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美しき炎の魅技  作者: ナレコ
10/14

ホルルトvsトリスタ

stageトリスタの屋敷

sideトリスタ


いやー、死んだなー!

ホルルトマジ容赦ねぇ。

いや、あいつは元から容赦しなかったか?

鬼だからなのか知らんが、手加減って奴を知らねぇ。


俺は鋼じゃねえのに、赤い槍何本も投げ付けてくるわ何でも切れそうな爪で引っ掻いてこようとするわ、挙げ句の果てには爆発するニトロトマトを屋敷でブッパしようとするわで、めっちゃやばかった。

最後のやつは流石に見かねたのか鋼が取り押さえてくれたから良かったもののその後もホルルトが暴れようとするからさぁ。

何とかしようと焦った皆が…というかうん、その…なんだファンプ。

いや、俺が悪いっちゃー悪いんだけどよ…。

なぜ…そうなぜお前はあんなことを言っちゃったんだ。


「覚悟は出来ておるのじゃろうなぁ?」


現実逃避していた俺が諦めたように前を見ればそこには嫌にニッコリと笑う小さな鬼が…いやロリババアがいた。


うん、ほんとなんでこうなったんだろう。

ファンプはなんで「決闘はダメでしょうか!?」って口走ったんだろう…。

そして、なんで俺、ホルルトとマジ喧嘩することになっちゃったんだろうなぁ。





ホルルト・ロートモ・ヒルリアーベン。

格ゲ風に説明するなら奴は中距離からの削り合いに強いキャラクターってところだろう。

何せ奴は魔力も豊富な魔人であり鬼でもある強い亜人だ。

魔法は無詠唱が当たり前とかふざけたスペックにその魔法の威力が割りと洒落にならないとかあり得ねぇ。

そんなやつ相手だったら機動力がなく遠距離技を持たないキャラクターであれば一方的に削られ、何も出来ずにKO決められてしまうわ。


だからといって、逆に接近したら勝てるのかっていうとそれも怪しい。

何せ奴は鬼だ。あの小さな体では考えられないとんでもねぇ怪力を秘めていやがる怪物だぜ?

一度でも捕まったらアウトだ。


幸いなのは、吸血鬼だったときよりも呪いのせいで弱くなっているってことくらいか。

まあそれでも、一方的にやられるだけだったのが相当強いに変わっただけで勝率が1%増えたかなくらいの違いしかねぇんだけどな。


「まあそれでも…負けないけどな」


決闘で負けたら、サスカのトマト畑で1週間サバイバルなんて嫌すぎますし。


「それでは、決闘を始めます」


シルフィが決闘の宣言を仕切ってる。

俺と鋼の馬鹿がよく喧嘩するのをよく仲裁しているからなのだろう。


「分かっておるじゃろうなぁ?」


前を見ればホルルトが不敵な笑みを浮かべてこちらを見ている。

強者の余裕と言う奴なのだろう。

腹立つなぁ…あの余裕。


「種族差があるとはいえ、随分とまた余裕だなロリババア」

「相変わらず舐めた口を聞きおるわ。しかし、今降参すれば負けたにしても少しは手加減してやるぞ?」

「手加減するなんていっても敗けは負けだろ? 罰は受けたくねぇんだよ」


俺達はそれだけ会話すると話を止めた。

一向に話が平行線になるのが分かったからだ。


「それでは決闘を始めます」


シルフィの開戦宣言が聞こえた。

何だかんだいってこういう決闘騒ぎがあったときに審判を買って出るのはいつも彼女だった。

俺らの中で唯一のヒーラーでもあるがゆえに怪我を治すのも必然的に彼女になる。だが、いくらヒーラーだからと言っても治せる怪我と治せない怪我というものがある。

だからシルフィとしては自分で治せる範囲の怪我で決闘を終わらせたい。

だが、シルフィが治せない怪我ってどこまでなのか?

それは彼女本人にしか分からないので、仕方なく審判をやっているだけなのだ。


まあ、本音としてはこんな喧嘩騒ぎ自体して欲しくもないのだろうけれど。


「じゃー…始め!」


シルフィの開戦宣言というのはとても適当なものだ。始めと言えばそれでいいと思っているのだから改善はされないだろう。

まあ、実際そうなのだから今後も絶対改善されないだろうけど。


「喰らえトリスタ!」


そんなどうでもいいことを考えてきたら朱色の槍が3つ飛んできた。

ホルルトの得意魔法『ブラッディランス』だ。


俺はその場から飛び退いて距離を取り、懐からみんな大好きバスケットボールを取り出した。


「いやいやそんなもの懐から取り出せないし、何故このタイミングで取り出したのがそれなのじゃ!?」

「戦闘で乾いた心に遊び心を加えるのが俺ってもんだろ?」

「遊びすぎじゃろ!!」


とりあえず、バスケットボールを軸足で踏んで思いっきり跳んでみた。

思った通りよく跳んで槍を回避できた。


「…そのボールは踏んだり蹴ったりするものではないと聞いておるが」

「このボール、他のボールよりよく弾むからよく跳ぶんだ」

「罰当たりな」


実のところ、前世の自分を知ってるから心が痛い。


「まあよいわ。次で仕留めるだけじゃからの!」

「やっべー☆ 仕留められちゃうわー☆」

「何故に笑顔で叫ぶ!?」


よし、適当に動揺してるぞ!

俺は笑顔で懐からあるものを取り出した。

そのあるものとは


「ほら、飴ちゃんあげるー♪」

「いらんわっ!」

「ごめん間違えたー☆トマトあげるー♪」

「やったートマトだー♪ むしゃむしゃ」


んー、べりしゃす♪

とでも言いそうな満足そうな顔がそこにあった。

そして、俺を見るとはっとした顔になり、顔を真っ赤にした。


「貴様、貴様ァ!」

「あはははw ホルちゃんトマトが美味しくて幸せだねw」

「うぅぅ!! 馬鹿にしてー! 馬鹿にしてぇ!!」


もう怒ったからねぇ、ぷんぷん!

とでも、吹き出しに付けたらさぞかし似合いそうなリス顔をしてるロリババアがなんと面白きことかな。


地獄に落ちろぉぉ(ごーとぅーざへるぅぅ)!!」

地獄で逢おうぜぇ(メリィクリスマァァス)!!」


ホルルトが怒り狂って接近戦に持ち込んできた。

それならばと俺はニヤッとした笑みを浮かべながらそのまま迎え撃つことにした。

実のところ俺はまともに接近戦をするつもりはなかった。

だが、勢いもあってかついからかう気満々で接近戦を受けていた。


ホルルトの怒りに燃えるパンチが俺の顔に目掛けて飛んでくる。

俺はニヤッとした笑みのままそれを右手で上にかちあげて受け流す。

だが、ホルルトもそれで終わりじゃない。

右が駄目ならすぐに左手の爪で引っ掻いてくる。


ほう、そう来るか。なら、もっと近付いたろ。


「は?」

「おらよっ!」


互いの額と額とがぶつかる。

思わぬ反撃のパチキ(頭突き)の味はどうだホルルト?

結構クラクラ来たんじゃねぇの?

と、ニヤニヤしてたらホルルトの瞳からとんでもない殺気を感じた。

あ、やべっ。


「んんっっ~~~のぉおおおお!!!」

「げはっ!」


まさしく渾身の一撃だった。とっさにバックステップをして威力を減らせたのが奇跡のレベルだった。

ホルルトがやったことは単純だ。ただ殴り返しただけ。

それがまさか胸を穿たんとばかりに強烈なものとは思わなかった。

おかげで、目の前が閃光弾でも喰らったみてぇに真っ白になりやがった。


気がつけば遠くの地面に叩き付けられていた。

その一瞬である事実に気が付く。


(やべ、気絶してた)


なんつーパンチをしてやがる。

こちとら人間なんだぜ?

鋼みたいな超人じゃねぇんだ。


「げほげほっ…あー、死ぬかと思ったぜ」


やべぇなおい。頭がクラクラきてやがる。

あんなロリババア相手になに今さら青春してんだろうね?

立ち上がると、なんか遠くで叫んでる声が聞こえた。


「トリスタァァァ!!!」


あーあ、あいつガチギレしてやがらぁ。

得意の『ブラッディランス』も4つ飛ばしてやがるし、ありゃかなり本気と見た。

こりゃ、俺が死にかけていてもコロリと殺りそうなのが眼に見えてるな。

しゃあねぇ、そろそろ本気で倒すか。


俺は懐から玉を取りだして投げた。

瞬間、俺とホルルトの間に閃光が走る。

俺の非殺傷爆弾の1つ閃光弾『ホワイトアウト』だ。

約3秒間もの間閃光が焚かれて、視界がすべて真っ白になる閃光弾で、それをまともに喰らえば一定時間目がちかちかして何も見えなくなるという非殺傷の癖に物凄い凶悪さを誇る爆弾である。


「くぬぅ!?」


ホルルトはいきなりのそれに気付いてなかったらしく、まともに喰らったような声がしていた。

俺は目を瞑りながら右へと大きく飛び込む。


すると、さっき立っていたところから何かが突き刺さった音が立て続けに起こった。

予想してたけど、やっぱり俺がさっき立っていた所に攻撃しかけてきたな。


そうして、やっと閃光が止まった。

周囲を見回すと目をやられていたホルルトがいた。

(流石にシルフィと鋼は気付くか…)

別に話し合わせたわけでもないのに、シルフィと鋼は閃光弾に気付いてたらしく、こちらを見ていた。

流石に付き合いが長い連中は気付くらしい。


「目がぁ! 目がぁぁ…!」


情けないくらいにホルルトは閃光弾が効いていた。

まあ、元吸血鬼だし効いてもおかしくないとは思っていたが、予想より少し効き目が薄いな。

あの閃光弾をまともに喰らえば普通気絶するはずなんだがな…。

思った以上にホルルトは頑丈らしい。


「なら、止めを刺すか」


懐からトラップの定番(金だらい)を取り出し、ぶん投げた。

俺の技とも呼べない下らない技。定番『ピヨピヨスター』。


ゴーンという豪快かつ派手な音がして、強敵ホルルトは倒れた。

いやぁ…ギリギリでしたねぇ…。


なにはともあれ、俺は勝った。

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