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-78- 未来警察・始動しない捜査

 この事件? は数十年以上先で起きた未来警察での出来事である。当然ながらこの時代では、すでに捜査はすべてがメカ[機械]システムで動かされ、さらには思考判断による機械中心の捜査陣で構成されていたから、人間の刑事が直接、張り込んだり聞き込むといった捜査は行われていなかった。あらゆる捜査の指示は、中央制御室での機器操作を任された数人の選抜された機器オペレーターにより進行していた。

 そしてこの日も、犯人はすでに逮捕直前にあった。遠い過去に人間が食べていた食物の[おでん]を盗み食いした嫌疑けんぎによる指名手配だった。

「昼にしてくれたまえ…。どうだ、何か変化は?」

 中央制御室へ入ってきたのは、署長と捜査刑事官を兼務する●●●● 回向正志 ●●●●である。数十年前までは●●●● ●●●● ●●●●の個人番号と姓名は別だったが、サイバー攻撃により国民の情報流出に歯止めがかからず、やむなく個人番号と姓名を混合する個人識別に改変されたのだった。

「署長、それが困ったことにシステム・エラーで犯人の行方ゆくえが分からなくなりましたっ!」

「なにぃ~~!! それは大問題じゃないかっ! どうするんだっ、君! えっ! どうするんだっ!」

「さぁ~~? 私に言われましても…」

 捜査刑事官の●●●● 只乃政基 ●●●●は怪訝けげんな表情で首をひねった。他の捜査刑事官達も合わせるように首を捻った。始動しない捜査で未来警察のパニックが始まった。この事態は全世界のあらゆるシステムに波及し、人類の未来文明は完全な崩壊を迎えつつあった。全世界は震撼しんかんした。この始動しない捜査こそが究極きゅうきょくのサスペンスである。


               完

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