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プロローグ
短編を編集し連載版にしました。
きっと、なにも変わらない。
無意味だとは分かっていた。
だけど、他にどうすれば良かったのだ。
きっと、私は後悔する。
弾丸を放ったあとに漂う硝煙の香と、喉を焦がすような鉄の匂い。
男は数歩よろめき、膝をついた。
自分の腹に手を宛て、流れる血を見て目を僅かに見開き、そして、ジニアを見た。
「コ、ネ…リア…?」
それは、ジニアの母の名前だった。
「それは、母の名前です。お父様。」
寒々とした言葉が、ジニアから放たれる。
「母親…?ま、さか…!」
自分の父親の顔が、真っ青に染まった。
ジニアは冷たく嘲笑った。
「ええ、私は貴方とコーネリアの娘です。」
この世界に優しさなどない。
しばらくは短編の内容が続きます。