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美しき炎の魅技  作者: ナレコ
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フラグ回収

stageトリスタの屋敷

sideトリスタ


見神は俺の背中でいつの間にか寝ていたらしく屋敷に着く頃にはぐったりと体を投げ出していた。

屋敷に帰ったらシルフィが「今度は何をやらかしたの?」って不機嫌な表情で聞いてきた。

俺が何かしたことが前提なのかよ!


俺は誤解を解くついでにシルフィに事情を話し、亜人にもよく効く風邪薬がないか聞いた。

シルフィは半分疑わしそうな目をしていたが、背中で青い顔している見神(かんじゃ)がいるので、「薬はないから今から作ってくるわね」と言って何処かへ去っていった。

それを見てから俺は見神を背負って自室へと移動した。


俺の屋敷は木造の古い屋敷で、小さな子供ならちょっとした冒険が出来るくらいには大きい。

昔はとある貴族の別荘だったらしいのだが、今はもう没落したので、それを俺達が貰った。まあ、貰ったっていうか…元々ここ幽霊が出る屋敷だったらしいんだよね…。

外見も当時は結構酷かったけど、皆で修復したらだいぶ捨てたもんじゃないなって分かってからはここに住み始めたんだ。

そんな屋敷にある俺の部屋は2階にある。


部屋の前に着き、扉を開ける。

すると、赤くて丸い不気味な顔が俺のすぐ目の前にいた。

「ボォォォンッ!!!」「ぎゃぁあああああ!!!」


俺は吃驚した。

いきなり至近距離に得たいの知れない何かに大声を上げられればそりゃ誰でも驚くだろう。

だから、俺は咄嗟に後ろに下がった。

後ろには階段があることを忘れて。


「あ…やべ」


体全体に謎の浮遊感。体勢が徐々に背後へと回っていき、恐怖か0.1秒ごとに膨れ上がっていくのを感じた。

俺は咄嗟に服の袖にしまってあるはずのワイヤーフックを発射させようと腕を振った!


「うおおおおお!!!」


ーー飴玉が勢いよくとんでいった。

「なんでだよ!?」


すると、突然脳内に映像が写し出された。

これはいわゆる走馬灯なのだろうか?

え、つまりこれ俺終わった?

突然のことに俺は動揺しながらも半場強制的にその映像を見る。

ジジッ…!


昨日の昼の公園

調子に乗って手品していた俺

幼い子供達がいた

その夕方の買い物で

ラーナーズのおやっさんから

何故か飴玉もらう

袖の下に入れる


「いやそこはポケットに入れとけよ俺ぇえええ!!!」


人生最後に凄まじく何の役にも立たない走馬灯を見て突っ込む俺。

というか、走馬灯なのに何故こんなしょうもない記憶なんだよ!

自分が分からない!


ああああ!そんなことよりどんどん天井が遠くなっていく!

うわぁぁああ!!落ちるぅーーー!!!!!


ぽふっ。

「…あれ?」

「何やってんだお前?」


目を開けたら万年不機嫌な男の顔が見えた。

それを見て俺は


「なんだ鋼か」

言った瞬間手を離され床に落ちた。


「落とすぞ」

「落としてから言うことじゃないよね!?」


そんな俺に鋼は「知るか」の一言でばっさりと切った。

鋼…あとで覚えとけよ…。

しばらく俺達の間でにらみ合いが続いた。


「シルフィから事情を簡単に聞いた」

真顔で鋼がそんなことを言った。

見神のことか。


だが、何故そこで右手をゴキゴキ鳴らす?

何故そんなに殺気立つ?

不穏な予感がした。

まるで嵐の前の静けさのようなそんな感じの…


「昨日、風呂に上がった時パンツ間違えて履いたんだって?」

「そっちかぁぁー!!!!!」


そう言えばシルフィの反応が何故か最初から不機嫌だったのは見神に何かしたのかじゃなくてそっちが原因かぁぁぁ!!!

てか、シルフィさん知ってたんだね!

これ後で「薬出来たー?」って聞きに言ったら薬を渡すついでに説教あったパターンだったね!やったね!これでお叱りフラグ回避する作戦立てられるよ!


「…言っておくがシルフィの説教を受けなかったらレトアに報告が入るからな」

「回収フラグ立つの速いよ!フラグブレイクさせる努力もさせないとかないよだろうがよぉおおお!!」

「逃げられても困るからな。さっさと忠告しといてやる。…そういや思い出したことがある」

「なんだよ!?」


がばっ!と顔を上げたら頭に拳骨が来た。

「いってぇえええ!!」

「俺、帰ったらお前を殴ることを決めてたのをすっかり忘れてた。今思い出してよかった」

「俺は忘れてたほうがよかったよ!」


もうやだぁ…。

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