~能力値が最低で固定らしいです~
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ありがとうございます!
僕は何も考えずにそのミカンみたいな物体に近づいていった。
そして、それを丁度拾ったとき前から木の枝が襲ってくるのに気づいた。
ウサギさんの攻撃より遅いはずの攻撃に対して、ろくな抵抗もできず吹き飛ばされる。だがそれが僕を助けた。
木の化け物が怪訝そうな顔で僕を見てる。
吹き飛ばされた僕は結界の中でうずくまった。大丈夫、今朝ウサギさんに蹴られたときに比べたら大したたことはない。
hpだって20くらいしか減っていない。とりあえずは安心だ。
木の化け物が結界の中に入ってこないのを確認して、落ち着いた僕はやっと余裕を取り戻した。
化け物はウオー、オーと声をあげている。
〈マスター、大丈夫ですか?落ち着きましたか?〉
うん、大丈夫。ウサギさんがあれだけ蹴って壊れなかったんだか、それより弱いあれがこっちに来ることはない。
〈鑑定してみました。あれはトレントという魔物です。植物に擬態していますが、れっきとした生き物です。〉
それがどうかしたの?
〈いえ、マスターが持ち込んだそれがトレントの幼体だということなのですが。〉
はぁ!?
慌てる僕にセカさんは鑑定結果を見せてきた。
トレント(幼体) lv1
魔物のレベルが見えるようになってる。
lv1ってことは生まれたてってことだよね。木の実にしか見えないけど・・・。
これなら簡単に倒せるんじゃない?
これが僕の初戦闘かと思いつつ(ウサギさん?親トレント?あれを戦闘とは言わない。)そこら辺に落ちている石を拾って木の実に叩きつけた。
見事、木の実はグチャっとつぶれ……ないですね。
あれおかしいな。何でだろ。
〈今は、そんなこと考えてる場合じゃないですよ!反撃がきます!〉
木の実がパカッと開くと中から木の枝が伸びてくる。
親トレントのそれより遅い攻撃をよけ、枝を折ろうとしてみる。
うぐっ、案外堅い。日本の木とは全然違うね。
それでも余裕は崩れない。相手の攻撃手段は枝一本。
それを抑えている以上、こいつに勝ち目はない!
トレントが僕の手を振り払おうと暴れまわる。
僕はそれをさせないように全力で抑える。
いつまでも続くかと思った膠着はあっさりと破られた。
〈マスター!まずいです!トレントがレベルアップしました!〉
焦ったようなセカさんの声が響き、トレントから二本目の枝が伸びてきた。不意を打たれた僕は反応できず、その攻撃を思いっきりくらった。
さっきよりも力が増しているような気がする。吹き飛ばされることはなかったが、一瞬力が緩んだ。その隙に抑えていた枝が離れる。
やばいね、一本でもきつかったのに、二本に増えて、おまけとばかりにパワーアップだなんて。
いや、待てよ。レベルアップがあったとはいえ、まだ力では上回っているんだ。枝が二本あるっていったって、こっちも二本の腕がある。条件ではこっちが有利なんだ。
今までやってきたのは素人が相手の腕を力任せに折ろうとしていたようなもの。ちゃんと急所に攻撃をいれないとダメージにはならない。
戦闘中にレベルが上がった理由は分からないけど、やるなら今しかない!
僕はこれまでのように攻めを待つのではなく、こちらから打って出た。目指すのは本体、あの木の実だ!
こちらの意図に気づいたのか近寄らせないように二本の枝を振るトレント。
回避はしない。
「人間を、なめんなぁ!」
両側から、近づいてくる二つの枝をそれぞれの腕で受け止め、トレントに近づく。
相手は枝が二本、こちらも腕が二本。
だけど、こっちにはもう一本足が残っている!
木の実の部分を思いっきり踏みつけると、ピギャー!!!という悲鳴を上げ枝から力が抜けた。
「やったか!?」
〈それは生存フラグですよ。〉
セカさんはちょっと黙ってて。今、真面目なところだから。
ピコンッ
ショータ は レベル2になった!
スキル奪取が発動! トレント(幼体)から種族スキル「木の振り」を手に入れた!
どうやら勝ったぽいな。
〈過程はともかく、お疲れさまです。ぶっちゃけ、枝が一本のうちに柔らかい本体狙えば楽勝だったんですけどね。〉
いいんだよ。勝った、という結果があれば。
ところで…あれ、食べられるかな?
〈えっ、魔物の実でそれもグチャグチャに踏み潰したやつを食べるんですか!?やめましょうよー。もっとおいしいもの食べましょうよ。〉
そんなものある?ないから苦労してるんだけど?
〈そうでしたねー。なら、何も食べなければいいんですよ!〉
それは無理。お腹減ってて限界。
一応鑑定してっと。
ピコンッ
鑑定のレベルがあがりました。
おっラッキー。どれどれ。
トレントの実 食用可 品質は劣悪
効果不明
食用可って鑑定も言ってるし大丈夫でしょ。
いただきまーす。 ふむふむ、これは・・・なんか苦いけど普通のみかんだ。期待はずれだなー。もぐもぐっ!?
〈マスター!マスター!どうしたんですか!?〉
意識が……遠のいていく。ドサリ、と音を立てて僕は倒れた。




