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SS~ある雨の日~

10000pv突破の記念SSです!

読んでくれて本当にありがとうございます!

~ショータside~

 ザアザアと音がしている。

 そんな音で目が覚めた。

 雨か・・・。

 

 こっちの世界は傘もないし大変だな、なんてどうでもいいことを考えてしまう。

 まあ、昨日のうちに雨が降りそうだって分かってたからちゃんと食料と薪の備蓄はしてある。まあ大丈夫だろう。

 

 洞窟の中を見渡してみる。

 子うさぎちゃんはまだ寝てるみたいだ。いつも寝ているうちに僕の方に来るんだよね。しばし寝顔を堪能する。

 

 そうしていると側頭部に衝撃を感じた。

 ぴょん吉が蹴ってきていた。

 もっとも、ポフっと触れるだけではあるから怒ってはないんだろうけど。


 やっぱり、ぴょん吉的には子うさぎちゃんにあまり近づいて欲しくないのだろう。


 おや?洞窟内の奥を見ている。

 どれどれ・・・?


「ねえ、ぴょん吉。僕の目には昨日取ったはずの草が無くなってるように見えるんだけど。」


 さてはぴょん吉のやつ、我慢しきれずに食べちゃったんだな?

 やれやれ。


 なんか、自分じゃない!って言ってるように見えるけどぴょん吉以外に誰がこんなことすると言うのさ。


「それで、どうするんだい?どっちが取りに行く?」


 ここは当然食べた本人が責任を取るべきだと思うよ。


「きゅ~!きゃきゅ~!」


 うん、何言ってるのか分からない。

 でも多分お前が取ってこいや!とか言ってるんだろうな。 


 しょうがないねぇ。

 ・・・というか逆らえないし。


「じゃあ、仕方ないから取ってくるよ。ぴょん吉は待っててね。」






~ぴょん吉side~

 ふん!なんでもかんでもわたしのせいにして!

 今回は私じゃないのに!


 あっ。娘が起きたのです。

 一応聞いてみましょう。


「うん~僕が食べたよ~?なにか駄目だった~?」


 ああ、やはりこの子だったのです。

 まあ、教えておかなかったわたしにも責任はあるのです。帰ってきたら謝ってあげましょう。

 

「ところで~おとーさんは~?」


 まったく、おとーさんなどと。そんな関係ではないというのに。

 

 ふと、お父様のことを思い出します。

 ・・・なぜかあいつの顔も一緒に浮かんできました。

 

 まあ、優しくしてくれているのは事実ですけど?

 この子もなついているみたいだし。・・・この娘の場合ご飯に釣られたというのも大きい気がしますが。

 

 なんだかんだで言うこと聞いてくれるし、子供にも暴力なんてふるわないし、不満を言うこともないし。

 ・・・やめなのです。

 なんかこの話を続けていたら駄目な気がするのです。


 


 それにしても帰ってくるのが遅いですね。雨も降っているんだし近場ですましてくると思っていたのですけど。

 まさか、いつも通りに遠出してるのでしょうか。


 そういえばお父様が言っていました。

 雨の日なんかは地面がぬかるんでて、思わぬところで怪我をする事もあると。いつも通りに行動してると痛いめにあうぞ、と。


 大丈夫なのでしょうか。

 いや、別にあんなやついなくたっていいんですけどね!!

 この子にはわたしがいればいいですし、わたしもこの娘がいれば満足です。

 そうなのです。


「おかーさん~?何をそんなそわそわしてるの~?」


 べ、別にそわそわなんてしてないです!別にショータのことが心配だとか無事に帰ってくるのかな、なんて思ってたりしないのです!




 それから少ししてショータは帰ってきました。

 いつもよりやや少なめとはいえ、少し遠出してきて取ってきたようです。

 お疲れ様なのです。


「ただいま~!」

 そう言ってショータは娘の方へと行きます。

 いつもそうです。

 娘のことをかまってばかりなのです。

 

 なぜか少し胸がチクッととします。


 ・・・少しくらいわたしに優しくしてくれてもいいのに。





 なぜかあのままあそこにいるのが嫌で出てきてしまいました。

 雨が冷たいです。

 何かから目をそらすようにわたしは走ります。 

 娘がおとーさんと言っていたのを思い出します。

 

 この気持ちはお父様に感じていたのと似ています。

 ただ、どこか少し違います。

 お父様と一緒にいるのは楽しかったけど、一緒にいたいとまでは思いませんでした。

 けど・・・。


 考え事をしていたせいか足下がおろそかになっていました。

 思いっきり蹴ったはずの地面がズルッと音をたてて、わたしは思いっきりこけてしまいました。




~ショータside~

 気付けばいつの間にかぴょん吉がいなくなっていた。

 また狩りに行ったのかな?

 

 わざわざこんな雨の中行かなくてもいいだろうに。


 ぴょん吉がいなくなった洞窟の中に雨の音が響く。

 

 少し寂しい。

 ・・・やっぱりぴょん吉がいると安心できるな。

 別に強さとかそういうことではなくて「ああ、これが家族なんだ」って思えて、ほっとする。

 

 こんな僕を拾ってくれた恩もあるし、ここは少し一肌脱ぎますかね。


 そうして、僕は準備を始めた。ぴょん吉が少しでも喜んでくれるように。




~ぴょん吉side~

 うう、不覚なのです。転んで泥だらけになってしまいました……。


 洗わなければいけませんがこんな雨の中、川には行けませんし・・・。

 はあ、どうしましょう。


 そのまま家まで帰ります。少し、いや、かなりお腹も減ってます・・・。


 家に帰るとショータが出迎えてくれました。

 こんな泥だらけな姿みられたくないです・・・。


「うわっ!どうしたの、ぴょん吉!

 いやまあ丁度良かった。ちょっとこっち来て!」


 どうしたのでしょう。

 そのまま中に入るとショータが石を水の中に入れてました。

 何か意味があるのでしょうか?


 というか、それだけ水があるのならわたしを洗ってほしいです・・・。


「ぴょん吉、こっち来て。」


 そんなこと言わなくても行きますって。

 

 そのまま近づくとひょいと持ち上げられてしまいました。とはいえ害意は感じません。

 まあ、ショータが何をしようと大丈夫ですしね。


 そのまま水につけられました。さっき石を入れていたのとは別のいれものです。

 

 そして体中をいじられました。

 変な意味ではないです。ただ単に洗ってもらっただけなのです。

 案外気持ち良かったです。満足満足なのです。


 今度は毛皮の上に乗っけられました。ここにいてね、と言われました。

 なにかあるのでしょうか。


「うん、いい温度。」


 ショータはさっき石を入れた容器から布を取り出しました。あれは以前ショータが持っていたものですね。

 そういえばあれは一体何なのでしょう。毛皮ではなさそうでしたけど。


 ショータはその布でわたしをくるんできました。

 こんなのなんとも・・・


「きゅう~~♪」


 はっ!声が漏れてしまいました。

 あったかいのです!いつもみたいに暑い、ではなくあったかい、です。

 ひなたぼっこしたときみたいにぽかぽかします。


 ああ~気持ちい~です~。

 おや、ショータがごはんを差し出しています。食べてもいいのでしょうか。

 もぐもぐ。

 



 はあ~。結構食べてしまいました~。

 ショータが甘やかすのが悪いんです~。

 そう言いながらショータの膝の上でゴロンと転がります。



 ああ、お腹いっぱいになったらちょっと眠くなってきちゃった・・・。

 おやすみなさい・・・zzz。




~子うさぎside~

 おかーさんとおとーさんはすごーくなかがいいのです。

 いつもいっしょにねてて~ぼくもめがさめたときはおかーさんたちのところにいくのです~。

 おかーさんはいつも~そんなことないっ、っていってますけど~ほんとうはどうおもってるのか~わかりやすいですよね~。

 おとーさんもおかーさんも~いつもおたがいのためにがんばっているのです~。


 いまも~ふたりそろってぐっすりとねているのですよ~。

 わたしもいっしょするです~!

 

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