表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/103

76









『対象者ルナマリアーー聖なる力、援護する結晶を授けます』



ヒュンヒュンと、ルナマリアの周りを浮遊する7色の結晶。



「な、なんやのそれ?!」

「これが、私のーー聖女からの贈り物」


不思議。

自然と、扱い方が分かる。



ルナマリアはイマルの方を見ると、すっと、手を向けた。

途端、イマルに突撃していく結晶。



「えぇー?!ちょっ!何?!何なん?!」

急な、見た事も無い攻撃に戸惑いつつも、必死に避けたり、銃で攻撃するイマル。


ルナマリアが敵と認識したものに対し、攻撃を行う、結晶ー。

ルナマリアは、この力の正体を、知っている。



(私には魔法以外、物的な攻撃手段が無かったから、これを授けてれたのかな)




ヨウナの本当の力は、草木に力を与え、実りをもたらすものでは無い。


ヨウナの特別な力は、他者に力を与えることー。




ゲームでも、選んだ攻略対象者に聖女の贈り物を与えることで、一緒に魔王を倒す道に進む事になる。

ヨウナの、力を与える相手に対する思いが強くなればなる程、贈り物の価値は高まり、強力なものに進化する。


対象者によって与える贈り物は異なり、フランなら光、ジュリアスは風、瑞月は闇、レンは守護。



(魔法が使えなかった攻略対象達は、ヨウナの力によって、強力な力を手にする事が出来た)



武器に魔法を加え、技を強力なものにしたり、うんちくを安全に語れたり、炎で全てを焼き払えたり。




リアリテに舞い降りた聖女ヨウナの、唯一無二の特別な力ーー。




実りの力とされていたのは、今まで、人に力を授けた事が無かったから、誤解されていただけ。

草木に与えた贈り物が、成長を促進するものだっただけの事。




「何あれ…!凄い!ヨウナの力なの?!」

「ヨウナが、力を与えてるの?!」



「あらん……!あれは、聖女の力ん…?!」

「うむ!間違い無い!」


周りで見学していた生徒達も、教師であるモモやカザンも、ヨウナの本来の力に驚愕しているようで、騒ぎが一際大きい。





「もう色々面倒臭いから、パパッと終わらせちゃうね」

ルナマリアは、そう言い終わると、7色の結晶に追われているイマルに、問答無用で杖を向けた。


「えー!ちょっと待ってよルナマリアはん!てかまだ魔力あんのん!?」

「うん」

体はしんどいけど、魔力は余裕である。

本当に戦いを止めたかっただけ。


攻撃魔法(ゲートオープン)


「嘘やろー!!」

7色の結晶に逃げ道を塞がれている事も有り、イマルは攻撃魔法を直接くらい、吹っ飛んだ。




「よし!そこまで!!」

戦いを終えた事を確認し、手を上げ、カザンが終了の合図をとる。

「おめでとう!今生き残っているチームが今日の勝者だ!!!」

カザンの言葉と共に、勝者のチームから歓声が飛び交う。



「ルナマリアちゃん!」

「わっ」

ガバッと、ルナマリアに勢い良く抱き着くヨウナの目には、涙が溜まっていた。


「良かった…ルナマリアちゃんが無事で…!」

心底安堵した様に吐き出す声に、ルナマリアは小さく微笑んだ。


(流石ヒロイン!めっちゃ心優しい!面倒臭い事言い出すなよ!とかちょっと思ってごめん!)

自ら負け戦に向かった時は、本当に止めてと思ったが、終わりよければすべてよし。



「ヨウナのお陰だよ」

「わ、私ーー本当に、ただ夢中で……ただ、ルナマリアちゃんの力になりたいって、思っただけで……」

その思いが、祈りになり、聖女の贈り物になった。



「ヨウナは、これから、もっと強くなるよ」



なんたって、やろうと思えば、1人で魔王を倒すようになるまでに成長するのだ←役立たず残念イケメン借金お荷物男レンルート。



「ヨウナは落ちこぼれなんかじゃない。初めから何でも出来る人なんていないし、イジメられて良いわけが無い。ヨウナは、凄く優しい心を持ってる、とても素敵な可愛い子だよ」


自分だからと目をつぶっていたが、それでこれから先も、ヨウナや、他の誰かをイジメたりする事になるのなら、ここで完全にその性根をたたっ切ろうと、決めた。


「ルナマリアちゃん…!」

頬を赤らめながら、ルナマリアを見つめるヨウナ。



「私……強くなる……!ルナマリアちゃんみたいに、誰かを守れるように……絶対です…!」

「うん」



(その前にどうしようも無いダメ男共に引っ掛からないように男を見る目を養った方が良いーー!!!)


内心そう叫んだが、声に出すのは止めておいた。




「ヨウナ君!」

そうこうしていると、モモとカザンが、ヨウナの元にやってきた。

「は、はい。先生」

かしこまるヨウナ。

そんなヨウナに、モモとカザンは、膝をつき、頭を下げた。


「え?え?」

「ヨウナ様。貴女は、この世界を平和へと導く、聖女様です」

「せ、聖女?私…が?」

急に自分に平伏す教師達に、戸惑うヨウナ。



「聖女の力は、他者に特別な力を与えるものーー貴女のその力は、リアリテを救う為のものよん」

「…私が…聖女…!」



これを機に、ヨウナの生活は一変する事になる。



(聖女だと讃えられ、その力を狙う奴等に狙われたり、危険な授業に行かされたり、魔王討伐をしたりーー)

16歳の女の子には重すぎる役目を与えられる。




(ここからが、本当の意味での、ゲームの始まり)



ヨウナが聖女だと知り、その力を自分の物にしようとする、主に攻略対象達との、イベントが始まる。



(攻略対象者共……全員、ヒロインが聖女だと分かるまでは、見向きもしなかったからな)

ヨウナの聖なる力目当て丸分かりで、声をかけて来る。


そして選ばれなければ、目障りだと攻撃してくる非道な輩が多い。

(最低だったな…マジで)

攻略対象者達を思い出し、改めてそう思う。



「……」

ルナマリアは1人、教師や生徒達に囲まれるヨウナから離れた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ