~うさぎ親子との出会い~
ぴょん吉と目が合う。
あっ、今度こそ人生終わったわ。
ラビ lv33
hp990 mp330
sp990
勝てる気が起きない。だって親分だもん。
いや、でも全く知らないワケじゃないんだし助かる、かも?
あっはい。そんなこと無かった。すごい目でこっち見てる。
こうなったらやることは1つ!
D・O・G・E・Z・Aだっ☆
誠心誠意謝れば許してくれるはずっ。
子うさぎさんと何か話していらっしゃる。
あれですか、何か変なことしてないかの調査ですか。
大丈夫。僕の身は潔白だ。
うん?なんかこっちを「しかたないな~」的な目で見ている。
「ひょっとして、ここにいてもいいんですか?」
ぴょん吉は頷いた。って言葉分かるの?
ペシペシと僕の頬を耳で叩きながら子うさぎの方を見ている。
入り口にはいくつかの草が積んである。
弱った子うさぎ、ぴょん吉の食欲、にもかかわらず食べずに家まで持って帰ってるってことは・・・
「子供に食事をさせたいから草を採って来いってこと?そうすればここにいてもいい、ってこと?」
ぴょん吉は大きく頷くと僕を外に向かって蹴り出した。
もう少しくらい丁寧でもいいんじゃないですか?
〈完全に尻にしかれたダメ亭主という構図ですね。〉
・・・違うと言えないのがつらい。
どっちかっていうとしたっぱから世話係に昇格したかんじかな?親分の娘さんの面倒を見るって割と重要だと思う。案外ぴょん吉の中で僕の評価は高いのかな?
〈実際は食料調達係りですけどね~。〉
こうして、ぴょん吉達との生活が始まった。
子うさぎちゃんは生まれつき体が弱いらしくまともに外に出れない。真っ白で可愛いんだけどね。
そういえばぴょん吉は茶色っぽいのに子うさぎちゃんは真っ白だ。本当の親子じゃないのかと疑ったときもあったけど、ぴょん吉の目は子うさぎちゃんを見るときはとても優しくなって、そんなのは関係ないと思えた。
子うさぎちゃんは(なぜか)ぼくにすごいなついてて、寝るときとか服に潜り込んでくることもあった。
そういったとき、ぴょん吉は僕を睨んできてて、お父さんって怖いと思うことがしばしば。
ちなみに、子うさぎちゃんに名前をつけようとしたら思いっきり蹴られた。hpが三割くらいになった。まだ、信用を得るには早かったようだ。所詮世話係は世話係ということだろう。
ちなみに、戦闘力が低いというのもあっという間にばれ、ぴょん吉はしぶしぶといった感じて狩りに行っている。一部は持って帰ってくれて、僕のお腹の中へとはいっている。蜘蛛の足を持って帰って来たときはさすがに遠慮させて貰った。そのおかげで僕は安全に草むしりができる。
なんだかんだで1ヶ月ほどがたった。ここ最近はぴょん吉か僕のどちらかが出かけてもう片方は子うさぎちゃんを見ている、という生活スタイルになっている。
ぴょん吉は遠出することが多く、僕は近場なので子うさぎちゃんといる時間は僕の方が長くなる。その間は暇になるので、いろいろとスキルを試している。
一番の発達は武器が石器になったことかな。どこの原始人だとつっこまれるかもしれないけど、これが一番攻撃力が高い。棒にくくりつけるのは糸を使わせてもらいました。
最大が10センチなんて誰が決めた?回復しながら使えば無限に作れるのだよ。もっとも「木のふり」使っても1分に1しか回復しないのだけど。どうにかして回復速度をあげれないかな。
作った道具はこんなかんじ。
石の斧(笑)
軽い棒に石をくくりつけただけの武器という
よりおもちゃ。攻撃力+1 必要筋力値7
石のナイフ?
石を割ってできた鋭い部分。出来の悪いカッ
ターもどき。
木のお椀
でかい木の板を石でくり抜いたもの。少しし
かいれられない。
・・・何も言うな。仕方ないんだ。筋力が足りない、器用値が足りない、材料が足りない。要するにステータスが低い。
でも、いろいろ役にはたってるんだよ。斧は虫を潰すときに、ナイフはぴょん吉が捕ってきた獲物を解体するときに、お椀は蜜を採ってくるのに。
器用値の割には頑張ったと思うんだよ。
ステータスをどうぞ。
ショータ アカサキ lv12
種族スキル 不明 木のふり 虫の知らせ
蝶鱗粉
有効スキル
スキル奪取lv1
走行lv1
蛍火lv2
ひらひらlv3
セカさんlv3
▽世界知識lv12
鑑定lv28
糸作りlv3
吸蜜lv4
麻痺毒lv3
有効スキル外(スキルとして発動不可)
跳躍lv1
ふふふ、成長したのだよ。特に糸が良かった。
これのおかげで花畑で蝶を20匹以上狩ることができた。
というか、この糸に捕まるのであれば勝てるという基準になったのも大きい。
蜘蛛じゃなくていもむしでも糸作りはあがったよ。そのせいかくっつくタイプとくっつかないタイプが作れるようになった。
ただ、糸に捕まりやすいのが蝶なせいで蝶がもつスキルがどんどんとあがった。
ひらひらってなんだよ!ってゲットしたときには思ったけど、回避行動にスキルレベル×3加算するという、強スキルだった。
こうしてのんびり生活していくのもいいと思い始めていたある日のこと。
その日は何かがおかしいな、という予感があった。
おそらく「虫の知らせ」によるものだと思うんだけどいつものと違って危険だ!と感じない。
むしろ行くべきだ!と後押しされている感覚。
ぴょん吉も何かを感じているようで、朝から落ち着きがない。
その日は二人ともどこにも行かないという珍しい日になった。
夕方、だんだんと心に働きかける力が強くなってる。ぴょん吉も子うさぎちゃんのことがなければ行きたそうにソワソワしている。
不意に、子うさぎちゃんが動きだした。
何かにとりつかれたように、外に出ようとする。
放っておく、という選択肢はないが、この怪しい誘いに乗るというのも勇気がいる。
結局、僕とぴょん吉と子うさぎちゃんで初めての3人でのお出かけとなった。
子うさぎちゃんは僕の腕の中にいる。
不思議なことにまるで成長する様子が無いのだ。
さらに、衰弱もとれない。
鑑定のレベルが上がり、defまでなら見えるようになったが2つとも最低値、つまり1だった。
子うさぎちゃん以外で1なんていもむしでくらいしか見たことない。
ぴょん吉はatk210 def70だった。人間の成人時のatkの二倍とか・・・。
時折、ちょっと強そうな魔物が出てくるけど、ぴょん吉が一蹴している。そいつらのレベルは15ちょっと、atkなんかも100には届いていない。
あれ?この島って平均が低いの?その中でも最低辺な僕って・・・という気分になったりもした。
そうして三時間ほど進んだ。
周りは暗いはずなのになぜか明るく感じられる。
途中何匹かの魔物に抜かされた。引きつけられてるのは僕らだけじゃないみたいだ。
そこで僕らは・・・幻想的な光景を見た。
空に月はない新月の夜、その中でどうやってかぼんやりとした虹色の光を放ち、ふわふわと浮いているシャボン玉。
それが何千何万と空へと上っていく。
そこには多くの魔物がいた。それらはその光景を目にし、静かにたたずんでいる。まるで愛しい者の旅立ちを見送るように。
いくつかのシャボン玉が周りの魔物に近づいていく。
あるものは体長5メートルを越す岩のような翼を持つ鷹へと、
あるものは銀色の毛並みと立派な牙を持つ狼へと、
あるものは牛の頭を持つ巨大な亀へと、
あるものは茶色い毛と長い耳を持つうさぎ、そして白い体に赤い目をした子うさぎの親子へと、
そして、最後の1つが地面から湧き出ると人間の形をした人ならざる者へと。
それらはそれぞれに手を伸ばし、パチンッとはじけた。




