当世SNS事情
現代のコミュ障は、SNSとどう向き合っているのだろうか?
私はSNSをまったく利用していない。そのため、ツイッターやインスタグラムを話題にした会話についていけない。そもそも、ツイッターとフェイスブック、インスタグラムの違いすらよく分からない。いや、待て、今は「ツイッター」ではなく「X」という名前だったか……。
ここで、そもそも「SNS」とは何なのかを考えてみる。私自身、その定義をよく知らなかったが、調べてみると「インターネット上で不特定多数と交流できるサービス」らしい。ここで重要なのは「不特定多数」という点だ。LINEもこの定義には当てはまるが、この場では「SNS」に含めないことにする。さしもの、私もLINEくらいは使っている。
コミュ障の私からすると、SNSは窮屈で面倒なツールに思えてならない。発信せずに見るだけならともかく、SNSは基本的に双方向のやり取りが前提だ。他人の何気ない投稿に反応するのも気が引けるし、発信すれば炎上のリスクもある。見ず知らずの人々の目に触れ、批判される可能性があるのだ。そもそも、私生活を不特定多数に晒し、それが半永久的に残るというのはどうなのだろうか?
SNSを使ったこともないのに、憶測で語るなという批判は甘んじて受け入れる。ただ、昨今のニュースを見ていると、SNSの負の側面ばかりが報道されていると感じる。闇バイトの勧誘、誹謗中傷、投資詐欺、児童の性被害、SNS依存症……。ニュースを見ていると、SNSがあらゆる犯罪の温床であるかのような錯覚すら覚える。
ニュースによって、SNSが「有害で無意味なもの」という印象を刷り込まれているのだろう。SNSを使わない私のような人間ほど、こうした印象を強く抱く。おそらく、70~80代の老人と私は、SNSに対して似たような認識を持っているに違いない。
結局、私がSNSを使わないのは、コミュ障だからだ。コミュ障とは、人とのつながりをわずらわしく感じる性質を持つ人間のことだ。もともとそうだったわけではないが、幼少期からコミュニケーションに苦手意識を持ち続けた結果、自然とそのような性質が身についたのだろう。
リアルなコミュニケーションすら億劫な私が、わざわざSNSで見ず知らずの他人と関わる理由はどこにもない。