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流れるような動きで、対戦相手がポケットに忍ばせていた銃を盗んだ。


「嘘ぉ?!」


盗られた事を確認した冒険者が驚愕の悲鳴をあげる。

そのまま、ジュリアスは盗んだ銃の銃口を、相手に向けた。


パンッパンッパンッパンッ!!!

戸惑う事無く引き金を何度も引く。

「うわぁぁあああ!!!」

コミカルな動きだが、相手は綺麗に全て避けた。


「ちっ!当たらねぇのかよ」

当てる気満々で打ったらしい。


「ジュリアス!殺すのは駄目だとモモから話があっただろう!とゆーか!そんなに簡単に引き金を押すんじゃない!」

不慣れなまま銃を扱うのだ、打ち所が悪ければ死に直結してしまう。


「冒険者ならこんくらい避けれんだろ」

自分のスピード基準で話すジュリアス。

「失神してるじゃないか!!」

間一髪で避けた対戦相手は、泡を吹いて気絶している。


対戦相手が両方K.Oしたした為、冒険者のみチームの勝利条件である、他のチームを必ず1組倒さなくてはいけない。を、クリアしたフラン、ジュリアス両名は、このまま生き延びれば、勝利。


「とにかく、銃は駄目だ!短剣で戦え!」

勝利の決め手となる相手チーム撃破の瞬間なのだが、お構いなしに言い合いをしているフランとジュリアス。

フランは手に持っている銃をジュリアスから奪った。


「……短剣なら、良いんだな?」

念押しで尋ねる。

「ああ!短剣なら良い!」

「何しても構わねぇな?」

「殺さなければ良いだろう」


(((止めてーーー!!!!)))


殺さなければ何をしても構わないな?と念押しするジュリアスに、それを公認するフランの会話を、傍から聞いていた他チームは、心の中で思わず叫んだ。





この実践授業は、それぞれの勝利の条件と、ペアになる事、相手を殺さない事。

それ等以外は、何も決められていない、自由な戦い方が出来る。

誰に狙いを定めるのかも、自由。


冒険者が多い学園では、圧倒的に、狩る側が多い。

その中で、狩る側が、獲物として狙うのは、必然的に弱いチームになる。


唯一冒険者以外のチームで構成された瑞月+レンは、既にグリフォンに乗り空の上で避難済み。

とすれば、後は、冒険者+冒険者以外のチームが、狙われる。

冒険者以外がいれば、お荷物になる。


それも、先の入学実力テストで、ルナマリア程では無いが、成績の低いヨウナがいるチームが狙われるのは、必然。


案の定、ルナマリア、ヨウナチームは、開始直後から沢山の冒険者達に囲まれる事になった。



「丁度良いわ!授業なら遠慮無く痛め付けられるもの!」

「あんたも馬鹿ねぇ。そんな約立たずとチームを組むなんて!」

女子だけで構成された魔法使い+僧侶ペア。


「さ、さっきは良くもやったな!」

「よぇー癖に生意気なんだよ!」

懲りもせずまたルナマリアに突っかかる魔法使い男と、その相方の剣士。

「その弱い相手に思いっきりやられたじゃん」

四方八方に囲まれているが、ルナマリアは何も気にしていないように、先程窓から落とした男を指で指した。


「う、五月蝿い!さっきは油断しただけだ!」

「阿呆なの…?」

呆れるルナマリア。


「でも馬鹿ばっかりじゃなくて安心。一応は、優秀な人達を集めてる学園だものね」


今の所、ルナマリア達に直接的に戦いを挑んでるのは、この2チームと、追加で3チーム。

合計5チームで10人。


「40人クラスの中で阿呆・馬鹿は10人か…」

「誰が阿呆・馬鹿だ!!」

ルナマリアの失礼な物言いに反発する命名 阿呆馬鹿チーム。


「いや、本当に。ちゃんと相手の実力見極めないと、死んじゃうよ?」

「は?」

「喧嘩を売る相手は、ちゃんと見極めないと」


魔力を隠していた時ならまだしもや、ルナマリアはきちんと魔法を使える所を見せた。

少しでも頭が使えるなら、ルナマリアが魔力を制御している事に気付け、それを見破れない程、彼女が優秀だと理解出来る。



未知数の魔法使いーー。

そんな相手に喧嘩を売る事が、どれ程危険なのか。



「何よ!ちょっと魔力の制御が上手いだけで、どうせ対した事無いのがオチでしょ?!」

「そうよ!それに、そんな落ちこぼれと一緒で、何が出来るってゆーのよ?!人数だって、こっちのが圧倒的に多いんだから!」


自由な戦い方が出来るこの実践訓練では、勿論、チーム同士で協定してはいけない決まりは無い。

自由に、寄って集って1チームを狙い撃ちにも出来る。

それも戦略。

何の問題も無い。


「…阿呆馬鹿チームが束になった所で、一体どんな力が…?」

心底不思議そうに尋ねるルナマリア。


「ああ?!この野郎!舐めやがって!!」

怒り狂うまま、武闘家と思われる男が、ルナマリアを狙う。


「炎よ…!」


その武闘家を援護するように、魔法使いが攻撃魔法を放った。


「んー……守護魔法(ゲートオープン)


少し考えた後、ルナマリアは呪文を唱えた。

白い光が、ルナマリア、ヨウナの体を包むと、武闘家の攻撃を、手前で阻止した。


「何だ?!」

光の壁に阻まれ、手が届かない。

「きゃあっ!」

更に、炎の魔法も、ヨウナの前で光の壁に阻まれ、消滅する。


「嘘?!私の魔法が…!」


「……あの、本気で来ないと、マジで一瞬で勝負が終わるのですが……嘘ですよね?流石にこんなに弱く無いよね?この強さで、まさか威勢よく喧嘩を売ってきた訳じゃ無いよね?」

心配するように声をかけているが、全身全霊を込めて喧嘩を売っているようにしか聞こえないルナマリアの台詞。


「てめぇ!!」


攻撃魔法(ゲートオープン)


チュドーーーーンッッ!!!

一瞬で5名が吹っ飛び、戦闘不能になる。


本来、ヨウナを守りきるだけでルナマリアは勝利となるのだが、問答無用で降り掛かる火の粉を払い除ける。

助かった残り5名は、難無く、強い魔法を扱うルナマリアを、口をパクパクさせながら見つめた。


「むむむむ無理!絶対勝てない!」










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