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夢を求めて、異世界転生。  作者: したのまちS
3/8

魔法は、色んな意味でとても大切だ。

初めまして、作者です。まず最初にこの投稿までに半年くらい掛かってしまい申し訳ありませんでした!

特に理由はなく、ただサボっていただけで楽しみにしていた人がいたら本当に申し訳ないです。(全く話が進んでないのにそう思ってくれる人がいるのかは分かりませんが)やはりいつまでに作ると目標を決めないとサボってしまう性質だと改めて気づいたので、これからは一ヶ月に1投稿を目指そうと思います。一ヶ月なのは普段忙しかったりそうじゃなかったりするので余裕を持ってのことです。そういうことで、本文の方も読んでいただけると幸いです。

魔法を学ぶため大樹の中にある図書室にやって来た。

しかしどこにあるか分からないので、何かの本を読んでいる司書さんっぽい人に魔本に関する本があるか聞いてみた。

「…すみません。魔術について書かれた本ってどこにあるかわかりますか?」

「……。」

(あれ?)

無視された…いや、聞こえてない?本に夢中になっているのだろうか?とにかくもう一度。

「あの〜すみません。」

「…ふぇ?あ、は、はい、何でしょうか?」

よかった。どうやら無視されたわけではない様子だ。

「あの、魔術について書いてある本って、どこにありますか?」

「は、はい!…えと、その、」

…どうやら人見知りらしい、明らかに動揺している。まあ、この村の人たちは『筋肉は全てを解決する』とかいう人ばかりだし、図書館なんて来ないだろうからしょうがないだろう。

(…それだけではないと思うけど。)

「あの、こ、これをっ!……ドウゾ」

「…え?」

司書さんはそう言いながら何と、自分の読んでいた本を渡して来た。ぱっと見、絵本の様だが?

「こ、これは?」

「ま、魔術の本…デス」

「い、いいの?さっきまで読んでたみたいだけど。」

「えと、その、これが一番…分かりやすい…カラ」

おお、何て親切なんだろう!俺も見習いたい。

「それじゃ、ありがたく借りるとするよ。…ありがとう。」

「ウ、ウン…ドウイタシマシテ」

そうして司書さんから借りた本を借りて読むことにした。さて、どんな内容なのだろう?



 読みました。感想は…。

「面白いっ!」

(分かりやすく、そして丁寧なイラスト付き!素晴らしい。これ以上の教材は無い!)

おっと、思わず興奮してしまった。…落ち着こう。

「…ふう。」

さてと、忘れる前にまとめてみよう。

 この本によれば魔術はほぼ酸素と同じで、植物が光合成する事で発生する。生物は呼吸器官からそれらを体内に入れる事で魔力を獲得するのだという。

(魔力をつくための器官がある場合もあるが)

使用方法は頭でイメージするだけ、普通の人はそれで出来るのだが、イメージするのが苦手な人やイメージできてもそもそもの才能がないから使えない人もいるとのことだった。

後は魔法を属性別に分けたページが印象的だった。

炎、水、風、土、雷、光、闇……

そして無……。

最初の7つは見ての通りだが、無という属性は特に興味深かった。魔法の適性のあるものは誰でも使えるのに、まだ誰もそれが何なのか解明されていない。

(いや〜、色々しれて良い勉強になった。)

だが、

「……魔法の使い方が分からない。」

書いていなかった。多分この世界では常識過ぎてわざわざ書か必要がないのだろう。

(本を読まなくても誰かが教えてくれるってわけか。)

う〜ん……。

「あっ。」

ちょうどよく知っていそうな人物がいるじゃないか。しかも目の前に。




「貸してくれてありがとう。この本、とても面白かったよ。」

そう、この本を貸してくれた司書さん。彼女なら教えてくれるに違いない。押しに弱そうだし。

「う、うん。ドウイタシマシテ……。」

「それで、本を貸してもらったのに申し訳ないんだけど、魔法の使い方も教えてくれないかな?」

「え」

「実は、魔法をどうやったら使えるのか分からなくて…、教えてくれるかな?」

「………。」

あ、あれ?固まってしまったぞ?……やっぱりダメか?

「……魔法を使いたい?」

おや、これは…!

「う、うん。そうなんだ。」

「……本当に?」

「うん、本当に。」

「…………。」

う、急に黙られると何だか緊張するな…、でも多分……。

「えっと、……うん、教えてあげる。」

よし!

「ありがとう!たすか…」

「でも、何で?」

え?

(え?)

 「え?」

「何で…、使いたいの?」

……あーそういうことか、この村の人達脳筋な人多いもんなぁ……。[魔法よりも筋肉だ!]って人ばっかで、魔法を覚えようなんて人がいないから珍しいんだな。…ま、ここはちゃんと本心で答えよう。

「まぁ、カッコいいから?」

「カッコいい…?」

「うん、魔法も……、それが使えるのもカッコいいって思うから、かな?」

「……そっか。うん…、分かった。…ありがとう。」

「こっちこそ、色々とありがとう。本当に助かるよ。」

さて、これで魔法が使えるようになるッ!楽しみだなぁ…。



「あれ?」

「…」

「も、もしかしたら…使えない体質なの、かも…。」

ははは。

「…さいですか。」

ダメでした。基本の身体強化も簡単な魔法も打てなかった。……どうやら、俺には才能が無い様だ。

「…ふぅ。」

し、仕方ない。諦め、よう。……ぐぬぬ。

「…すみません。」

「え?いや、君が謝らなくても良いんだよ。こればっかりは本人の才能次第だから。」

う〜ん。別に彼女が負い目を感じる事では無いんだけど、申し訳ないって顔をしている。…どうしたものか。

「……まぁ、本を貸してもらっただけでも十分助かったし、使えないからといって知識が役に立たないわけじゃない。たから、そんな気にしなくても良いよ。」

「で、ても…。」

「出来ないことを無理矢理やろうとするんじゃなく、出来る範囲でやれることをする。大事なのは今何が出来るかだからね。…それに、いつか出来るかも?しれないし。」

「…分かりました。」

よし!コレでOK。…さて、ここでやれることも少なくなったし。

「……そろそろ出るか。」

「…え。」

「ん…?ああ、そろそろ村を出ようかなと考えていてね。」

「…なんで。」

…こんな聞いてくるなんて、誰かが村を出るのは珍しいのかな?

「そりゃ、世界は広いから色々みてみたいってのが理由かな。せっかくの一度きりの人生だ。やっぱり冒険しないとね。」

後、気になることもあるし。

「…そう。」

…納得してくれたかな?…旅の支度、始めないとなぁ、めんどくさい。

「あ、あの…ッ!」

「ん?」

なんだろう?

「わ、私も…。連れて行って…、欲しい…デス。」

……おやまぁ、コレは予想外。

「う〜ん…。」

まぁ、いいか。別に。何か減るわけでも無いし。

「いいよ。」

「え?い、良いの?」

「うん、別に減るもんじゃ無いし。それに…。」

「1人より2人。その方が楽しそうじゃない?旅は道連れ世は情け、人との出会いは一期一会、だからね。」

(…本当は、昔見たあの映画の主人公に似ている気がしたからなんだけど。…まぁ、言っても分からないだろうしね。)

今更ながら思い出した、あの時した誓い。

俺の、夢を教えてくれたあの映画。

種族特有の白から緑へグラデーションしている髪を長く伸ばして、幼げながら真剣な顔の彼女。実際は全然似ていないのに、不思議とそう思った。なんとも言えない、不思議な気持ちが胸に広がる。

(もしかしたら、そんな夢を叶えるためにここに来たのかもなぁ。)

ふと、こんなことが頭によぎった。

(ま、そんなことはないだろうけどね。)

「あ、そういえばお互い名前名乗ってなかったね。」

「…あ、確かに。」

「ふふ、……俺の名前は…シン。よろしく。」

「私はマナ。…こちらこそ、よろしく。」

こうして、司書さんこと彼女…マナさんと共に世界へ旅立つことになった。

「あ、…そういえばいつ、出発するの?」

「あ〜、考えてなかった。どうしよう?」

「……え〜。」



そうして、なんやかんやありつつ出発の時が来た。

「うわぁ、みんな集まってるや。」

村のみんなが一斉に村の入り口に集まっていた。

「おや、ようやく主役のご登場かい?まったく、いきなり旅に出るなんて言い出した時は本当にびっくりしたけど、頑張んなさい!」

「たまには帰ってこいよぉー!お前はもう家族みたいなもんだからなぁー!」

「お土産、期待してるぞー!」

(…ずいぶんと、好かれたもんだなぁ。)

おや、彼女ももう来ているみたいだ。

「…遅い、…やっと来た。」

「いや、約束より少し前に来たつもりなんだけどなぁ。」

「…うん、でもみんなもう集まってたよ。……本当に好かれてるんだね。」

「……まぁ、ね。」

そんなことを話していると、1人の老人がやって来た。…なんだか久しぶりに見る気がするが、我が師匠だ。

「…行くのじゃな。」

「ええ、……本当にお世話になりました。」

「良い良い……、マナ、お主も行くのじゃな。」

「……うん。……やりたいことが、あるから。」

「…そうか。では元気でな。」

一見すると普通の別れの挨拶だが、実はマナさんは師匠の娘らしくつい先日まで泣き喚いていた。

(…あんな姿はみたくなかった…。)

まあ、親ならば子供がそばに居なくなるのは悲しいものだろうし、仕方ないのだが。

「……そうそう行くか。」

「…うん。」

「じゃ、みんな。さよなら!また暇があったらお土産持って戻ってくるよ。」

こうして別れを告げながら、俺たちは旅に出る。

「「さようならーー!」」

そんな声を背に向けながら。

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