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そのまま、ジャンプ力や握力測定、基本的な体力測定を終えると、場所が変わり、教室へと戻って来た。



机の上に精魂尽きたように突っ伏すルナマリア。


「……おい、大丈夫か?」

流石に心配して、隣の席のジュリアスが声をかけた。


「大丈夫やよ…」

言葉とは裏腹に、声にも態度にも覇気が無い。


あれから、全ての項目でルナマリアは最下位を取り続けた。


「ルナマリアはとても凄い魔法使いなんですから、気に病む必要はありません」

レンも、前の席からフォローする。


「?ありがとう…?私、落ち込んで無いよ??」


体を酷使し過ぎて、疲れてしまっているだけ。

元々体力が無いのは自覚してるし、努力もして来てないし、優秀な人達が集まるこの場所で、何故か(女神様の陰謀だと思っている)選ばれてしまった自分が敵わないのは当然だと思っているルナマリアにとっては、最下位は当然の結果。

受け止めて、最初から持ち直している。


「なら良かったです」



「はーい。次は頭を使うわよー」

教室に入って来たモモが、カザンが持って来た大量のテスト用紙を、生徒達に配り始める。

「……多くない?」

大変分厚い、1冊の本並みの量。

「文句言わなーい。出来る範囲で大丈夫よん。じゃあ、よーい、始めぇ」

モモが手を鳴らし合図すると、一斉に紙を捲る音がした。



「……」

恐る恐る、ルナマリアもページを捲る。


そして、一瞬で諦めた。


(この世界の事もほぼ知らずに生きて来てるのに、勉強なんて絶望的に決まってるよね……)



ルナマリアは灰になって燃え尽きながら、時間が過ぎるのを待った。





「はい、終了ー!」


パンっと、モモが手を鳴らしたのが合図で、テスト時間が終わり、テスト用紙が回収される。


「どうでしたーーか…?って、どうしたんですか、2人とも?」

レンが振り向くと、机に突っ伏しているのが、ルナマリアと、ジュリアスも増えた。


「出来なかった…」

「出来るわけねーだろ、んなもん…」

学校に通っていない2人からしたら、酷な問題だ。


「だ、大丈夫ですよ!冒険者の皆さんが勉強苦手なのは、当然の事なんですから!」

レンは、必死で、2人をフォローした。


ちなみに、遠くの席では、フランも机に突っ伏していた。





学力テストも終わり、また場所が変わり、新しい施設。


ドーム球場のような、観客席に囲まれた、フィールドは、体を動かした競技場とは違う雰囲気を感じ、ルナマリアは辺りを見渡した。


(ーー魔力を感じる)

ドーム全体に感じる微力な魔力を、ルナマリアは感じ取った。


「さ、次は魔法のテストよん」

ガラガラとワゴンを運び込まれると、生徒達の前に水晶玉が用意された。

「まずは、これで魔力がどの程度あるかを確認して貰うわよん」

「俺は、魔力を持っていないのだが…」

フランの他にも、ジュリアス含め、何人かが俺も、私も。と声が上がる。


「潜在的に、ほんの少しだけでも持っている人がいるから、それを調べるだけよぉ」



魔法使い、僧侶など、魔法を使う者は、ある程度の魔力が必須で、産まれ持っての素質があるかないかで決まる。

少量の魔力だけでは、魔法使いや僧侶にはなれず、使い道が無いとされていた。


「うむー少量の魔力でも、未知なる可能性が出て来たからな!」

そう言って、モモとカザンはレンを見た。



少量の魔力は宝の持ち腐れーーーそれを最初に覆したのが、レンであり、錬金術師とゆう職業だった。


今まで何の役にも立たなかった魔力が、材料を介し、新しい薬や道具を産む未知なる職業。

更にレンは、錬金術を使う事で、魔力が上昇し、鑑定の魔法も使う事が出来るようになった。


魔力は、使えば増えると、証明されたのだ。



「これから先、錬金術師が増えれば、僧侶だけに頼っていた回復が、回復薬で出来る様にもなる」


回復薬なら、作った後、僧侶のいないパーティに渡す事で、一気に旅の安全度が上昇する。

僧侶のいない町や村にも、錬金術師が誕生するかもしれない。

今や、少しでも魔力を持つ者は、未知の可能性があると定義された。




「素晴らしいわ」

「いえ……これは、ルナマリーー」


自分の功績とばかりに、賛辞の言葉を送られるのを、レンは否定しようとするが、それを、レンの袖を引っ張り、ルナマリアが止めた。


「や め て」


小声で、小さくお願いする。


レンが錬金術師になれたのは、ルナマリアの尽力あってこそなのだが、ルナマリアは全く目立ちたくなかったし、きっかけこそ作ったが、錬金術師になれたのは、レン自身の努力の賜物だと思っている。


「ーーはい。ありがとうございます」

レンはそのまま、賛辞を笑顔で受け取った。




「さ、水晶玉に手をかざしてん!」


モモの言葉で、生徒達は水晶玉を手に取り、手をかざし出した。

ルナマリアも、1つ、水晶玉を手に取ると、上下左右、水晶玉を観察した。


(凄い道具…めっちゃ高そう)

それを1クラス分とはいえ、生徒全員分用意しているのが、流石リアリテ学園だな。 と感心する。


瑞月(みづき)、レンは順当に水晶玉が少し光るが、隣、フランとジュリアスも、ほんの少し、水晶玉が光った。


「俺も魔力があるのか…」

「……」

驚いた表情を浮かべる2人。


貧困層(スラム)出身のジュリアスと、小さな村出身のフランは、1度も魔力測定を受けずにいたので、今まで気付かなかったのだろう。


「ぉお」


ここで歓声を浴びたのは、やはり魔法使い、僧侶達で、魔力の量が多ければ、水晶玉は強く光るようになっていて、眩い光が水晶玉から放たれる度、歓声が沸いた。


「ーーー」

そんな中、1人真剣な表情で水晶玉を見つめるルナマリア。


(これ…絶対に高いよね…)


ルナマリアは、魔力を誰にも気付かれないように、常に隠して過ごしている。

何故なら、魔法使いと分かると何かと騒がれたりするから。

何故なら、魔力の量を隠してる方が、戦いに有利だと思っているから。









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