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-76- 怒れる

 今日は晴れて気分がいいな…と思いながら交通機動隊のふくろは地方道から国道へと白バイを進入させた。こういう快晴のいい日にかぎり、怒れる違反者が現れるものである。

「前の車、止まりなさいっ!」

 20Kmの速度オーパーで違反切符を切り、袋は、テンションを下げた。その後は事もなく、袋は夕方、警察へと、帰還した。

「あの金が国庫に入り、国はまたムダ金を使うんだろうな…」

 袋の脳裏に怒れる想いが巡った。こんな日は一杯飲むか…とばかりに、袋は飲み屋街へと足を向けた。

 いつもの行きつけの小料理屋、指圧のカウンター席には見かけない男が座っていた。

「あっ! どうも…」

 声をかけると、その男は無言で軽くお辞儀をし、コップの酒をグビッ! と、ひと口飲んだ。

「袋さん、この人、ご同業の刑事さんだよ」

 袋がカウンターへ座ると、店主がニンマリ笑って小声で言った。

「そうでしたかっ! いや、どうも! 私、交通機動隊の袋です」

「捜査二課の舐木なめぎです」

 人の気配をうかがい、舐木は刑事らしく小声で言った。その後は雑然とした世間話となり、酔いもお互いに回っていった。

「警察は国民の見方! 国の見方じゃないですぞっ、絶対!」

 疑獄事件の捜査が止まり、舐木は怒れていた。

「ええ! そうですともっ! 国は無駄金は使うなっ!」

 袋は国庫へ入金されるその使途に怒れていた。店主は閉店できない二人に怒れていた。


               完

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