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~遭遇、逃亡、そして・・・~

 ゴブリン百匹に囲まれてるだって!?


 僕はぴょん吉の方を見る。

 ぴょん吉は周囲を確認すると一瞬安堵したが何かを思い出したように警戒態勢に戻った。


 たぶんぴょん吉だけなら突破できるんだろう。

 ゴブリンのスキルにどんなものがあるかは分からないけどagi三倍差をひっくり返すほどでは無いはず。


 だから・・・問題は僕と子うさぎちゃんだ。

 ぴょん吉は僕はともかく子うさぎちゃんは見捨てないだろう。

 そして、守りながら戦うにしては相手の数が多すぎる。

 例えぴょん吉が勝てるとしても流れ弾がこっちに来るだろう。ぴょん吉はそれに対応する必要もあるし、さらには殲滅の必要性まで生じた。


 僕にできることはなんだ?

 何のために僕はここにいる?


 ゴブリンはじっくりと近づいてくる。


 ぴょん吉と一緒に戦う?

 駄目だ。足手まといにしかならない。


 ゴブリン達はもう目に見えるくらいに集まっている。

 

 毒を撒くか?

 駄目だ。この位置ではぴょん吉にもかかってしまう。


 ゴブリンが狙いを定める。

 それは自分たちよりも強いぴょん吉ではなく、僕らだ。


 あった。一つだけできること。

 

〈いいんですか?それをすればマスターの命は危ないですよ?〉


 どっちにしろ、僕にはこれしかできない。秘密兵器を使うまでもない。いや、使ったところでなんにもできない。


 僕のできること。

 それは、ぴょん吉を信じること。

 そして、あいつの大切なものを守ることだ。


 僕は暢気にスヤスヤと寝てる子うさぎちゃんを起こさないように優しく抱き上げると膝に抱えて体育座りをした。

 ちょうど子うさぎちゃんが隠れられるように。


 あとはできるだけ見つからないように『木のふり』を使って僕の仕事はお仕舞いだ。


 いや、もう一つくらい、役にたとうか。


 僕は『蛍火』をmpの許す限り作って滅茶苦茶に飛ばす。

 これは本来蛍が自分をアピールするために使うもの。攻撃力なんてまるでない。

 せいぜいがマッチの火くらいだろう。あたっても火傷すれば御の字といったところだ。


 その都合上自分の近くにしか出せないという条件はセカさんによって外した。


 攻撃力はないとはいえ火の玉が飛んで来たんだ。多少は動揺するだろうし、僕達への狙いを逸らすこともできる。

 

 これで僕の仕事は終わり。あとは、頼んだよ、ぴょん吉。



 そこからのぴょん吉の動きはすごかった。


 僕の放った『蛍火』に気を取られた瞬間に駆け出し一匹の頭を蹴り飛ばした。

 そうして、戦闘が始まった。


 本来、三倍の速度というのは恐ろしいものではあるが、どうしようもない差ではない。

 ぴょん吉の速度はステータスを見る限りだいたい時速60キロくらい。

 小動物の出す速度じゃないだろ。

 でも、考えてほしい。時速60キロでとんでくる野球ボールを打てない人間はいない。

 体を動かす速度と腕を動かす速度は違うのだ。

 

 そもそも、ぴょん吉とゴブリンでは体格の差が存在する。この世界はステータスが重要だが全てではない。

 というかステータスが全てなら僕はそんなに簡単に生き残ってない。

 atk10でも石を投げれれば一方的に勝てるようになるように、攻撃範囲や、武器による補正は無視できるものではない。

 def10でも蝶の羽と僕の体の強度には差があるようにその形や状態は大きな影響を生む。


 そうしてみると、体の高さが1メートルと20センチくらいあるゴブリンとせいぜいが30センチのぴょん吉ではまともな格闘もできない。


 さらに言えばゴブリンの種族的な特性もある。

 その種族スキルは『多才』。有効スキルという枠を捨て得た、数多くのスキルによってステータスで負けていようとと集団で襲いかかり、そして狩る。


 剣を使う個体、弓を射る個体、盾を使う個体、拳を使う個体、槍を使う個体、火魔法を使う個体、水魔法を使う個体、土魔法を使う個体、バフ、デバフをかける個体、回復魔法をかける個体、エトセトラエトセトラ・・・


 それはまるで訓練された人間のよう。

 役割を分担し、それぞれの個性にあわせてこなす。


 これほど個性を持った種を見るのは人間以外では初めてだろう。

 

 それでもぴょん吉は圧倒的だった。ゴブリンの攻撃を受け止め、受け流し、懐に飛び込んで相手を蹴り砕く。

 

 魔法は回避し、的確に術者を狩る。驚いたことに嵐脚を使って魔法を切ってすらいた。


 spに限りがある上に仕留めきれないこともありトレントのときのように無双とまではいかなかったが。


 確かに、一見する優位そうだ。

 しかし、余裕があるどころか勝ち目すら薄い。

 ダメージも蓄積し、徐々に動きが精細を欠いてゆく。

 結局百匹なんて無理だったんだろうか。

 

 そんなときぴょん吉がふとこっちの方を見た。

 正確には子うさぎちゃんだった、が。

 

 次の瞬間、ぴょん吉が光りだした。

 そこからは圧倒的だった。


 ステータスを見る限り何一つ変わっていない。いや、多少レベルが上がっていたが、そこまでの変化では無いはず。

 明らかにスピード、パワーが上がっている。

 これは何らかのスキル?

 チートすぎるでしょ。明らかに倍近くまで上がってるよ?この世界ではこれがデフォなのか?

 どうして最初から使わなかったの?と思ってしまうほど強くなっている。


 ふと、気づいた。ぴょん吉の光と同じような光が子うさぎちゃんからも出てる。

 そして、一筋の光の線で二人はつながっている。


〈おそらく、これが『ユニークスキル』なのでしょう。効果は子供がいると能力が倍になるなどですかね?〉


 これが、ユニークスキル…。


 僕の中にもあるのか、これに近いものが。

 うらやましいなぁ。


 


 その三分後、ゴブリン達は全滅した。

 あれだよ、心配してた流れ弾もほとんどなかった。

 というか、ゴブリン達は僕を見失っていたようだ。

 『木のふり』が予想以上に有能だった。

 

 ぴょん吉は周囲を確かめると警戒感を解いた。


 結局、ぴょん吉一人で百匹のゴブリンを圧倒してしまった。

 ゴブリンなんて今まで見たこともないような魔物が襲って来たことは気にはなるが今夜はもうだいじょうぶだろう。

 

 僕も動こうとして、何とはなしにぴょん吉の後ろを見た。

「ぴょん吉!」

 僕は叫んだ。いや、叫ぼうとした。


 僕が何かを言う前に。

 ぴょん吉の後ろから闇を纏ったナニカがぴょん吉に襲いかかり。

 手に持った鈍く光る凶器をぴょん吉めがけてふるった。

結局主人公はまともに戦わない・・・

いつになったら主人公の戦闘シーンがおとずれるんだろう・・・

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