9/10
決意
今年もクリスマスの日がやって来た。
奈美子と夜景が綺麗な山頂へジムニーでやって来た。
「恋人はサンマルジムニー!赤いサンマル」
と歌う翔太郎。
奈美子は助手席で笑いながら言った。
「本当に、サンマルジムニーと一緒に過ごすクリスマスなんて、誰が想像しただろうね。」
翔太郎も笑いながら応えた。
「そうだな。でも、このジムニーがなかったら、こんな素敵な場所で奈美子と一緒に過ごせなかったかもしれない。」
奈美子は窓の外に目をやり、遠くに見える夜景にうっとりとした表情を浮かべた。
「確かに。翔太郎、ありがとうね。この場所、本当に素敵。」
翔太郎は少し照れくさそうに微笑んだ。
「いや、こちらこそありがとう。奈美子が一緒にいてくれるから、この場所が特別なんだ。」
奈美子は翔太郎の言葉に頬を赤らめ、そっと彼の手を握った。
「メリークリスマス、翔太郎。」
「メリークリスマス、奈美子。」
翔太郎も手を握り返し、二人は静かに夜景を見つめながら、クリスマスの夜を共有した。
その瞬間、翔太郎は過去の傷が完全に癒えたことを感じ、奈美子との未来に希望を抱いていた。