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タマ学園へ83






大切な事なので何度も言うが、このゲームは最低最悪のクソゲーと称させれた、攻略対象が残念イケメンで、ときめく要素がほぼ無い、RPG要素の強い乙女ゲームである。

←意味不。



「はっは!俺様に逆らうからこうなるんだ!」


傷付けられ、横たわるフラン、ジュリアス、レン。


「さぁ!聖女!お前もこうなりたくなかったら、俺様の物になれ!」

そう言いながら、ヨウナの首に着けた首輪の紐を引っ張るタマ。


「痛っ」

痛みで顔を歪めるヨウナ。

タマは、そのまま、ヨウナの頭を押さえ付け、地面に擦り付けた。



「お前は俺のもんだ!俺の為に力を使い!俺の為だけに生きるんだ!分かったらーー忠誠の意味を込めて、この俺様の靴を今すぐ舐めて、綺麗にしろ!」



もう一度言います。タマは、攻略対象者です。

決して敵では有りません。


この顔面偏差値だけしか高くない、最低最悪のイケメンと、ヒロインは恋に落ちるのです。

←意味不。






***


遡る事、1か月前ーーー。




「はぁーい。皆、何となく知ってるんだろーけど、この子が砂丘の国ハロゲンの皇子、ベンジャルラレン=マグネシス=タマ=ハロゲンよん」


家来襲撃騒動から数日、予想通り教室にやって来たタマを、モモが紹介する。


「仲良くは出来ないと思うけど、皆仲良くねー」


モモも、教室で起こったタマの家来の騒動を知っているし、首都アールレンに来てからの過ごし方や、一切、今まで授業に出なかった姿勢からして、問題児である事は重々承知しており、皮肉たっぷりに生徒に告げた。


「ふん!仲良くなるつもりなど無い!俺様は、一国の皇子だぞ?!貴様等みたいな一般人とは、産まれも育ちも違う!仲良くなるなど、おこがましい!!」


「はーい。仲良くはなれないので、皆さんそのつもりでねーん」


流石、どんな問題児だろうと、優秀であれば入学出来るリアリテ学園の教師。

スルースキルが高い。


タマは、ズカズカと、1人、学園で用意されている机と椅子では無く、タマの為に用意された派手な装飾品のついた豪華な机、椅子に座った。

家来に用意させたのだろう。




(来たーーー!!!!)

ルナマリアは、タマの姿を確認し、頭を抱えた。


(実際見ると鳥肌がヤバい…!怖い!恐怖でしか無い!!)

他の攻略対象ーーフラン達は、ゲームとスチル絵が異なるのに、タマはまんまスチル絵と同じ。

だからこそ余計怖い!


数人の家来が廊下に待機しているのも怖い。


家来が起こした聖女無理矢理エスコート事件も有り、一様にタマに対して、クラスメイトの印象は良くない。

特にヨウナは、タマが教室に入って来てからと言うもの、顔色が悪く、少し体が震えている。


(無理も無い…ほんの少ししか口を開いていないが、もうヤバい奴だと分かる)

そんな相手に自分が狙われているのだから、恐怖にもなる。

俺様気質満載で、差別的。


(何でこれを攻略対象にしようとオモタ?)

ゲーム制作陣の意味が分からなさ過ぎて、最後カタコトになる。




「おい」

休み時間。


ルナマリアの席の前に来ると、タマは家来に言いつけ用意していた

汚水の入った水筒を、ルナマリアの頭に向かって傾けた。



ーーが、汚水はルナマリアの体に届く前に光に遮断され、逆にタマの体に汚水が跳ね返る。



「うわぁぁあ!!貴様っ!何をする!?」

「いや…先にして来たのそっちだし」

呆れながらルナマリアは返事をした。


前回も前々回も、ルナマリアは聖女を連れて行こうとするタマの家来の邪魔をした。

それはタマの耳にも入っているだろうし、プライドが高く、俺様なタマが、自分に逆らった筆頭のルナマリアを敵視するのは目に見えて分かる。


(何かされるだろーなーって思ってたら、随分古典的な手で来たな)

もっと酷い事をされる(暴力)と思い、念の為、守護魔法をかけていたので、気持ち的には拍子抜けしている。


「この俺様に泥水をかけるとはーー!!」

「だから、先に仕掛けたのはそっちね」

ルナマリア(こっち)がして来たみたいな感じで怒鳴られても、大変困る。

「底辺以下の女の分際でー!!」

タマはそう言うと、自身の武器である槍を取り、ルナマリアに向けた。

一気にざわめく教室。


「学園に来て一日目でこの騒動……凄いね、トラブルメーカーじゃん」

「トラーー?!何か分からんが!黙れ!俺様に話し掛ける事自体がおこがましい!!」


家来といいタマといい、怒りの沸点が大変低いらしい。

槍を勢い良くルナマリアに向かい突くと、守護の魔法の防壁が、歪む。


(流石、腐っても攻略対象)

元のスペックが高い。

何度目かの攻撃で、守護の防壁はバラバラと破れる。


「はっ!対した事ねぇな!」

「……」

「いいか?!貴様如き女が、俺様に逆らうな!俺様はいずれ砂丘の国の王になるべき選ばれし人間だ!貴様等とは格が違うんだよ!」

「……」

「どうした?!俺様の力に恐れおのいたか?!」

「……」


大きな声で叫ぶ様に話すタマと、それに対し、全て無言を貫くルナマリア。


「喋れや!!何俺様を無視してやがる?!」

「え?喋っていいの?俺様に話し掛ける事がおこがましいって言われたから、喋っちゃ駄目なのかと……」

数分前にタマに言われた事を守ったつもりなのだが、今度は正反対の事で怒られてしまい、ルナマリアはプクーと頬を膨らませた。


「タマ、我儘だなぁ」


「誰がタマだ!!馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇ!!」


ゲームのファンの間でも、名前が長過ぎると、タマと呼ばれていたので、ルナマリアにとってはタマ呼びが自然。


キーンコーンカーンコーン。

そうこうしている内に、休憩を終えるチャイムが鳴り響いた。



ガラッ。

「よし!皆揃っているか?!」

同時に、教師であるカザンも入室する。


「うむ!皆揃っているな!」







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