表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/103

モモ・カザン47






どうして?

どこから間違えたのだろう?


初めて回復魔法を使えた時、皆は凄い喜んでくれて、チヤホヤしてくれて、嬉しくてーーー


チヤホヤされるのが当たり前になって、欲しい物が増えて、もっと、高みを目指すようになってーー



努力なんてしてこなかった。

1度も。



なのに、レンの優秀さに勝手に嫉妬して、手に入れようとして、失敗して、全てを失った。



(ああ……もう駄目ですのね……)

全部間違えてしまった今、全てを失ったのだと、ミスティアお嬢様は悟った。



「ーーミスティアお嬢様、大丈夫ですか?」


落胆し、俯いている頭上から、心配そうな声が、かけられた。

それは、心配される資格なんて、最も無い人物の声で、ミスティアお嬢様は、ゆっくりと顔を上げた。


「レン…」


心配される覚えなんて無い。

自分は、レンの母親に大怪我を負わせ、養子にして名前を変えさせ、借金を背負わせ、永遠に自分のスケープゴーストにさせようとした。


「何ですの…?落ちぶれた私を見て、嘲笑いにでも来ましたの?」

「いえ」

首を横に振るレン。


「ミスティアお嬢様、私は、貴女が羨ましかったです。僧侶の才能を持って産まれてきた貴女が」

「レン…」

「ミスティアお嬢様、きちんと罪を償って、今度は素敵な僧侶になって下さい。昔のようにーー」




僧侶として、回復魔法を初めて使えた頃ーー誰かが喜んでくれる姿を見る事が、嬉しかった。


「うっゔっ」

ミスティアお嬢様は、ポロポロと涙を流すと、ゆっくりと、レン、そして町の住民達に向かって、頭を下げた。


「本当に……申し訳ありませんでしたわ……」

しばらく、深く頭を下げたまま、謝罪の言葉をミスティアお嬢様は繰り返した。









ジージー〜ー



ーーーーーー設定変更します。


レン=カターナ




過去

頭脳明晰で天才と謳われる。

病弱な母の為に幼い頃から仕事をこなしつつ、勉学と両立させてきた秀才。

大怪我を負った母親を助ける為、治療費に多額の借金を背負うも、息子の足枷になりたくない母親は自殺してしまい、深い心の傷を追う。

借金だけが残り、借金元の養子となり、僧侶のお嬢様のスケープゴートになる。

お嬢様を優秀だと判断した学園に、僧侶のお嬢様の付き人として学園に入るが、本当に優秀なのはレンの方だと見抜かれ、途中編入となるーーー

→→→→→→→→→頭脳明晰で天才と謳われる。

病弱な母の為に幼い頃から仕事をこなしつつ、勉学と両立させてきた秀才。

道で倒れていたルナマリアを助けたことから、才能を見出され、知識と魔力で様々な道具を作る錬金術師となり、多くの人を救う。

その後、錬金術で得たお金で無事、治癒薬を手に入れ、母親の病気は完治。

錬金術師として学園への入学を認められ、母親の後押しも有り、学園へと入学するーーー



借金ヒモ男→→→→→→心優しいお兄さん



学者→→→→→→錬金術師




シル=ミスティア→→→→→→レン=カターナ



イケメン→→→→→イケメン。変更無し。





ジージー〜ー



ーーーーーーーー設定変更完了しました。









***



3年後ーーー。


ルナマリア13歳。



「眠たい…ずっと、寝てたい…」


重たい瞼を何とか擦り開け、前を見る。

小さなボートにゆらり揺られ、周り一面に広がるのは、真っ青な海ーーー。

「潮の匂いがするねー」

呑気な事を言っているが、ルナマリアは今、絶体絶命のピンチに陥っている。





遡る事、数時間前ーーー



「船、乗れないんですか?」

ルナマリアは、小さな港町にて、足止めを食らっていた。


「ああ。最近、ここいらで海の魔物が活発化しててよ。船が何台も立て続けに大破されてて、船の数が足りてねぇんだ」


船は大切な物資を運ぶ足でも有り、人の往来を繋ぐ足でも有り、大陸と大陸を繋ぐ大切な架け橋。

残った船は、船を守る為の冒険者を雇ったりして運行しているが、何分、数が足りない。


「悪ぃが、優先しなきゃなんねぇ案件が山ほどあるし…」

「そうですよね」


町からすれば、物資の郵送が大切だし、以前から予約していた乗客達を優先するのは当然で、パッと現れたルナマリアを乗せる事が出来ないのは当然だ。



「どうしようかな…」

船員との会話が終わり、当ても無くフラフラと船着場を歩く。


妖精や精霊達に、恩を返す旅を続けて、早5年。

次の土地に向かおうとしたら、船の欠航という足止めを食らった。


(船の再開まで待とうかな)

ただ、いつ再開になるか、目安が無い。


(他の街からなら、船出てるかな?でも、ここら辺って言ってたし……)


八方塞がり。

そんな中、ルナマリアは、船着場にあった、小さなボートを見付けた。

「ボート…」

(これで行けないかな)


この広い大海原、こんな小さなボートで行こうとする事は大変無謀なのだが、ルナマリアは深く考えていなかった。

(何とかなるか)





ーーー勿論、何とかなる筈は無かった。


今ルナマリアは、大海原の中、周り一面海景色で、迷っていた。

端的に言うと、上記に繋がる絶体絶命。

ただ、当の本人は、呑気に海の陽気を楽しんでいる。


「どーしよーかなー」

為す術が無い。

ルナマリアは諦めて、ゴロンとボートの上、寝転がった。


『ーーねぇ、そこにいるのはルナ?』

誰も居るはずの無い海の上から、自分を呼ぶ声。



「遂に幻想が聞こえてきちゃった…」

『ルナ!ルナだよね?僕!ウルミだよ!』

「ウルミ…?」

ルナマリアは起き上がると、ボートの外、海の上を見た。


可愛いカメの甲羅を背負った、手のひらサイズの男の妖精が、嬉しそうに笑顔を浮かべている。


「本当にウミルだ。久しぶり」

『ルナー!!!会えて嬉しいーよー!!!』

勢い良くルナマリアに抱き着くウルミ。

「こんな所でウルミに会えるなんて思わなかったよ」











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ