~遭遇、逃亡、そして・・・~
ぴょん吉回です。
だいぶ長くなってしまいました。
~ぴょん吉side~
わたしはラビです。名前はまだないのです。といってもうちの種族で名前なんてあっても意味ないのですけどね。それに、わたしはまだ生まれたばかりですし。
生まれてから2週間ほどがたちました。
今日は家族みんなでお出かけですわ。お父様とお母様と一緒に生まれた2人のお姉様。みんなで一緒に少し離れた花畑に行きました。
花がとても綺麗でおいしそうでしたわ。お父様に言うとここら辺の花はあまりおいしくないと言われてしまいました。むう、お姉様達もそんなに笑わなくてもいいと思います。
わたしがふくれていたら、お父様が魔法を見せてくれました。普通わたしたちラビは決められた一種の魔法しか使えません。たまに2つや、3つ使える方もいらっしゃるようですが。
しかし、お父様は自分で魔法を作れるらしいのです。
お父様はスキルがどうの、と難しい話をしていましたが、全然理解できません。一番上のお姉様はふんふん、と頷いていましたね。
お父様の魔法はただ風邪を起こすだけの魔法でした。でも、お母様ーーーお父様ほどではありませんが、優れた魔法の使い手ですーーーが風の魔法で切り取った花びらが風に乗ってぐるぐる回っていてとても綺麗でした。
最後にお父様はわたしたちに空を飛ばしてくださいました。
少し怖かったけども、風を感じることができてすごく気持ちよかったです。
お父様みたいに魔法が使えたらいいな、と思いました。
これがわたしの一番古い記憶です。
それからは大したこともなかったようにおもいます。お母様から一人前の女となれるよう振る舞いやおいしい草を探す方法を教えてもらったりしました。
お姉様達は簡単にできていましたが、わたしにはなかなか難しくてよく末っ子ちゃんはお転婆だね、と言われていました。
そんなわたしが一番楽しみにしていたのが、お父様の話を聞くことです。
お父様の一族はお父様以外に魔法を使える方がいらっしゃらないらしく、お母様と結ばれるのには色々とあったそうなのです。(お母様はそれなりに力のある一族出身です。)
あと、お父様のお話しには結構な割合でお父様自身の武勇伝なんかもはいっていて、それを聞くのも楽しかったです。
そんな楽しい生活が終わったのは一年がたった頃だったでしょうか。ラビの寿命はだいたい15年で2歳の年のラビッシュがとれる頃のお祭りで、一人前と見なされます。
だから、一年もたてば、何らかの魔法が使えるようになります。現にお姉様達はすでに魔法を使いこなせるようになっています。
真ん中のお姉様は2つ、上のお姉様に至っては3つの魔法を使えるようになっており、やはり天才の子は天才だと、噂されています。
ですが、わたしは今でもまだ、魔法を使えません。
普通一年もたって、魔法が使えなければ一生使えないとされています。お父様が優しく教えてくれますが、魔力を流すという初歩の初歩が上手くできないのです。
今ではお姉様達への指導などもあり、なかなか練習の時間もとれなくなっています。
そのかわりに、お母様が見てくれるはずになっているけどもお母様は私のことを見向きもしてくれません。
まわりがわたしのことを「出来損ない」と言っているのかはは知っています。
そこからの一年は魔法の練習をほとんどしてません。むしろ、山の中を駆け巡って遊んでいました。
その頃にもなると、わたしは魔法が使えないというのを理解していましたし、諦めていました。
とりあえず、今のわたしの楽しみは果物を食べることです。野いちごなんかは見つけにくいですか、木になっている奴は簡単に見つけられます。
まわりが魔法を使って採っているというのを聞いてショックを受けました。
もちろん、お父様に言えばとってきてくれたでしょうけどそんなこと簡単には頼めません。
たまに、お父様がとってきてくれることもありましたが「いりませんっ」と言ってしまいました。
そういった日には帰ってくるとわたしの部屋にちょこんとおいてあることがありました。
・・・丁寧に一口サイズにカットされて。ここまでされたら食べないわけにはいきませんね、とか誰に対するのかも分からない言い訳を並べて食べてるとお父様が覗いていることがあって、すごく恥ずかしくなってしまいました。
お父様は無理しないでもいいよ、と言ってくれましたが、わたしは自分自身の力でとりたいのです、と言うと笑ってくださいました。
とりあえず、まずは木の実に届くようジャンプしてみました。だんだんと近づいているように思えましたがようやく半分といったところまで届くのに半年もかかってしまいました。
そこで、他の方法も試してみようと思いました。
たしか、魔法で木の実をとるにはいくつか方法があって、一つはわたしがやっていたような自分の体を高いところまで運ぶ方法、もう一つがお母様のように斬撃などを飛ばして実を落とす方法、最後に大きなものを幹に当てて木を揺らして実を落とす方法です。
そこで、わたしは木の幹に体当たりをしてみました。
簡単に弾かれてしまいました。
木は揺れてすらないです。
少しむっとしたわたしは自然と蹴りを繰り出していました。
すると、少しだけですが、木が揺れました。
これならいける、と思いわたしは練習を続けました。もちろんジャンプの練習も忘れません。
また、半年がたちました。一人前とされるまではあと半年です。まだ、木の実は落とせません。
今日もわたしは森へと行きます。この森は決して近づいてはいけないと言われています。
でも、わたしはいきます。というか、目的のものがここにしかありません。目指すのは森の中の広場です。この広場の真ん中に少し大きめな木があります。
この木になる果物がわたしの目的です。お父様は色々と珍しいものを持って来てくれますがこの実は見たことがありません。きっと初心者向けの簡単に取れるものなのでしょう。
それすら、取れないわたしって・・・と沈んだ気持ちになりますが、まずはこれを取れるように頑張るのです。
この木に向かって蹴りをいれていると、一匹の狼がでてきます。
この状況にもなれたもので、わたしは彼とのバトルに自然と移行します。
彼に最初に会ったときはびっくりしたものでした。狼なんて、会ったら死ぬと言われてるような魔物です。
全速力で逃げてしまいました。
お父様にはこんな恥ずかしいこと言えません。
幸い、追いかけてくることはなく、不思議に思いつつも次の日にそこに行って、練習してるとまたその狼がやってきました。
逃げました。全速力で。
それからその広場に行って練習を開始すると彼が現れるようになりました。
練習できないことにイライラする日々が続き、ある日ついに反撃してしまいました。彼は驚いたようでしたがすぐに牙をだして反撃してきます。
普通に考えれば勝ち目なんてないです。
でも、油断しているようだったので、相手の頭に思いっきり蹴りを叩き込んでやりました。
一発KOでした。
どうやら、彼自身もしたっぱだったのでしょう。
ふう、これでゆっくり練習ができます。
目を覚ました彼はショックを受けたようでとぼとぼと帰って行きました。
これで、平穏が訪れたかのように思いましたが、次の日からも彼はやってきました。そのたびに戦って、どっちかが負けて、その日は解散といった感じです。
悔しいですが、わたしの負けの方が多いです。
ずるいんです!体が大きいせいであっちの攻撃をわたしは受け止めれないんです!
初めて負けたとき、というか二回目に戦ったときですが、食べられちゃうと思ったのになにもされませんでした。目を覚ましたとき彼の顔が目の前にあったのにはびっくりしましたが。
したっぱのくせに、と思ったこともありますが考えてみればわたしの方が一人前になってすらない子供でした。
まあ、負けを認めてやろう、って感じです。
だんだんと戦うのが楽しくなってきてるからって、負けたのが悔しいから負け惜しみをいってるわけじゃありませんよ。ええ。
ちなみにまだ、木の実は取れません。
おかしい、さすがに半年前の倍くらいは跳べるようになったと思ったのに。
彼にそう愚痴を漏らすと木だって成長してるんじゃない?と返されました。確かにそうです。彼に言われるまで気づかなかった自分が恥ずかしい。
ここ、半年で、彼とは簡単なやりとりができるようになってます。言葉が理解できないのに、なんとなく言いたいことは伝わってきます。
彼はよく、「親父の近衛レベルにはなったはずなのにいまだ勝ち越せない・・・」といったことをよく言っています。よく分からないですね。
あと、小さい声でつぶやいているようですが、ラビのわたしにははっきりと聞こえます。
さらに半年たち、収穫祭が近づいてきました。この頃になると彼には負けっぱなしです。ちくせう。彼がすごくうれしそうなのがむかつきます。
でも、ついに木の実をとることができました!
一つしかなかったからお父様にはあげれませんでしたが、お父様はすごく喜んでくれました。
そして、ついに収穫祭の日です。お父様からステータスを見せるように言われました。ステータスって何それ?と思ったわたしは悪くないと思います。
教え忘れてるお母様が悪いんです。
とまあ、一悶着ありましたがステータスはこんな感じでした。
ラビ lv29
hp870 mp290
sp870
atk174 def58
int58 min87
dex87 agi203
性別 雌
種族スキル 聴覚強化
有効スキル
脚力強化Ⅱ lv46
跳躍 lv86
蹴り補正Ⅱ lv38
危険察知 lv57
鎌鼬 lv2
高いのか低いのか分からないなぁと思ってたら両親が愕然としています。そんなに低かったんでしょうか。
お父様とお母様が何を言っているのか少し不安になりました。
収穫祭の夜はこの土地を治めてくださっている方に会いに行きます。毎年、ラビはこの時期に行くのが慣例なのです。
その方はシルバーウルフ様という御方でとても強大な力を持っているのです。この島はシルバーウルフ様以外にトムホーク様、うしがめ様、そして狂乱熊のクレア様によって分割されています。
それぞれは魔力だまりの近くに居をかまえてそこから湧いてくる魔物や、ゴブリンなどの危険な魔物の処理を行い、なるべく安全な暮らしができるようにしていただいています。
岩の上にシルバーウルフ様がいらっしゃいます。長老が挨拶を述べ、わたしたちがその庇護下にあることを認めて頂きます。
そして、今年一人前となるものを前にだし、お言葉を賜ります。
なぜかシルバーウルフ様にじっと見つめられています。長老がシルバーウルフ様の言葉をラビの言葉に直しています。それを聞かなきゃいけないはずなのに気になります。
居心地の悪さを感じながらも長老の言葉が終わります。
そうして収穫祭も終わります。
あとは家に帰ってご飯を食べるだけです。
そう、思っていました。
次の日、目が覚めると知らない部屋でした。
そして、すぐそばには男がいます。たしか、お父様の遠縁の方だったと思います。少し、いやかなり婚期を逃した方です。
男が目を覚ましました。
気持ち悪い視線、わたしの下半身の方を見てる。
男が近づいてくる。
彼と戦うときと違って高揚感もなにもない。
ただ、生理的嫌悪感だけがあった。
でも、体が上手く動かない。
男が意地の悪そうな笑みを浮かべて何かを言った。
「もう、目を覚ましたんか。はあ、使えんやっちゃのう。まだ、全然足りんかってん。まあ、いくらレベルが高いゆーても毒食らっちゃあどうしようもないのう。くくく、あの親父も食えんことをする。」
何を言ってるんだろう?毒?親父って誰?
「ああ、理解しとらんのんか。あんさんはなぁ、親父さんに売られたんよ。自分の子なのに魔法も使えない、木の実もまともにとってこれない、なのにレベルはやけに高い。そんな気持ち悪い奴はいらんって。まあこっちとしちゃああまり関係ないけどなあ。」
わたしが売られた?お父様に?そんなの嘘よ!
わたしは逃げようとするけど体が上手く動かない。
なんとかしようと体中をばたつかせる。
それは偶然だったんだろう。偶々振った足から風の刃が生まれてその男を葬り去ったのは。
わたしは呆然としていた。毒のせいで体が動かないけど頭も上手く動いてくれない。
ゆっくりと何が起こったのかを認識し、自分が同族を殺めたことを知る。
そして、風の刃は何だったのかを考えてステータスに記入されてた鎌鼬ではないかと推測する。
逃げようーーそんな気持ちが湧いてくる。
わたしがここにいるってことはわたしの味方はいないってことになる。少なくとも群れの中には。
だったら同族殺しをしたわたしは殺されるだろう。
それは嫌だ。
だから、逃げる。一瞬彼のもとに逃げ込むことを考えたが、完全に逃げるのなら土地を変えた方がいい。
他の方なら、クレア様の土地だろう。あそこは流れ者が集まると聞いている。
こうしてわたしは群れを抜け出した。順調に土地も超えられクレア様の土地へと入ることができた。
ただ、後悔したことも多い。
まず、気づいたのはわたしは生活能力が低いということだ。お母様の授業をちゃんと聞いておけばよかった。
食べられる雑草ならいいが、お腹を下すことも多かった。
次に、楽しませてくれるような相手がいない。
彼との戦いを楽しんでいたわたしからすれば格下との戦いは本当につまらない。
最後に、これは完全に想定外だったのはわたしが身ごもっている、ということだろう。
あの中年の子供だとするといい気はしないがどうしたらいいのかもわからない。
そうこうして、ふらふらしているうちにトレントのすみかに入ってしまった。
トレントは簡単に倒せる。戦闘にさえなれば。
問題はトレントの擬態はわたしにも分からないということだ。
万全ならまだしも、お腹に子供を抱える今、休憩に乗じて襲ってくるトレントに精神を追いつめられていた。
そんなときでした。空から光が降ってきたのは。
トレントの夜襲を退けていると、突然光が起こり、そこに箱のようなもののが現れました。
トレントは光にびっくりして逃げて行きました。わたしも少しは遠ざかろうとしたのですが、陣痛が始まり、その場から動くことができませんでした。
だから、その晩、わたしが生き延びれたのは奇跡のようなことだったのでしょう。
生まれた子供は真っ白でした。
わたしの群れでは忌み子とされる子。
雪も振ってないのに白い毛を持つ変わった子。
なんだか魔法の使えないわたしと同じような気がしてなんだか愛おしく思えてきました。
その夕方、食べ物をとる、という目的で昨日のところまで戻ってみました。
するとそこには一人の人間がいました。
人間はゴブリンよりもヒドい、とよく言われます。
見つけたら殺す気でかかれ、とも。
わたしは、牽制として軽めに蹴りを出しました。
吹っ飛びました。おかしくない?この程度で吹っ飛ぶのなんてそこらへんの虫レベルですよ?
一応追撃もしましたがなにか、透明な壁に阻まれてしまいました。
ちゃんと始末しておきたいですが、娘も心配ですし、戻りましょう。
トレントに気をつけなければならないのが大変ですね、と思いつつ。
次の日1日、トレントは現れませんでした。そのかわり、例の場所からトレントが仲間を呼ぶ声が聞こえます。
さらに次の日、様子を見に行って見ました。
トレントであふれかえっていました。どうやらあの人間がトレントの子供を殺したようで、怒ってるようですね。
トレントは二十年に一度しか実をつけないから、子供を殺されたら怒るのは常識でしょうに。
でも、ここでトレントを始末すれば夜が楽になりますね。
うん、しかたないですね。別にあの人間のためじゃないんだから。
ということでトレントを全滅させた。鎌鼬だが、すごい便利な技な気がする。
その翌日、娘の為にもちゃんと食事はとらなくてはならない。ここら一帯の魔物は殺したから安全ではあるけど、食べ物がない!
うん?あれは例の人間だ。
なぜか袋から草、それもおいしい奴ばかりをばらまいてくれた。
むう、恩には報いるということか、もぐもぐ、多少なら目をつぶってもいいかもしれない。もぐもぐ。
その草のうち、特に柔らかくて子供でも食べられるやつを持って帰る。
例の場所から少し離れた洞窟に娘を残している。
留守のうちが不安だが、まあ、大丈夫だろう。
娘は草を食べるとお母さんのじゃない匂いがある、と言った。
ぎくっ、どうごまかそう。
娘はこれがお父さんの匂いなんだね~と言って納得してしまった。
違うのだけど・・・あの男よりかはマシなので否定はしないでおこう。そう、あんな男が親になるよりはいいだろう。
それからその人間はわたしに会うたびにご飯をくれる存在になった。
娘もお父さん~と喜んでる。
むしろ、わたしがとってきたやつにはあまり口をつけないという・・・
こんな感じも悪くないかな、と思いながらその人間のお世話になりつつ、されど餌付けされてるわけではない!という意志を明らかにしておく。
別にやってほしいなんて言ってないんだから!という感じ。まあ、相手が勝手にやってくる分にはいいんじゃない?的な。
・・・なんに対する言い訳なんだろう。
そんな人間がわたしたちの洞窟に住み着くようになった。
娘はあっさりとなついたようだ。むしろわたしの方が疎外感を感じる・・・
別になでなでしてほしいわけじゃないし。
むう、近づくな!
あっ、娘の方に行っちゃった。
少し位ならいいのに……。
とまあ、こんな感じだ。
なぜか知らんけど食べられるものをとってくるのが上手い。ただ、戦闘はできないようでたまに肉を取ってきてあげるとすごい喜んでる。
なぜかこいつは火の魔法が使えるらしい。戦えないのに。
あ、あと、名前を付けてきた。ぴょん吉って男の名前でしょ。ネーミングセンスない!と、思った。
そんな生活が1ヶ月くらいたった頃、あのシャボン玉に出会った。なにかが呼んでいるという感覚はあったが、娘を置いてはいけない、と思い我慢していた。
結局3人で行くことになったが。
そこには昔の家族たちがいた。
わたしの方を睨んできている。
目の前にいる人間は何を考えているのかわたしを抱えてきた。
少しだけ、ほんの少しだけ安心したのは秘密だ。
そして、土地を治めているお三方に会い、四天王の中でも一目置かれてるという、うしがめ様に言葉をいただいた。
というか、番という言葉が頭をぐるぐるしてて、全く内容が頭に入って来なかったが。
その明くる朝、目が覚めると人間がいなかった。
どきん、と心臓が跳ねた。
どっか言ってしまったのかと不安になった。
知らなかった。あいつがいないだけでこんなに不安になるなんて。
あいつは何事もなかったかのように帰ってきた。
少し怒ると、ご飯で機嫌をとってきた。
うん、ありがと・・・ってちがう!
勝手に外に出たことに怒ってんの!ご飯なんかじゃごまかされないし!もぐもぐ。
そうしてると、あいつは懐からなにか甘いものを取り出してきた。
ふぇ!?甘い!
これなら許しても・・・だからちがーう!
そうゆうのじゃないんだよ!
ダメだこいつ。わたしのことを食欲しかないと思ってる。
そんなことないんだからね!
この蜜の半分、いや三分の一、やっぱり四分の一くらいなら分けてやろう。
信じられない、って目で見られた。失礼な。
蜜のついた葉っぱが目に入る。
あれってあいつが口にしたやつ・・・?
蜜が少しついてるもんね。もったいないもんね。
人間は葉っぱなんて食べないようだからそれを貰ってやろう!
もてあそばれた・・・
そして結局娘に邪魔された・・・。がっくり。
とりあえず、むかついたから、蹴りをいれてやろう。少しは反省しなさい!
三日後、クレア様の訪問を受けた。心当たりは無かったが、敵対する者には容赦ないと言われるクレア様だ。それでも後ろの二人は助かるようにしないと。
何もされなかったけれど、出て行かなきゃいけなくなった。
でも、死ぬよりはましだ。
ゴブリンの襲撃を受けた。
中級とはいえ百匹くらいいる。守りながらだと難しいかも。
娘だけなら連れて逃げられる?
・・・そんなことはできないね。守りきってやるんだ!
あいつは娘を守って攪乱に徹してくれてる。
だから、こっちは、わたしが!
ダメだ。数が多すぎる。守れないかも。家族なのに。守ってあげるって誓ったのに!
なに?力がでてくる?娘との間に繋がりを感じられる。
これならーーいける!
ゴブリンを倒しきったと思ったら新手が出てくるとはね。それも下手したら私と同じくらい、強い。
でもーー今のわたしなら!
そう思った瞬間矢が飛んでくる。
驚いた。でもそれだけ?まだ、大丈夫!
まわりを見る。そして驚いた。五十近い数の上級のゴブリンがいる。
娘との繋がりは残ってる。
大丈夫、守ってみせるから。
あいつがどこかへと走っていく。
ばかっ!一カ所にいてくれないと守りきれない!
矢が飛んでいく。わたしでは追いつけない。
ああーーー。
信じられない。あいつは無事だった。それどころか伏兵を見つけてくれた。
あいつへと魔法が飛んでゆく。わたしは追いつけない。
ーーー守りたいーーー
そう思った。ただ、ただ、そう願った。
娘だけじゃない!あいつだって絶対にわたしが守って見せるんだから!
あいつとの間にも繋がりが生まれる。
そして体は軽くなり力があふれてくる。
わたしは伏兵を蹴散らし、魔法を防ぐとゴブリンの群へと突っ込んだ。
今なら、何だってできる気がした。
次は主人公に戻ります。




