表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/103

82





やっぱり……ヒロインに全・任せは出来ない……。



自分がプレイヤーとしてヒロインを操っていたあの悲劇を、ヨウナに味合わせるのは、超過酷過ぎる!!!


(何とか、少しでもオブラートにルートに入れないか、画策してみよう)

一応こんな奴でも攻略対象者なので、ヨウナと魔王を倒す相手に選ばれるかも知れない!


誰を選んでも、どのルートでも、基本悲劇なので、避けて通れないのが辛い。

(今の所、ルートに向かってるのはタマだけだし…)


フラン、ジュリアス、瑞月、レンは、今の所、誰も個別ルートに向かっていない。


(私が見ていない所で、勝手に進んでるのかな?)



それならそれで好都合。

見たくない!見なければまだ大丈夫!我慢出来る!!

最終的には、どんだけ最低な残念イケメン男が相手だとしても、ヨウナも恋に落ちるのだ!

どこが良いのかは全く分かんないけど!


私が邪魔さえしなければ、本当は、ヨウナは攻略対象と結ばれて、魔王を倒して、全てが上手く行くのかも知れない。



(でも無理!我慢出来ないよぉ!!)

目の前で女の子が無理矢理連れて行かれそうになるのを、ただ見守れる?!

無理でしょ?!




「ル、ルナマリア?今度はどうしたんですか?」

「……また意味不明な妄想してんだろ」

目の前で繰り広げられるルナマリアの無言の喜怒哀楽劇に、レンは戸惑いながら尋ね、ジュリアスは呆れた。





***


次の日ーー登校時、女子寮前ーー



「くっは!」


フラン、ジュリアス、瑞月、レンがルナマリア達に合流する前に、女子寮の前には、杖を携えたルナマリアと、その前でボロボロの山積みになっているタマの家来と思われる男達の屍(生きてる)。



「おはよー」

「…お早う、ルナマリア」


ルナマリアは、先程来たフラン達に向かい、普段通りに挨拶した。


「一足遅かったかなーって、まぁでも、ルナマリアなら心配いらないよね…」

瑞月は、目の前に積み上げられている屍(生きてる)の山を見上げた。


「大丈夫ですか?」

「雑魚かった」

どう見ても平気そうだが、レンは形式上体を心配し、思った通り、余裕そうな返答が返ってきた。


「ルナマリアちゃん…格好良い…」

ルナマリアの傍には、うっとりした表情でルナマリアを見つめるヨウナの姿。



ルナマリアは、トコトコと、屍(生きてる)の所まで歩くと、しゃがみ込み、まだ意識のある男に向かい合った。

「ねぇ、タマに伝えて欲しいんだけど」

「ぅ…ぅ」

「このままずっと学校に来ないままだと、タマは退学になるよ。退学になったら、祖国から永久追放される」

「っ!な、んだと?!」



これは本当。

タマが学園に通う事になった分岐点の理由は、祖国から、退学になれば追放と通告されてしまったから。

砂丘の国ハロゲンの皇子である事に執着するタマにとって、それは絶対に避けなくてはいけない。



「私達に構うよりも、今は学園に通う事のほーが先決だと思うよー。入学実力テストも、1人受けて無いんだし」



普通の生徒なら、もっと前に退学なっていてもおかしくないのに、特別な留学生の立場で、猶予を与えられている。



「本当は退学になって祖国に帰るつもりだった?残念だったね」

「貴様……!何故そんなに色々詳しくーー!」



ルナマリアはゲームの知識で知っているのだが、そんな事は思いもつかない家来達からすれば、全くの無関係と思われるルナマリアが

、事細かに内部事情を知っているのが、不思議でしか無い。


「兎に角、帰ってタマに伝えなよ。そしたら、学園に通う準備で忙しくなって、君達に罰を与える暇も無くなるよ」


タマは傍若無人。

自分の命令を達成出来なかった家来達にも、とても酷い罰を与える。

別に家来達を守る義理は無いんだけど、何となく、1回助けておいてあげよう。


「余計な情けをーー!!」

(うん。やっぱり必要無かったかな)

ルナマリアの優しさは伝わらなかったらしく、睨み付けられてしまった。


ルナマリアがここで退学云々を伝えなくても、もうすぐ、リアリテ学園の教師がタマに退学勧告に来る。

それに了承し、退学しようとする所で、砂丘の国から、退学すれば追放。と、警告を受けるのだが、少し早目に伝えるくらいは別に良いかな。と思い、伝えた。



学園に来るまでの間は、タマはサボった入学実力テストを受けたりと、忙しく生活するので、少し大人しくなる。



(タマが学園に来てからの事はーーーうん、また後で考えよう)

ルナマリアは考えを放棄した。



本当は見守るのが正しい。とか、もう少しマトモなルートに軌道修正する。とか、もう叩き潰す。とか、色々頭の中が回るけど、結局、結論は出ない。

(何とかなるなる)

ルナマリアは気持ちを立て直すのがとても早かった。






「さ・て・と。これ以上遅れたら、珈琲タイムがとれなくなるし、もう行こっか」

ルナマリアはまだ、朝のモーニングタイムを大切にしており、授業前に生徒無料の食堂で珈琲と朝ご飯を頂いてから、教室に向かっている。


「は、はい。ルナマリアちゃん」

今日はタマの襲撃に備え、ヨウナと一緒に登校する約束だったのだが、ヨウナに朝のモーニングタイムの話をしたら、快く行きたいと言ってくれたので、一緒に朝、食堂に行く事になった。


2人で仲良くお喋りしながら、学園に向かう。


「あーあ。結局、良いとこ見せれなかったなぁ」

「まぁまぁ。たまには、朝にゆっくりする時間を取るのも大切ですよ」

「…眠ぃ」

「たまにはいいな。俺は紅茶でも頂くか」

瑞月、レン、ジュリアス、フラン、ルナマリア達の後に続く。


結局、ルナマリアを心配し、攻略対象全員、女子寮前に迎えに行ったのだが、ルナマリアは合流する前にタマの家来達を叩きのめしていたので、出る幕が無かった。


その後、ルナマリア達は全員で仲良く、食堂でモーニングタイムを過ごした後、教室へ向かったーー。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ