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「…ぼ、僕、絶対、学園に入学する!」

フランはバッと顔を上げ、ルナマリアを見ながら、決意の籠った台詞を吐いた。


「?うん。フランなら絶対入学出来るよ」

フランが学園に入学するのは、ゲームで決まってるし、寧ろスタート地点。


(入学してくれないと、ヒロインと出会え無いし困る)


「フランは剣の腕に優れてると思う。頑張ってね」

実際、ゲームではフランはとても強力な残念剣士だった。


「剣…」

「じゃあね、フラン」

ルナマリアはさよならを告げると、旅の荷物を魔法で仕舞いこみ、村の入り口に向かった。

「またね!ルナマリア!」

フランはルナマリアの姿が見えなくなるまで、大きく手を振った。


「……うん!僕、頑張って、ルナマリアに相応しい男になる!」

見えなくなると、フランは綺麗な湖を眺めながら、再度、1人で決意を口にした。






ジージー〜ー



ーーーーーー設定変更します。


フラン=アドリアス



過去

幼い頃、魔物が村を襲撃。

薬草積みに行っていた彼は難を逃れ、自分一人だけが助かってしまう。

魔物への強い憎しみと、自分1人が生き残ってしまった事で、深い心の傷を背負う。

憎い魔物を殲滅する為に強くなり、その剣士の腕を評価され、学園への入学となる。

→→→→→→→→→幼い頃、魔物が村を襲撃。

だが、偶然居合わせた魔法使いルナマリアにより、村は救われる。

颯爽と村を救った彼女に、淡い恋心を抱き、また彼女に出会うのを夢見て、学園への入学を目指し、剣技に磨きをかけ、無事、学園への入学を手にする。



戦闘狂ネガティブ→→→→→→好青年、ツッコミ強め。




イケメン→→→→→イケメン。変更無し。





ジージー〜ー



ーーーーーーーー設定変更完了しました。







***



ラフラーレン、フランと別れ、また、別のお世話になった精霊に会いに、旅を続けるルナマリア。

道中、見知った妖精や精霊、初めて会う神獣達とも親交を交わしつつ、ルナマリアは次の目的地に到着した。


「ランプの街ーー」


フラン達と出会った村とは違い、街。

規模は比べ物にならなく、街に入る門は大きく、立派で、街は大きな壁で囲まれている。


ルナマリアは他の通行人達と共に、門を通った。

人の数も村の比では無い。

こんなにも多くの人口を目の辺りにするのは、前世以来、勿論初めて。



「ランプがいっぱい」

街には、ランプの街の名前に相応しく、家の壁や街路樹、店頭、様々な場所に散りばめられている。


「ランロリア、頑張ってるんだなー」

今回会いに来た、物に宿る精霊の名前。

ランプの精霊ランロリア。


(このまま会いに行ってもいいけどーー)


ルナマリアは、自身の財布と取り出し、中身を確認した。

厳しい現実の、残り僅かな財力。


「駄目だ…先にギルド行こ…」

ルナマリアは溜め息を吐きながら財布をしまった。



この世界(リアリテ)では、冒険者は基本、ギルドにある依頼をこなし、その報酬を得て、旅をする。

内容は様々で、魔物の討伐、護衛、家の修理などの多様な依頼があり、冒険者以外も自由に依頼を受ける事が出来る。

ルナマリアはその中で、薬草集めなど、低ランクの依頼を主に請け負い、お金を稼いでいた。


大きな街では、ギルドの規模も大きい。

ルナマリアはギルドの建物を見上げた後、扉を開けた。

中は人が多く、活気がある。


(良いのあるかなー)

ルナマリアはトコトコと、依頼書が掲載されている壁まで歩くと、手頃な依頼は無いかと、見上げた。


(……魔物の討伐依頼や、護衛が多いなぁ……)

近年、魔物が活性化しており、魔物の被害が多い。

ルナマリアの求める低ランクの依頼が無く、んー。と、ルナマリアは隅から隅まで見渡した。



「ーーーおい!邪魔だ!どけ!」

「!」

背後から怒号が聞こえ、ルナマリアは振り向いた。


「私ですか?」

キョトンとする。


「お前に決まってんだろ!邪魔なんだよ、うせろ!」

「くすくす。ここはお嬢ちゃんが来て良い場所じゃないわよー」


振り向いた先には、(頭の悪そうな)剣士に、(頭の悪そうな)魔法使いに、(頭の悪そうな)武闘家、(頭の悪そうな)僧侶がいて、全員がルナマリアに悪意のある態度で接してきた。


「?ここは公共の場ですよ?」

しかしルナマリアは怯む事無く、正論で返した。


「あぁ?!あのなぁ!ここは、俺らみたいな優秀な冒険者が来る場所なんだよ!」

「ガキが遊びで来る場所じゃねーんだよ!」

「やだ、あんまり怒鳴ったら、泣いちゃうんじゃなーい?」

男の剣士と武闘家が大きな声で怒鳴り、横で女の魔法使いと僧侶は馬鹿にするように笑っている。


「……」

ルナマリアは、少し考え込むと、口を開いた。



「ーーー優秀、ですか?」

「ーーは?」

真剣な趣で、尋ねられると、(頭の悪そうな)剣士は面食らったように惚けた声を出した。


「すみません。本気の本気で分からなくて…お兄さん達、優秀。なんですよね?どこら辺が?どこが?ホントごめんなさい。私、まだまだ未熟で、お兄さん達の優秀さが全く理解出来ず……」

真剣に、深刻に悩んでいる様子のルナマリア。









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