たすのみ!


 敬愛する御主人様は、そしてマメに連絡をしてくれる。 

 それも凄く嬉しい事だ。


 わらわが無理をしていないか、万が一でも怪我をしていないか、お腹を空かせていないか、悪い虫がついていないか、色々な思念が同時にリアルタイムで飛んでくる。


 相変わらず、全てを理解するのにその思念は難解で、わらわは即座に返事が出来なかったりする。


 第一の眷属たる者が、なんと不甲斐無いですか!

 くっころ! という気持ちをグッと抑える。


「はい、こちら問題無し。猫探しは順調です」


 そう毎回返信するので精々だった。


 誠に御主人様の御心遣いには、わらわは深い感謝の気持ちと共に、更なる精進を心に誓います!


 肝心の猫探しは順調に進み、時間は掛からず迷い猫を見つける事が出来た。


 迅速に、迷い猫をわらわが警護し安全を確保!

 そして御主人様に【ほうれんそう】も行う。


 なんと驚くべき事に、御主人様はすでにご自身の仕事を終えられていた!


「流石御主人様! わらわよりも早く、しかも完璧な仕事をすでに完了されていたとは!」


――ゾクゾクが止まらない。こんなに偉大で慈愛に満ちた御方を、主人に持つ事が出来たのは最大の幸運であろう事は間違いの無い事実。わらわの忠誠心のメーターは、MAXを軽く振り切れ何時もぶっ飛んでいるのがデフォになるのは仕方が無い事なのである。


 そして、合流場所の紅の海豚亭で、わらわは迷い猫と共に女将からのご好意であるご飯を、有り難く頂戴しながら、御主人様の帰りを待つ。


(ハグハグッ)ここの女将の出す食事は、本当に美味であるな! 女将の為になら、何でも頼み事を少しくらい聞いてあげても良いくらいだ(モググッ)


 そして、無事に御主人様と合流出来ました。

 保護していた迷い猫を、飼い主の家まで無事に送り届けた。


 結果としては、あまりにも迅速で完璧な仕事ぶりに、そのセレブな飼い主もいたく感動した様子、当然の様に追加報酬もGETした!


 まぁそれも当然である。偉大なる御主人様の、眷属であるわらわなの力なのだから。万が一にも失敗する事などありえない。


 その後は冒険者ギルドへ行き、2つの依頼の完了を受付のギルド職員へと報告した。


 今日だけでなんと! 銀貨1枚と大銅貨4枚ものクエスト報酬を得られた御主人様は流石です!


 受付職員には、非常に感心され御主人様は大層褒められた。


 そして更に! 御主人様の冒険者ランクも上がり、鉄級冒険者となった。


 宿屋へ帰ると、わらわ達は夕食を少し豪華な食事でもって、初依頼完了で《お仕事も大成功》& 祝☆御主人様の鉄級昇進☆ の同時打ち上げを開催した!


 わらわは、こんな楽しくて暖かな時間を過ごすのは、初めての経験だった。


「た~のし~い~にゃ~ん♪」


 普通の子猫の様に、つい甘えた声で鳴いてしまった。

 ちょっと恥ずかしい。


 そんなわらわを、御主人様は優しく撫でてくれる。


 そして打ち上げを終え、部屋に戻ると更に御主人様からのご褒美タイムが待っていた。


 めちゃくちゃ褒められ、いろいろな部分を撫でられ、頬ずりされ、激しく優しく情熱的に抱きつかれ、高い高~い~ぶんぶん~くるくるくる~っと振り回された。


 まわるまわる、目が回る。世界も回る。まわる世界。

 わらわは、御主人様と出会えて本当に幸せ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

後日談


 魔猫があまりに幸せ過ぎて、失神するまでそのご褒美タイムは続いたとかなんとか。


「わらわは御主人様に……。とにかくすごかった」


「わらわは御主人様から、たっぷりご褒美をいただけた」


「あんなの、初めてだった。最高だった! またして欲しい!」


「ご命令とあらば、何でも探してくる! そしてまたアレを御所望する!」


 あれからすっかり、御主人様にメロメロなブルーアイ。


 こうして、魔猫探偵ブルーアイと言う、この街の名探偵&ボスが誕生したのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


リザルト


○スキル:威圧Lv1 が眷属に発現し共有化され使用可能になりました


○スキル:聞き込みLv1 が眷属と共有化され使用可能になりました


○スキル:尋問Lv1 が眷属と共有化され使用可能になりました


○スキル:探索Lv1 が眷属と共有化され使用可能になりました


○スキル:統率Lv1 が眷属と共有化され使用可能になりました


○スキル:動物共感Lv1 がLv2へ上昇しました


○初依頼達成:ボーナスExp100獲得


○初依頼完全達成:ボーナスExp100獲得


○レベルが5に上がりました。各ステータスが上昇しました


○レベル上昇による:カルマ値+10


○ボディの活動エネルギーが超回復&最大値がUP


○レベル5達成による、Exスキルの成長ボーナスを獲得


Lv5以下のExスキルのレベルが、それぞれ+1上昇しました


新たなExスキル「擬態収納Lv1」を獲得しました

擬似的な異空間として収納が自由に可能となりました


「ヘルプ」が強化され、「フリーワード検索機能」追加及び「情報権限Lv2」となりました


○称号「ルーキー」獲得 全ステータス+1


○クエスト達成:総額「銀貨1枚 大銅貨4枚」獲得 ギルド貢献P+20(ギルド職員信頼P+30)

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