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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

もうガマンできない

作者: モモンガ 桃の助

  1  目覚め




Aは朝起きるといつもの様に不思議な光に包まれている

1ヶ月前に始まったこの現象にようやく慣れてきた


一人暮らしの部屋の壁には女性アイドルのポスターが所狭しと貼られている

Aがテレビを付けると最近話題になっているニュースが流れてきた


『調布で女性バラバラ遺体、 バラバラ殺人三ヶ月で8件目、 連続事件か?』


ニュースキャスターの男性は事件が続けて起こったことを待ってましたといわんばかりの様子で伝えていた


ニュースコーナーが終わり、女性アイドルグループTKBのM田の妊娠騒動が

伝え始められると Aのまわりを包んでいた光はすでに消えていた




夜Aは秋葉原に来ていた

目当てはTKBのM田のグッズを買うことと例の妊娠騒動を仲間に確認することだ


Aが18歳になり3年前、北海道から東京に出てきた理由も

TKBの活動が秋葉原を中心にしているからだ



AはTKBカフェで仲間にM田について聞くものの

[M田は誰とでもヤル] だとか

[M田をはらませたのは俺だ] とか

ファンとしては聞き捨てならないことばかりを言うやつばかりで

詳しい情報は得られなかった


その後駅から離れた場所にある洋食屋でステーキ定食を食べた

ここのステーキはとても分厚い

しかしナイフに力を入れなくても簡単に切れるほど柔らかい

ここでステーキを食べるとほかの店で食べれなくなるほど美味しい



美味しい肉を食べてAは満足して店を出た


駅へ向かいひと気の無い道を歩いていた

その時だった!






『きゃーーーーーーー!』




暗い通りの横にある公園から 女性の悲鳴が聞こえてきた

反射的にAはその方向を見た


公園の街頭の下には腰を抜かした感じになっている女性がいた


駆け寄ると女性は泣き、怯えた表情をしていた

横にはなんとバラバラになった遺体がある


Aは状況がつかめなかった


怯えた女性はまだ悲鳴をあげていた


女性をなだめようとして近づき、 顔を見た




な、な、な、なんとTKBのM田だった!



Aはさらに混乱した


なぜM田がここに?


なぜ怯えている?


横の遺体は?


M田の顔を見る M田は怯えた表情で何かを見ている


AはM田の視線の先を確かめる










赤い身体をした何かがいた



頭には二本のツノがあり、

眼は釣り上がり、

巨大な口をしている

バラバラにされた人の腕を喰べようといた



Aはそれを鬼だと思った



Aは腰を抜かした

このままじゃ自分も喰べられると思った


横にはM田がいる

守る余裕もない

悔しいが自分だけでも助かりたいと思った


鬼が腕を喰べ終り二人に近づいてくる

ゆっくりとした重い足踏みで


Aは死を覚悟した


死ぬ前にM田の顔をじっくり見たいと思った

M田の顔は泣き崩れても可愛かった



M田の下半身を見た

スカートがめくれ パンツが少し見えていた



Aは興奮する

鬼はすぐそこまで来ている


AはM田の顔を見る

パンツを見る


Aの興奮は止まらない

その時、Aの下半身から光が輝き始め、光は大きくなる

鬼は光にたじろいだ


Aは立ち上がる

M田を見る

M田も眩しいようだ

その顔がかわいい


Aの光はますます大きくなる


Aの興奮と比例して光は大きくなる

鬼は目を光から守るように手で塞ぎゆっくりとあとずさんだ


AはM田の方を見る


M田

『助けて』


M田の潤んだ表情がAの光をさらに拡大させた

光は半径1メートルほどの球体になった


M田

『お願い』


Aの意識は飛ぶ寸前になった

球体は小刻みに振動し、光は一点に凝縮され、鬼に目掛けて飛んでいった


光は鬼の胸を貫き、肉体すべてを消滅させた


それと同時にAの意識も無くなった



    


   2   第二の目覚め




Aは気づくと病院のベッドの上にいた

意識を失ったあと運ばれてきたらしい


眼を覚ますとすぐに二人組みの男が駆け寄ってきた

男らは刑事のようで前日の夜起こったことを聞いてきた



Aは女性の悲鳴を聞き、公園に立ち寄り

バラバラになった遺体を見て失神したと嘘をついた

刑事らは一通り事情を聞き、となりのベッドに行った


となりのベッドにはM田がいた


M田も悲鳴をあげAが駆けつけたところで失神したと嘘をついているようだった

刑事らは釈然としない表情しながらも病室を出て行った


M田はAにお礼を言った

『助けてくれてありがとう、あの化物はなんだったんだろ?』


A

『鬼みたいだったね』


M田

『本当に怖かった、私は助かったけどマネージャーが…』


A

『……』



昨夜のM田の横の遺体はM田のマネージャーだったようだ


しかし、Aは不謹慎ながらあることに気づいてしまった



M田とふたりきりであるということを



Aはこのような状況にも関わらず興奮し

光はそれに呼応し大きくなり始めた


M田はマネージャーを思い出してなのか泣き始めた


AはM田を慰めなければ顔を見た


ヤバイ、かわいい


Aの光はますます大きくなり、 とどまることを知らない


Aは意識を何とか保とうとする


しかし、またしても気づいてしまった




M田がノーブラだということを




Aの眼は見開き、鼻腔も広がり、 光は小刻みに揺れ始めた


光の半径は、昨日の1.5倍はありそうだ このままじゃまずいと思いAは

話しを変えようとした

『妊娠したって話本当なの?』


M田は黙って頷く


A

『本当なんだ… 相手は?』


M田

『……』



なかなか答えてくれない




M田

『誰だかわかんないの』


AはM田の相手がわからないこと

アイドルなのにテレビの裏では派手に遊んでいたことに胸が苦しんだ


M田は潤んだ眼でAを見ている


Aは悲しい気持ちとは裏腹に

この女ただのスケベエではないのか?

という気持ちも生まれた



Aは想像した夜な夜な遊びふける M田の姿を!



光の震えはさらに激しくなった


M田の胸が見たい


Aはもう我慢できなかった




Aの視線がM田の胸にいくと同時に


光は収縮し、M田を貫いた!



M田は消滅してしまった!!




Aは思わず叫んでしまった


『えーーーーーーー』


Aは光を放出した脱力感とM田を消したショックで意識が薄れていく

だがこのままここにいれば、刑事にM田がいないことを聞かれても上手く説明できない



あとあと疑われることは間違いないと思い

Aは病院をこっそり抜け出した





   3  第三の目覚め




Aは自宅のベッドで目覚めた


病院から抜け出し自宅に帰り

すぐに倒れるように寝た


鬼がいたこと昨日起こったことなど気持ちを整理しようとお湯を沸かしコーヒーを飲んだ


テレビをつけると例のアナウンサーが興奮しながらAがいた病院前からレポートをしていた



『おととい秋葉原の公園でバラバラ事件が発生し

その場にTKBのM田さんがいたという事がわかりました!

しかし、そのM田さんが突如、入院先のこの病院からいなくなったとのことです!』


アナウンサーは、自分が取り扱っている事件が大きくなり

眼がイキイキしていた


AはM田を消してしまったことをすごく悔やんだ


3年前Aは田舎の北海道にいた

Aは自分を表現するのが苦手だ

高校を卒業して大学に行ける学力もなかった

働こうにも面接するたびに自己PRや志望動機もうまく言えない自分がいた

Aは自己嫌悪に陥った


そんな時TKBのM田を初めてインターネットのGuutubeで見た

M田はアイドルグループのリーダーながらも自分を表現するのが苦手だ

それでも、彼女はひたむきながらも一生懸命歌を歌い

ファンへの感謝への気持ちを自分の言葉で伝えていた


一生懸命にしている姿を見てAは胸を打たれた


AはMを応援したい、また自分を変えたいと思い東京へ出てきた

M田を応援するため秋葉原のTKB劇場へ足を運んだ

M田が一生懸命歌っている姿は美しかった


自分と似ているM田の頑張っている姿を見て励みにしつつも

Aは働くこともしなかった


Aは親に仕送りをもらい3年過ごした


AがしていることといえばM田を想い

性欲を自分一人で吐き出すことだけだった



そんな日が何日も続き、Aは死にたいと思ってきた

Aは部屋で首を吊ろうと思い、柱にロープをかけた

ロープに首をかけようとした時、壁のポスターのM田と目があった

これから死のうと思っていたAだがなぜだかAは勃起した

そのとき、股間から光が出ていることに気づいた


Aは光を不思議に思い、またポスターのM田の笑顔に癒され

死ぬことをやめた




AはM田を消した不思議な光について考えることにした


光は興奮するとつまり勃起すると大きくなり

限界が来る(射精状態になる)と発射されるのだと思った


Aはショックだった


大好きなM田がいなくなった理由のすべてが

自分にある事を悔やんだ




さらに次に流れたニュースがAの心を動揺させた




『渋谷で大量バラバラ殺人事件が起き、

被害者は5人とみられています!

ここ3ヶ月でバラバラ事件は10件目被害者は合わせて14人にもなっています』


Aは自分が倒した鬼以外にも何かがいると反射的に察した


しかも、その何かは5人も殺す凶悪な生き物だということを



Aはこの何かを倒すことがM田への償いになるのではと考えた



いや償いになるに違いないそう思うことで自分を納得させた







    4 償い




Aは家のパソコンでインターネットをしている


何かは昨日渋谷で犯行を行った

その手がかりが現場にあるかもしれないからだ

パソコンで場所を調べた



《代々木公園》

そこで虐殺が行われていた


夜10時に公園を散歩中の住民が遺体を発見したことや

警察が駆けつけたあと、あたりは多くの野次馬が集まったことがわかった


Aは現場にいけば目撃者がいるかも知れないと思い、渋谷に向かった

渋谷についてお腹が空いていたので洋食屋に行ってハンバーグ定食を注文した

この店のハンバーグは国産の良い肉を使っていてる

ラグビーボールのような形をしていてボリュームもありナイフを通すと肉汁が溢れてくる

とてもジューシーでおいしい


店を出て、代々木公園に着いた時、夕方になっていた

代々木公園は桜の木が多くあり、林のようになっている部分もあった

公園の中央付近に歩いて行くと規制線が張られていた

そこで警察が現場で鑑識を行っていた


その様子を住民やマスコミが眺めていた

中には公園に住んでいると思われる浮浪者らしき人もいた

Aは浮浪者たちが仲間内で情報のネットワークが広いのではないかと思い、その中の一人に声をかけた


野球帽をかぶり、あごには長いひげをのばし、黒いダウンジャケットを着ていた


Aは

『何があったんですか?』

と声をかけた


浮浪者と思われる人

『さ、殺人事件、バラバラ事件、 昨日はもー凄かったよー、あたり一面血の海だよ』

『人も多く集まって大変だったよー』


A

『犯人を見た人はいないんですかー』


浮浪者と思われる人

『さー知ってる限りはおらんなー』


Aは犯人を見た人がいないなら、 現場をよく見ようと思い辺りを観察した


人通りの少ない公園、薄暗い場所

秋葉原の公園と共通点もある

そういう場所に何かは出るのだとAは思った


辺りは薄暗くなって来た 鑑識は引き上げ、見張りの警察官が何人か残っていた


Aは警察官のスキをみて規制線の中に入れないか考えていた

Aは喫煙所でタバコを吸い、少し待つことにした

公園に来てから頭痛がひどい

頭を触ると少し腫れていた


現場に戻ると警察官の姿は見当たらないAはシメたと思った

人目につかない場所から規制線をくぐって中に入って行った


林を中を進んで行くと、帽子が落ちていた


その先に靴も落ちていた




靴ではない



落ちているのは




人の足だった


さらに進むといなくなった


警察官の無惨な死体もあった


Aはすぐ近くに何かがいる


そう感じた時、頭に衝撃が走った


Aはその場に倒れ込んだ


後ろを振り返ると鬼が立っていた

前に見た鬼よりも大きい、2メール近くはある


脳天に強烈な一撃をくらったAは早く逃げないとヤられると思った

前のときのように光は出ない 這いつくばるようにして鬼から離れた


鬼の方を見た


『ヴォーーー』


大きな唸り声をあげている


唸り声を聞き一人の警察官が駆けつけてきた

鬼を見て唖然としている


Aはその間に、光を出そうとなにかネタをさがした

M田のパンチラを思い出そうとした しかし光は出ない

興奮が足りないのだ


警察官は腰に着けた拳銃に手をかけた

鬼は素早く警察官に距離を詰め寄り、長く尖った爪で警察官の腕を切り落とした

警察官は痛みで動揺しながらも 正義感からか鬼にタックルをした


AはM田の顔や胸を思い出そうとした、しかし焦りからかはっきりと思い出せず、光は出ない


『ギャーー』 警察官の悲鳴が聞こえる


しかしそれどころではない

はやく勃たせないと、もとい光を拡大させないと命があぶない

しかしネタがない


鬼の方を見る 警官はすでに絶命している


次は自分の番だ

Aはそう思った


その時、近くの茂みに本が落ちているのが見えた


近寄るとそれは


雨風に打たれヨレヨレになった エロ本だった


Aはエロ本を手に取りページをめくる

Aの股間から光が出始めた


ページをめくる

光は拡大する


鬼が雄叫びをあげた


Aは久しぶりにエロ本を見た

インターネットで動画が無料で見られる時代だ


ページをめくる

好きなページで手をとめる


それがいいのだ インターネットにはないアナログ感だ

光はさらに拡大した半径1メートルくらいの大きさになった

だがこの鬼にはまだ効かないと思った

前の鬼よりデカいからだ


Aはページをめくる手を止めた

そこには、袋とじがついていた

ハサミは無い 綺麗には袋とじを開けれない

くやしいが手で破いていった


袋とじ

中学生の頃コンビニで情報誌の袋とじを切らずに上から覗いてみたり、下から覗いてみたのを思い出す


懐かしい思い出も光を大きくさせた

袋とじの最後のページが来ると 光は振動を始めた


『ヴォーーーー』

鬼は雄叫びをあげながら駆け寄ってきた


Aも雄叫びをあげた

『イグーーーー』


Aと鬼の雄叫びは入り交じった


そしてAの光は鬼の胸を貫き鬼を消し去った



Aは薄れゆく意識の中、公園を後にした


家につき、Aは鬼を倒したことでM田へ償いに少しはなったのでないかと思いながら、眠りに落ちた


    



   5 最後の目覚め




次の日の朝Aが目覚めた時、Aの身体は光に包まれていた


Aが朝勃ちしているからだ

頭がひどく痛い


Aは部屋を見渡した

壁一面にM田のポスターが貼ってある


しかしAはそれが誰だか思い出せない


それよりもAはお腹が減っていた

お腹いっぱいに肉が食べたかった


頭はさらに痛くなる

意識がなくなりそうだ



Aは外へ行く準備のため洗面所に行く



鏡に映ったAの頭にはツノが生えていた


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