刑事から探偵へ
爆弾事件から10年が経った。
俺、洞木亮平は警察を辞め探偵に転職した。
依頼はそれなりに来てる方だと思う。
「まさか警察辞めて探偵になるなんてな」
なんて考えている時、インターホンが鳴る。
「まだ営業時間じゃないぞ。誰だよこんな早くに」
「久しぶり!亮平」
「久しぶり!───じゃねぇよ!何しなきたんだ友坂」
こいつは友坂、警察時代の同僚だ。
「それで、要件はなんだ?」
「要件がないと来ちゃいけないのかよ」
「忙しいんだ。要件が無いなら帰ってくれ」
「要件ならある───10年前の爆弾事件のことだ」
「なんだと?」
10年前の爆弾事件、今まで地道に調べていた事件だ。忘れるはずがない。
「あの時のこと、まだ覚えてるか?」
「忘れるはずがない。捜査は後手に周り相棒を失った」
「俺も独自であの事件を調べてたんだが、おかしなことに気付いたんだ」
「おかしなこと?」
「情報分析官いただろ?」
「いたな。それがどうかしたのか?」
「女の方の情報分析官、郷中なんだがデータベース上に存在しないんだ」
「つまり、偽名ってことか?」
「そういうことだ」
「そいつ、怪しいな。今、郷中がどの部署にいるか調べられるか?」
「たぶん、警察を辞めてる」
「なぁ。戻ってこないか?警察に」
「俺は一度辞めた身だ。戻れないだろ」
「なら、探偵として来てくれればいい」
「なら、せめて上司に掛け合ってくれないか?」
「実は、新しく新設されるチームがあるんだ。そのチームに入って欲しい。俺が班長だ」
「入るよ」
「そう言って貰えて嬉しいよ」
「あの事件を解決するためだ」
「いや、実は事件を解決するだけじゃダメなんだ」
「他に何かあるのか?」
「裏にいる組織を潰さないといけない」
「組織?」
「メンバー、組織の名前、幹部、ボスは誰なのか何一つ知られていない」
「つまり、ベールが張られてるってことか」
「そういうことだ。とりあえず、明日また来るからその時、一緒に来てもらうぞ」
「分かった。準備しておく」