魔法を鍛えよう
あの白兎と強敵灰色兎を撃破して、私のレベルが上がり、我が拠点へと戻り私は兎たちと戦ったお陰で程良く疲れて、ぐっすりと眠った。
そして次の日。
目覚めた私は、1つの決意を固めた!
「レベルアップして魔法強くしよう!」
さて、そうと決まればすぐに行動に起こそう。兎相手にずっと魔法を使ったりしていれば、レベルがあがるのではなかろうか。
ならば、今すぐにでも兎探索に向かいたいが、まずはこの静かな森に鳴り響く程の音量で鳴くこの腹の虫を収めるべきだろう。
昨日狩った兎肉は保存環境なんて物は無かったので、蠅やらなんやらが纏わり付いていてとても食べれそうには無い。
だが、そんな中でも朗報だったのは腐肉に夢中で齧り付く兎が居ることだろう。
あれ、ホントにこっち気付いてなかったり?
口周りには血を滴らせ、骨ごとゴリゴリと噛み砕き嚥下していく兎。色が赤なので赤兎と呼ぼう。
ガツガツと肉を貪り喰らう赤兎の首に微風を三発撃ち、命を刈り取る。
ボトリと落ちた頭部は少し離れた所に置いて兎寄せにしておく。
木の枝に蔦を巻き付けてそこに頭部の無い兎の胴体の脚を縛って吊るし、血抜きを行う。その間に風壁の性能を確認していこうと思う。
「風壁」
手を地面につき、魔力を大地に巡らせる。
元々含まれていた膨大な魔力の一部を利用して魔方陣の形を作る。
そこに風属性を帯びた魔力を流し込み、魔方陣を色づけていく。
色付いた魔方陣から光が溢れ出す。
そうして、私の前方に、扇状に風が広がったと思えば、恐らく風壁があるであろう場所に存在していた木が、横真っ二つに割れていた。
風壁の大きさは縦3m程横2m程の分厚い壁で、その壁の全体では風が渦巻いており、触れた物を削り取っているようだった。
また、微風の魔力消費が3なのに対して、この性能で消費魔力は5という破格な性能。
これなら、他の静電気やまだ使った事の無い発火の進化形も性能の大幅な向上がされているだろう。
一通り魔法の検証をして振り返ると、どうやら既に血抜きは完了していたらしく、大きな血溜まりが作られていた。
今回の調理方法はどうしようか。
前回は魔力を流してよく分からない原理で発火し焼いたが、今回は魔法の検証も兼ねて発火を使ってみようか。
よし、発火を使おう。
そうと決めれば、すぐにでも火が燃え移らないような場所に向かおう。あの滝のところとか良いかも。
私は、少し小走りに滝の方へと向かった…
滝に着いて、周囲の草等を毟って火が燃え移らないように対策した後、草を皿のようにして、その上に肉を置く。
そして、風壁を使って草をコーティングし、燃えないようにすれば準備は完了だ。
「発火」
私の人差し指に小さな魔方陣が浮かび上がり、周囲の魔力と私の魔力を吸い上げて、赤みを帯びる。
やがてそこから小さな小さな火が生まれ、周囲の酸素や魔力を食って勢いを付ける。
それを草の下に敷いて、フライパンのようにすれば後は待つだけ。
生存知識様の仰せの通りに行動した。