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「だ、大丈夫…です!私も、強くなりたくて、この学園に入学して来ましたから」



本来、学校とは力を伸ばすもの。

ヨウナや他特殊枠、冒険者では無かった者達も、見込みや素質が有り入学を認められた生徒もいる。


「そっか。頑張ってね」

実戦では無く、特訓なので、そんなに危険も無いだろう。

授業だし。と、ルナマリアはヨウナにエールを送った。



「ルナマリア君!君はこっちだぞ!」

「え?」

そのまま、魔法使いである自分は関係無いな。と、魔法使いや僧侶の方に向かおうとした所で、カザンから待ったがかかった。



「カザン先生、私は魔法使いです」

「知っているぞ!」

「なら何故…」

「ルナマリア君は問題無く!魔法で接近戦を戦える実力を持っているし!皆に魔法使いとの対戦での良い練習になるだろう!」



(まさか人を実験台にでもする気か……)



清々しい笑顔で言い切るカザンの台詞に、全く納得のいかないルナマリア。



「私はモモ先生から、魔法を学びたいんですけど…」

モモは、自分が知らない様々な魔法を知っている。

純粋に興味があるし、モノにしたい。


「ふふ。光栄だけどぉ、今日はただの基礎をするつもりだしぃ、私は教えないわよん。それに、ルナマリアちゃんには、交互に授業に出て貰うつもりだから、安心して」


武術と魔法の両方?

それはそれで、何か凄くしんどい事を言われてる気がする。


「……お断りする事は?」

「無理ねん」

即答で断られ、肩を落とす。


「ルナマリア君には、聖女からの贈り物があるしな!」

「聖女ーーヨウナの?」


ルナマリアは、前回、ヨウナから聖女からの贈り物を授かり、聖なる力、援護する結晶を与えられた。

物理攻撃の無いルナマリアにとって、ルナマリアが敵と識別をしたものを物理的に攻撃してくれる、とても便利な力。


「まさか…あれを物理攻撃の1種とカウントされました?」

「うむ!」


神聖なる聖女の力が、こんな所で足枷になってしまうとはー。

どうしても体を動かす授業よりも、魔法の授業に出たかったルナマリアは、再度、ガックリと肩を落とした。





「ルナマリア、大丈夫か?」

「うん、平気」

落ち込んでいた様に見えたルナマリアを心配してフランが声をかけてくれたが、ルナマリアは既に気持ちを持ち直していた。


「ヨウナを守らないといけないしねー」


(攻略対象と同じ授業とか心底避けたかった所だけどね!)

持ち直したが、まだ文句はある。


「…嫌々だな」

笑顔の中にある悲しみを、フランはきちんと感じ取った。





「よし!では!各自武器を取れ!」

カザンの合図で、生徒全員、武器を鞘から出し、準備をする。



「ルナマリアちゃん、祈るよ」

ヨウナが、ルナマリアの所まで来ると、祈りを捧げようと両手を組む。

「ううん。今はいいよ」

そんなヨウナを、ルナマリアは止めた。

「えっと…いいの?」

「タマにヨウナの力を見せたくない」



特別な力を目の当たりにしたら、もっと本気で、ヨウナを自分の物にしようと躍起になるのが目に見えている。


カザンは勝手に聖女の力ーー7色の結晶をルナマリアの物理攻撃に認定したが、魔法での接近戦の対処能力も支持してくれたのだから、7色の結晶を使う、使わないは、私の意思に任せてもらう。



チラリとタマを覗くと、案の定、私と、ヨウナの様子を、薄ら笑いを浮かべたタマが伺っている。



「ヨウナは私の心配しないで、授業、頑張って」


(将来的に魔王を倒して貰わないといけないので!!)

優しい笑顔の裏の心の副音声。



「ルナマリアちゃん……ありがとう…!」

自分を純粋に打算無く応援してくれていると信じて疑っていないヨウナは、ルナマリアに深く感謝した。



「……嘘臭いと思うのは俺だけか?」

「安心してフラン。僕も思うよ」

傍から2人の様子を見ていたフランと瑞月(みづき)は、ルナマリアの副音声を感じ取った。





「えいよー」

守護魔法(ゲートオープン)


2人1組となり、互いの武器を交わす。

ルナマリアは、前回で対戦した暗殺者のイマルとペアになって、イマルの武器である銃の弾を防いでいた。



「いやー遠慮無く撃ててえーなぁ」

ルナマリアが守護魔法で身を守っているので、遠慮無くイマルはルナマリアに向かい銃を発砲していた。

腕、足、背中、腹部、胸に、頭までーー好きな所に撃ちまくる。



「当たったら死ぬよ?」

「防いでくれますやーん」

言っている間にも、イマルの撃った銃弾が、ルナマリアの顔の前で光に阻まれ、止まる。



「反撃して良い?」

「あかんあかん。これは物理攻撃の授業やから、魔法での攻撃はNGやでー」

原則魔法が禁止とされる中、魔法での防御は認められたが、攻撃魔法の使用は禁止されている。




「反撃したいなら、ヨウナはんの力を使うしかありまへんで」

「むー」

同じクラスメイトなのだから、タマが聖女を狙っていて、その為に聖女の力を見せたく無い事を、イマルは理解している。

その上で、使うしか無いと言ってくるイマルに、ルナマリアはぷくーと頬を膨らませた。



「イマルはヨウナの力に興味無いんだね」

他のクラスメイト達は、皆ヨウナ、聖女の力に興味津々だった。



「そんなん、わいだけやあらへんやろーガンダルのおっさんも興味無さそうやし、あんはんの周りのイケメン君達も、揃って興味無さそうやんか」

「何言ってるの。フラン達は興味津々だよ」



何しろ、攻略対象達は揃ってヨウナを奪い合うような関係なのだ。



「そーかぁ?寧ろ、皆ルナマリアはんのほーに夢中になってるように見えるけどなぁ」

「毎日血塗れの戦いを繰り広げていてもおかしくないよ」

ハッキリと真剣な表情で言い切る。

「どこをどー見たら、ルナマリアはんにはそー見えんの?」








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