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~別れは新たな出発への道~

昨日は投稿できなくてすみません・・・。


というわけで今回少し長めになっております。

といっても、コメディ風なので楽にお読み下さい。


あと、少しハロウィンちっくにしてあります。

 

 ジリリリリッッッ!


 目覚まし時計の音で僕は目が覚めた。

 知らない天井・・・ではない。

 つい一ヶ月前までの日常だったーーー地球の日本にある、僕の家の天井だ。


 いや、天井はどうでもいい。


 重要なのはこれはなんだ?ということだ。ついさっき、熊に吹っ飛ばされたのが嘘みたいだ。

 受ける直前に後ろに跳んだからダメージは大したこと無かったけど、空中で意識を失ったんだっけ?


 でも、そんな跡は無い。


 ひょっとしたら今までのことは全部長い夢だったんじゃないかと思えてくる。

 

「ステータス」

 いつもは声になんて出さないけどあえて口に出してみた。


 けど、見慣れたウインドウはでてこない。


 そのことに少し喪失感を覚える。

 それなりに帰りたいと思ってたはずなのにいつのまにかあっちが日常になってたみたいだ。


「おーい、起きてるかー。起きてんならさっさと降りてこーい。」

 下から自分のものではない声が聞こえる。

 これは・・・兄貴の声か。

 


 それも当然か。家には兄貴と僕しかいないんだし。



 それにしても家族ねぇ。

 二度と会えないだろうなぁって思ってたからなぁ。

 どんな顔して会えばいいんだろう。



 それに・・・あっちの世界は一体何だったんだろう。

 ふーこ、雪、セカさん、みんな僕の空想だったんだろうか。


「ふーこ・・・」

 いかん、また声が漏れてしまった。これじゃあ変人みたいじゃないか。


「むう?今回はちきゅーとやらでの夢なんですねー。ショータが私のこと呼んでくれてますよ?」

「そうみたいですね。なかなか久しぶりです。あと、これは夢なのですからそういうのは関係無いのです。」


 !?

 2人の声が聞こえた!?

 いったいどこに・・・、と振り向くとシルクハットをかぶって懐中時計を持ったうさぎと、大きな欠伸をしているチェシャ猫がいた。


「いや、なんで!?」

「!!!ショータが反応したのです!?どうゆうことなのです?」

「いや、これはきっと夢・・・もとから夢でしたね。どうゆうことでしょう。」


 いや、2人ともその格好何!?

 って、ああ、ここでは思ったことが伝わるわけじゃないのか。


「おーい、朝飯いらねえのかー。遅刻するぞー。」


 やばい、遅刻は嫌だ。


「とりあえず、今はここで待っててくれ。朝ご飯食べたら戻ってくるから。」

 2人が頷くのを見て、僕は一階のダイニングへと向かった。


 




 そうやって下へと降りた僕を待っていたのは見慣れた兄貴の顔・・・ではなく、なぜかフランケンシュタインの顔だった。


「いや、だからなんでだよ!」

「朝から叫んでどうしたんだ?というかまだ仮装してないじゃないか。ちゃんとシンデレラのドレス置いておいただろ?」

「着ないからな!?あとなんで仮装なんてするんだよ・・・。」

「なんでもなにも今日はハロウィンだろ?仮装して過ごすのが当然じゃないか。」

 

 ハロウィンってそういうもんだっけ?

 いや、そんなことよりも。

 

「どちらにせよ、なんでシンデレラをチョイスした・・・。他に選択肢は無かったのか・・・。」


「無い!・・・といいたいところだが、一応ある。聞きたいか?」

「少し怖いんだが・・・まあいい。聞かせてくれ。」

「候補に挙がったのは狼男とミイラ、あとシンデレラだな。」

「むしろなんでその中からシンデレラを選んだんだこのクソ兄貴ぃ!」

「ふっ、安心しろ。残りの仮装グッズは全て売り払っておいた。これで安心して女装できるな。」

「なによけいなことしてんだ!?」

「と、まあ冗談はこれくらいにして。

 ほれ朝ご飯と仮装用の狼の被り物だ。」

「その2つを同時に渡すことに違和感を感じて欲しいと思うのは僕だけ?」

「はっはっは。細かいことは気にすんな。じゃあ、遅刻しないようにしろよー。



 ああ、そうだ。シンデレラの仮装を用意したときに思ったんだが・・・結局シンデレラが幸せになったのはガラスの靴のおかげだよな。魔女の魔法は12時を過ぎても残り続けたわけだ。

 ーーーだったら、もし魔法が完全に解けてしまったなら・・・シンデレラは幸せになれたのかな?」


 そういうと兄貴は出かけていった。

 ツッコミにまわって感傷に浸るタイミングが無かったよ・・・。

 最後の小話とか絶対いらねぇよ。

 あと本当に仮装は用意してたのか・・・?







 朝食を食べたあと、二階の自分の部屋で今度こそ色々と聞き出そうとしたがじゃあ、時間が無かったので登校しながら話を聞くこととなった。


 で、


「要するに、ここは僕の夢の中ってこと?普段はこういう風におしゃべりはできないけど2人は僕の夢の中を自由に入れると。」

「そういうことですね。普段は(ふーこが)擬人化したり、(ふーこが)なでなでされてるだけだったりするんですけどね。」

「普段どんな夢みてるの、僕・・・。」

「詳しく聞きたいですか?」


「ちょっとはずかしいですの・・・。」


「うん、聞かなくていいや。むしろ全然聞きたくない。

 ところで!なんでハロウィン?そんな季節だったっけ?こっちはまだ9月とかだったような気がするんだけど。ハロウィンにいい思い出なんてないし。」

「まあ、きっと色々あるんですよ・・・」


 何故だろう。世界さくしゃの意思を感じた気がする。


 まあ、それはいいとして。

 2人ともアリスの話をモチーフにしてるんだね。

 2人とも挿し絵で見たことあるような感じのかなり高いクオリティだ。


 ふーこは帽子と時計だけじゃなくてちゃんと服とかまで着てる。ん?時計の時間が・・・。

 セカさんは・・・うんどっから見てもただの猫だ。


「違いますからね!普段はちゃんとした人型をとってるんですからね!なぜか猫になっていますけど・・・。」


 いや、セカさんにお似合いだと思う。


「ところで、現実の体ってどうなっているのさ。なんで今回に限って夢を認識できたの?」


 それがすごい気になる。普段夢なんて見てもすぐに忘れるのに。セカさんの方もこんなこと初めてだって言ってたし。


「マスターは覚えていますか?意識を失う直前のことを。」

「ああ、うん。確かクレアに吹っ飛ばされたんだろ?その衝撃で意識が飛んだ、と。頭とか打ってない?」

「はい、その心配は大丈夫です。落下地点は川でしたのでそっちの心配は大丈夫です。

 ただ・・・意識を失った原因というのがどうも何者かによる呪術であったようです。だから、時間をおくか外部からの刺激でないと起きれなくなっております。

 今、マスターの体はどんぶらこ、と川を流れていっています。」

「いや、それヤバくない?簡単に死んじゃうよ!」

「ああ、そちらは問題ないですよ。きちんと対処はしておきました。ただ、下手するとこのまま海にまで流されますね。」

「全然大丈夫じゃないじゃん!」

「とはいえ、こちらからはなにもできないんですよね。」

「いや、でもさ・・・。

 はあ。まあいいや。結局なんでこう夢の中で動けるのかは分からないってことね。」

「いえ、恐らくですがきっちりと意識を失うことがトリガーではないかと。もしくは深い眠りにつくなど、ですね。そういったときに見る夢ならしっかりと自我を持ち得るのではないか、と思われます。」


 ふーん。なんでだろ?


 というか、ふーこはなにやってるの?


「えへへ、いやさ、なんだかショータの世界って話には聞いてたけどこうして見てみるとすごいなーって思ってたのです。こっちと全然違いますよね。見るもの全てが新しくて。

 そういえば、ショータはこっちに彼女さんがいたんだっけ?どんな人だったの?」

「ぶっ!ちょ誰から聞いたの!ってセカさんしかいねえ!てかどこ行った!いつのまにかいなくなってやがる!

 えーとだな。ふーこ、神に誓って僕とあいつはそういった関係ではない。断じて、だ。」


「ふーん。だれのこと言ってるの?ねえ、ショータ。」


 突然、後ろからふーこでもセカさんでもない声がした。

 どうしよう。恐ろしくては振り向けない。


「あいつってまさか紅葉のことじゃ無いよねぇ、ねえ、ショータ。ふふふ。」


「エエ、モミジサンノコトデハナイデス、ハイ。」


 許せ、ふーこ。ここで正直に答えたら僕の命はない。


「じゃあ、誰のことなのかしら。」


 ・・・。なんて返そう。

 こいつの場合そういった噂があったというだけで誤解しかねんからなあ。


 しょうがない、本当にいやだけど、ほんとーーーにいやだけど、この手を使おう。


「いや、隣のクラスの野球部のキャプテンだよ。なぜか知らんがホモ疑惑が上がっててな。その誤解を全力で解いているところというわけだ。」


「ふーん、あとで確認しとかないとね。」


 やめてーーー!

 お前のせいで本当にホモ疑惑が噂されてるんだよ!


 そのせいで本当に女子との接点がなかった。

 せいぜいが眼鏡かけた女子に「ねえねえ○○君とどっちが受けなの!」って聞かれるくらいか。


 死にたくなってくるな。


 そうそう、目の前のこいつは伊達紅葉。ただのお隣さんといった関係だ。幼なじみとも言う。


 なぜか、俺に好意を持っているらしく、もはやヤンデレの域へと達している。


 ちなみに容姿はかなり良い方だ。黒い髪をかなり長くのばしていて、和服を着せれば生け花とかやってそうな和風美人になる。ちなみに胸もまあまあある。


 コホン。


 もっとも、その性格が残念過ぎてーーーというか怖すぎてつきあう気には全くなれん。

 真面目につきあうとかなったら未○日記レベルの覚悟がいる気がする。

 さらには家事できない、勉強できない、音楽ぶかつできない、の3Dそろった立派なだめ人間です。


 ちなみにどれも壊滅的、といったレベル。

 料理を作れば暗黒物質ができ(半分以上僕が処理してる)、テストを受ければ赤点の嵐(補修になぜか僕までつきあわされた)、一度楽器を吹けばさながらジャ○アンのごとく(窓ガラスが比喩でなく割れたことがある。あまりのひどさに倒れた人が窓ガラスに突っ込んだのだ。)。


 容姿はいいのに学校の付き合いたくない女子ランキング堂々の一位である。

 ・・・そのせいで、僕に押し付けておけば安全だと思われ周りから応援されている。泣きたい。


 僕?知り合って半年でああ、これはないな、って判断したよ。


 まあ、周りもだけどね。


 こいつは容姿はいいもんだから入学したときから上級生同級生問わず有名だった。

 そして、告白してきた奴らを徹底的にボコることでも有名だった。

 無駄に運動だけはできるんだよなぁ、こいつ。貞操は守らなきゃ!とか言って道場にも通ってるし。


 今年の春にもいっぱい被害者がいてたいへんだったなぁ・・・。


 周りを見てると僕がどういう人に思われてるかすぐ分かるのが面白いよね。


 入学してすぐなんかは「なんだアイツ、イチャイチャしやがって」みたいな目で見てきて、1ヶ月もすると主に男の中から「知ってるか?そいつヤベエぞ」といった視線を感じるようになり、半年もたてば残念さが広がって「なんだ、アイツ、勇者だ・・・」って感じで色々と便宜をはかってもらえるようになる。


 なんでこんな関係が続いているのかっていうと、まず話を切り出すのが怖すぎるし、決心して(告白されかけて)断ろうとすると必ず事故が起こるから。

 

 なんでか、告白の仕方に拘りがあるそうで、こちらからするか(こちらはそこまでハードルは高くない、らしい)、自分の一番お気に入りの場所である灯台で夕日をバックに告白したいらしい。

 すでに呼び出しの手紙ラブレターをもらった回数は二桁へとなっていた。成功した例がないが。


 そのたびにクラスのみんなから受ける視線が生暖かくなる。

 




 さて、なんでこんなにずっと描写を続けているのか。


「ところでさぁ、ふーこってだれなのかなぁ?」


 死を錯覚するほどの恐怖からの現実逃避だよ!















 夕方ーーーあのあと必死でごまかし、機嫌取りに徹するはめになった。

 最終的に明日から一週間の手作りの夕飯ダークマターでてを打った。

 

 どうせそこまで夢は続かないだろうしね!

(ちなみに今日はパーティーのようなものがあるので見逃してもらった。)


 今は一旦学校から帰ってきたところ。

 ふと、リビングにあった家族全員で写った写真が目に入った。

 

 もう十年も前になるのか・・・。父さんも母さんも若いなあ。


「おや、マスターの家族写真ですか。親子3人、実に幸せそうです。それにマスターもちっちゃいですね。」

「うん、そうだね。」


 あれ?ふーこが元気ないみたい。


「どうしたの、ふーこ?疲れちゃった?」

「あ・・・。そんなことないですよ。ちょっとぼーっとしてただけなのです。」

「そんなこと言って・・・」


 僕の言葉は途中で止まることになった。


 ふーこの体が一瞬透けたのだ。


「お前、それ・・・。」

「なんですか?なにか起きましたか?」


 いつもと同じようなふーこの声。だけど何かを誤魔化すような感じの声。

 

 そういえば朝から気になっていることがあった。


「ふーこ、お前のその時計さ、動いていない・・・いや違うな。ゆっくりと動いてはいるのか?」


 ふーこの時計は朝見たときは11時52分ごろ、今見たときは11時55分くらいを指している。

 よく見ると秒針が大体十秒で一刻み分動いているようだ。

 さながら、12時までのカウントダウンのようにゆっくりと。

 ーーもし魔法が完全に解けてしまったのなら・・・シンデレラは幸せになれたのかな?ーー

 兄貴の言葉が蘇る。

 なぜか、すごく嫌な予感がする。


「なあ、その時計が12時を指したのなら、あとほんのちょっとの時間がたったのならーーー魔法は解けちゃうのか?」


「・・・・・・うん。」



 消えてしまいそうなほど小さな声でふーこは肯定した。

 とてもつらそうな顔をしてた。




 夕暮れ時の静かな広い部屋の中、ふーこの声が静寂を破る。


「もともと分かってたの。こんな幸せな時間が永遠に続くわけないってことくらい。いくらユニークスキルと言ったって限界はあるって。すぐに終わりが来るって。そう思ってたのに。



 ショータと雪といる時間が楽しくて、2人に悲しい思いをさせたくなくて、だからっ、ずっと、口に出せなくて、2人との、思い出が悲しいものになるくらいならっ、最後まで楽しい気持ちで、いーっぱいにしておきたかったからっ。

 


 ごめんね。わたしはわがままばっかりだ。それにすごい欲張り。本来、2人を守れて幸せだなーって終わるはずだったのに。

 延長戦があって、このままでいたいなーって


 

 ねえ、ショータ。わたし、消えたくなんてない……。ずっとみんなで一緒にいたいよ………。」



 ふーこが言い終わった途端、僕の体を強い衝撃が通り抜けてーーー僕の意識は現実世界へと戻っていった。


 最後に目に写ったのはーーー泣いている、それでいてそのことを必死に隠そうとしている、ふーこの顔だった。

 

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