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~遭遇、逃亡、そして・・・~

第一章三節!


 シャボン玉の件があった三日後。

 あれから大したことは起こってない。

 食材集めと格下をちまちまと倒すだけの単純な1日。

 

 昨日とほとんど変わらない1日が過ぎ、明日もこんな風に過ぎていくと思っていた。


 前回、住むところを無くしたときに思ったことを何一つ反省していない、暢気なもんだった。


 ただ一つ言わせてほしいのは今回の件は例え僕が警戒したところで起こっただろうということ。

 そしてせめてそうしていたらあんな結末にはならなかっただろう、ということだ。


 

 その日は普通だった。


 いつものように草を採ってきて子うさぎちゃんとじゃれていた。

 珍しくぴょん吉も洞窟の中にいた。今日は狩りはお休みらしい。


 そして、そいつはやってきた。

 極彩色のオウムを肩に乗せて、五メートルはありそうな巨体をもってその熊は僕たちの住処へと直進してきた。

 怖い、と感じた。

 スキルなんて関係なく、根源的な恐怖。

 確かに僕は安全地帯でぬくぬくとしていた。

 森は危険だったがぴょん吉ならなんとかできる、という思いはあった。

 おそらく、ぴょん吉ですらまともな比較対象にならない存在だというのが伝わる。


 ぴょん吉の方をうかがう。

 ぴょん吉の目には怯えが見て取れた。

 僕はそんなぴょん吉を初めて見た。

 でもぴょん吉には覚悟があった。ぴょん吉は一歩前に踏み出した。頭を下げると何かを言っている。


 たぶん、なんとか見逃してくれ、とかせめて自分の命だけでも、とかいうことを言っている。


 なんで。

 なんでそんなことができるんだろう。


 オウムがしゃべった。

「こやつは『この度はどうしてこのような場所にいらっしゃったのでございましょうか。何か不快なことがございましたら何でもいたします。ですから子供とこの者は見逃していただきたいですわ。』と申しております。いかがいたしましょう。」

 熊が何かを伝えている。

「クレア様のお言葉を伝える!『お前らは不思議な力を得たらしいな。あいつらと同格だというから、どのような強者かと期待していたのに、とんだ無駄足だったようだ。この場で殺してもいいが、俺様は寛大だからな。三日待ってやる。それまでにこの領地から出て行け!』とのことだ!」


 聞いたとき、何を偉そうに、と思ってしまった。

 静かに生活してるだけの僕らを縛る権利がどこにある、と。

 一瞬、せっかくの忠告も無駄にして鑑定を使ってしまった。


 クレア lv53

  種族 狂乱熊 (ユニークモンスター)

 hp3710  mp1590

 sp5300

 atk689  def265

 int159  min159

 dex159

 

 強い。いや、そんなことは分かっていた。ただ、種族が『狂乱熊』だと?ということは種族スキルは…。


「納得していないのか?新参者の分際で?」


 やばっ、目つけられてしまった。


「いえ、何分生まれたばかりでして、この御方が誰なのかも良く知らないのですよ。これだけ素晴らしいお力を持っているとは。今まで知らずにいたこと、自分の無知を恥じる思いです!」


 こういう相手はゴマをすっとくに限る。

 おだててれば勝手に満足するだろう。

 ぴょん吉ががびーん!って顔してるけど裏切られたって思ってくれてるんだろうか。

 ごめんね。今は必要経費だと思って見逃してください。


「なに!?貴様この方のことを知らないだと!?無知にもほどがあるぞ。この方はこの島での絶対強者!四天王の中でも他の追随を許さない強さを持つというクレア様だぞ!クレア様、このような奴らにお情けなど必要ございません。今すぐ、殺してしまいましょう!」


 熊…クレアだっけ?がなんかを伝えてる。

 しまったなぁ。知らないって言っただけで殺されそうになるとは。

 まあ、本気では無いようだね。

 あ、ぴょん吉は怯えてる。なにしてんだ、って目で脅してくる。


 なるほど、魔物達の知能がこんな感じなら、こうすることで主人の株を上げようってことか。なかなか賢いな。


「ちっ、クレア様の言葉を伝える。『無知とは愚かなことだな。所詮は見かけ倒しか。まあ、前言は撤回しないでおいてやる。分かったらサッサと出ていけ!』だそうだ。良かったな!」


 舌打ちだと!?あれ、ひょっとして本気だった?

 割とヤバかったりした、今の?


 そうすると、言いたいことは言い終えたとばかりに熊とオウムは帰って行った。


 よし、行ったな。

「ぴょん吉、すぐに出発しよう!」

「きゅい!」


 なんか、ぴょん吉と初めて意見が合った気がする。


 というわけで、僕らはすぐに住み慣れた洞窟を出た。

 道の途中でぴょん吉が何かを言ってきたが今度はまるで理解できなかったので、任せる、と言っておいた。


 その日は二時間ほどたったら日が沈んでしまった。

 そこでこの世界で初めての野宿となった。

 焚き火をつけてその周りに一人と二匹で集まる。

 最初のころは火に対して少し苦手意識があったようだが今は大丈夫なようだ。


「ごめんな。」

 ポツリと声が出る。


「多分、お前だけだったらすぐにでも目的地まで行けるんだろうな。僕のせいで迷惑かけちゃって・・・」


 ぴょん吉は一瞬キョトンとすると、耳で僕を叩いてきた。

 ここ1ヶ月ちょっとで分かったことだけど、ぴょん吉は本気で嫌なときは容赦なく蹴る。耳でモフモフするのはむしろ機嫌のいいときだ。


 ぴょん吉はスヤスヤと眠ってる子うさぎちゃんを見る。そうしてまた僕の頭をモフモフと叩く。

 心配するなよ、って言ってくれてるみたいだ。



 確かにこのあたりの魔物ならぴょん吉が気づけないことはないし、負けることもない、と安心していた。


 そのときぴょん吉がはっと顔を上げた。

 魔物?それもぴょん吉が警戒するレベル?


 僕はぴょん吉の視線の先に向かって鑑定をかけてみる。

 もし、何かいるのなら鑑定に引っかかるはず。


 ウドの木

 ドンドングリの木

 スミレの花

 ・

 ・

   ピコンッ 鑑定のレベルがあがりました!

 ・

 ・

 ゴブリン lv11


 いたっ!でもゴブリン?警戒するほどの敵なのか?


 ゴブリン lv11

 hp860  mp860

 sp860

 atk146  def86

 int86  min86

 dex86  agi92


 おお!ステータスが全部見えるようになってる!

 いや、そんなことどうでもいい。


 ぴょん吉のステータスはっと。


 ぴょん吉 lv35

  種族 ラビ

 hp1050  mp350

 sp1050

 atk210  def70

 int70   min105

 dex105  agi245


 なんだ。やっぱよゆーじゃん。

 ってちょっと待って!

 ゴブリンのレベルが11、ぴょん吉が35と三倍近くあるのにステータスはそこまでの差がないの!?

 セカさん!なんか知ってる?


〈ああ、ゴブリンですね。そいつら(汚物)は進化個体ですよ。〉

 えっ、あいつレベル61相当なの!?弱すぎぃ!


〈ゴブリンはレベル10で進化です。だから実質レベル21ですね。〉

 妥当なところだった!進化のレベルって統一じゃないんだ!


〈そんなことより、囲まれてますね。だいたい百匹くらいでしょうか。〉


 は?


〈鑑定してみてください。こう、ぐるっと一周回る感じで。〉


 ゴブリン lv10

 ゴブリン lv8

 ゴブリン lv14

 ・

 ・

 ・


 なんじゃこりゃぁ!!

次回はゴブリンとの戦闘・・・になると思います、たぶん。


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