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体育。

リアリテ学園グラウンドーー。


リアリテ学園の体育は、今の所、他の学校とそんなに大差無い授業内容を送っている。

走り込みや体操。

ここから、剣士は剣を、魔法使いは魔法を使い、徐々に実践訓練等を行って行く。


「ルナマリア。どういった心境の変化があったんだ?」


フランは、今迄イジメに対し、寛大な対応をしていたルナマリアが、急に180度変わり、報復処置を取った理由を尋ねた。


「やり返そう!って思った」

ぐっと両手を握り締め、満面の笑みで率直に返答する。


「そ、そうか」

お花が後ろで飛んでいそうなくらい純粋な笑顔を浮かべられ、何も言えなくなるフランは、ただ頷いた。



「さぁ!では授業を始める!」

カザンの大きな声に、生徒達は視線を向けた。




「ヨウナ」


クラスの輪から離れ、1人でいるヨウナの傍まで行くと、ルナマリアは声をかけた。

「!ルナマリアちゃん、大丈夫?」

ルナマリアを見るやいなや、駆け寄り、心配そうに声をかける。

黒板消しを落とされた事を気にしてくれているのだろう。


(優しい!!流石ヒロイン!!!)


何故か反撃を開始してから、クラスメイトの視線が、怖いものを見るかのような恐怖の色に変わっていて、こんな風に暖かい言葉をかけてくれる事が、心に染みる。


「大丈夫だよー制服、モモ先生が綺麗にしてくれたの」


リアリテ学園の教師なだけあって、モモはルナマリアの知らない魔法を良く知っていて、その中に、衣類を綺麗にする魔法があった。


「怪我はしてない?良かった…」

純真にルナマリアを心配している。



「ねぇ、私と一緒にペアにならない?」

「えーー」


今日の体育の授業は、今までの通常の授業とは異なり、初めて、実践形式を行う。



2人1組になり、決められたフィールドの中で、最後まで生き抜いていたチームの勝利。

ただし、冒険者出身チームは、必ず他のチームを最低1組、倒す事。

冒険者以外のチームは、生き残ってさえいれば勝利。



「わ…私…きっと、役に立てません。足を引っ張ってしまいます」

冒険者+冒険者以外のチームは、冒険者が、ペアの冒険者以外の出身の相手を守り切れば、勝利。


「大丈夫大丈夫」



冒険者同士で組み、冒険者以外のチームや混合チームを力でねじ伏せ、勝利を勝ち取るか。

冒険者以外のチームは、特殊な力や、頭脳を使い、逃げ切るのか。

防御が得意なら、混合チームを選び、守りきるのか。


ペアの相手を誰にするか。

そこから、生き延びる為の戦略が始まる。




「一応、言っとくけど、殺すのは駄目よー」

モモは軽いノリで、重めの忠告を口にした。


モモやカザンの背後には、救護班とかかれた、白装束に包まれた職員の姿。

(僧侶…)

怪我を想定していて、予め準備されている。

(殺さなければ、ある程度なら良いって事か)



旅をするに当たり、最も重要なのは、生き延びる事。

戦略を練り、敵対する相手の力量を見極め、喧嘩を売る相手を選ぶこと、逃げる事を選択すること。

戦い方を柔軟に変更すること、降参を引き出すか、戦闘不能にするか。



「ヨウナは、私とペアになるの、嫌?」

「!そんな訳ありません!!」

大きな声で慌てて否定する。


ルナマリアはその返事に、ニコッと微笑んだ。

「わーい。なら決まりね」

冒険者ルナマリア+冒険者以外ヨウナのペア。


「じゃあ、僕達は逃げ回る?」

「そうですね。よろしくお願いします」

冒険者以外 瑞月(みづき)+冒険者以外レンのペア。


「よろしくな」

「……ふん」

冒険者フラン+冒険者ジュリアスのペア。


各々がペアを組み終わると、散り散りに距離を取り始めた。


「私達は、攻撃しなくても良いんだよね」

混合チームなので、ルナマリアはヨウナを守りきればCLEAR。


「は、はい!よろしくお願いします」

緊張しているのか、顔が強ばっているヨウナを見て、ルナマリアは緊張を解す為に、にっこりと微笑んだ。


「大丈夫だよ、私が絶対、ヨウナを守ってみせるから」

「!!ルナマリアちゃんーー!!!」

ルナマリアの台詞に、顔が真っ赤に染まる。



「では!始め!!!」


カザンの合図とともに、模擬訓練が始まる。

ここでいち早く狙われるのは、冒険者以外で構成されたチームだが、冒険者以外は数が少ない事も有り、レンと瑞月(みづき)のチームしかいない。

一斉に自分達に狙いを定めて来る冒険者チームに、瑞月(みづき)はぷくーと、頬を膨らませた。


「舐めてくれてるよねー」

「仕方有りませんよ。どう見ても、私達は戦闘向きでは有りませんからね」


外見は、完全に非、戦闘向きの、可愛い系の年下男子 瑞月(みづき)に、インテリな優しいお兄ちゃんレン。


「もーやだなぁー」

瑞月(みづき)はそう言うと、目を細め、手を出した。



「おいでーーグリフォン!!!」

呼び名と共に現れる、瑞月(みづき)に仕えし大きな鳥の魔物、グリフォン。


「うわぁ!!ま、魔物だ!」

「失礼しますね」

パニックのまま、グリフォンに剣を向けようとした冒険者に、レンは、肩にかけていたショルダーバッグから1つの試験管を取り出すと、ポイッと投げた。


「なっ?!…ぐ、ぅ…」

割れた試験管から出て来た煙を嗅ぐと同時に、眠りにつく冒険者。

「すみません、眠り薬です」

ペコりと頭を下げると、そのまま、瑞月(みづき)に次いでグリフォンの背中に乗り込む。

そのまま、グリフォンは空高く空中に浮かんだ。


「逃げてるだけで良いなんてお得だよねー」

「ええ。このまま、ここで時間までゆっくりしましょう」

瑞月(みづき)とレンは、そのまま、グリフォンの背中で休憩を始めたーー。



キィンッッ!!

剣と剣がぶつかり合う音が響く。

フランは、涼しい表情で相手の剣を受け流すと、そのまま、剣の峰を使い、相手を気絶させた。


「くっそ!」

ペアの相手がやられたのを見て、フランに突進しようとするも、それを、ジュリアスが止める。






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