奈美子
翔太郎は奈美子からジムニーの事で質問されていた。
「翔太郎は、何故サンマルジムニーなの?」
「サンマルとの出会いは、去年のクリスマス前に彼女にフラレたばかりで、街を彷徨うように歩き続けていたら一軒の中古車販売店が目に止まったんだ。その店のショールームにコイツがいたんだ。なんだか運命の人に出会ったみたいでさ。衝動買いしてしまったんだ」
「そうなんだ。このジムニーは翔太郎の恋人みたいだね。あたしのジムニーは…」
奈美子は少し照れくさそうに笑いながら続けた。
「…私のジムニーは、父がずっと大事にしていたものでね。父が旅立つ前に、『これでたくさんの冒険をして、たくさんの友達を作れ』って言ってくれたんだ。だから、私にとっても特別な存在なの」
翔太郎は奈美子の話を聞いて、少し感動した表情を見せた。
「なるほど、だから奈美子もジムニーが好きなんだね。俺たち、それぞれに特別な思い出があるんだな」
「うん、そうだね。でも、今こうして一緒に新しい思い出を作れているのが一番嬉しいよ」
翔太郎は笑顔でうなずいた。「そうだな。これからもたくさんの冒険をしよう。そして、新しい思い出をいっぱい作ろう」
奈美子も微笑み返し、二人はジムニーに乗り込んで、再び仲間たちと合流するためにエンジンをかけた。これから先、どんな冒険が待っているのか、二人とも胸を躍らせながら新たな一歩を踏み出した。