エリー『責められるより、焦らされたいのか??』
とりあえず乾杯は村名産のワイン。色が独特だがそれっぽい。味は中々、馬鹿舌なもんでよく分からないが美味しいのだろう。
食事もシュトーレ村の名物だそうだ。これは牛肉にデミグラスソース?添え物にはフライドポテトと焼いたチェリー。合うのか…?
ビクターはやはり村娘なんかと戯れており、こちらには目もくれない。
俺の卓にはエリーさんとチェルシーさん、3人でしっぽりと飲むことになった。
「私は君に聞きたい事が沢山あるんだ、でも。いきなり攻めるのは良くないだろ…?」
「どちらかと言うと焦らされたいタイプですかね、ははは。」
「アンタ達何言ってんの?まだ一杯も飲み切ってないのに卑猥な話するなんて、呆れるわ全く。」
「いや別に卑猥な話はしてないですよ?!…エリーさんも気まずそうにしないでください!あー、そう言えばこの肉って牛とかですか?」
「これはさっき私達で討伐したモケーレムベンベの肉だ。」
「…えっ。」
モケーレムベンベって何だよ、てかさっき倒したのに誰がこの村まで肉持ってきて解体して調理したんだ?ツッコミどころしかないがそう言うことにしておこう。
恐る恐る口にすると、これが意外に美味い。昔修学旅行で外国に行った時食べた肉みたいなパサパサ感と硬さはあるが名前の割に美味い。
ステーキじゃなくて他の調理法ならもっと味が引き立つんじゃないかな。
「私はモケーレムベンベより鶏肉の方が好き、柔らかさが断然違うわ」
「えー!そりゃそうですよ!俺だって鶏肉の方が良いです。ってか比べては行けない気がします!」
「アルテミスは鶏肉派か…、私は君と一緒に倒したモケーレムベンベの肉の方が好きだ…。」
「お…っと?なんかすいません、ビクターさんみたいに気の利いた事言えなくて…。」
「良いんだ、…気にするな。…まだ酔うには早かったな!もっと飲もうか!」
エリーは残りのワインを一気にグイと飲み干す、俺はワイングラスがいつ割れるかとヒヤヒヤしていたが、次の瞬間予想通りパリーンという音を響かせワイングラスは地面で変わり果て無惨な姿になっていた。
「おっと、ポーションの空き瓶を割るいつもの癖で。すまない。」
今から嫌な予感しかしない飲み会の開幕だ。