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「な、何?何があったんですか?」

レン的には普通の会話をしていただけなのに、急に吐血(表現)する意味が分からず、困惑するしか無い。

「大丈夫。本当にごめん。反省する」


ゲームのレンからは、絶対に聞かれない台詞に、ただただ眩暈がしただけなんです!とは、言えない。



最低最悪ヒモお荷物残念イケメン男。



そう。

レンは将来、戦闘中うんちくを発しているだけの、マジで何の役にも立たない、お荷物男になる!!


『あの魔物はこうでこうでこうだから、こうやって倒せば簡単で、更には〇△×□』


レンーーゲームではシンは、学者。

学者って職業で知識だけ!は、あるから、魔物の弱点とかは教えてくれるけど、マジでそれだけ!!!

マジで役に立たなくて、魔王を倒すのに1番苦労した攻略対象者。


ひたすら、ヒロイン(プレイヤー)のLvをあげる作業ゲームと化し、彼を守りながら戦う、ヒロイン1人でいいやん?ルート!!!


(マジで苦痛だった……最後に選んだ攻略対象だから、余計に辛かった……)

思えば、このLv上げの作業工程が煩わしかったからこそ、隠しキャラの魔王をプレイする気を失わせた張本人。


しかも!自分の借金返済の為に、自分は何もしないくせに!!ヒロインを高難易度のダンジョンに平気で送りこむ最低屑残念野郎!!!

こんな自分の借金返済の為に、ヒロインを平気で働かせるヒモみたいな男を、良くヒロインは好きになったな?!

ヒロインマジで凄いよ!

『貴女の借金は、私が返すわ!』

最早、ダメ男に引っ掛かるあかん女子だよ!ヒロイン!!



そんな将来の姿を知っているからこそ、

何もしていないのにお金貰えません。発言は心に響いた。


(お前が言う?!いや、過去のレンは言うのか……何で……何で将来あんな残念ヒモ男になっちゃうの?!)

後半マジでこいつ要らないよ!ってなるキャラNo.1。

レンに心折れたプレイヤーは、私だけでは無い筈だ。



「ルナマリア?」

心配そうに自分を覗く、今はまだ純粋で優しい少年(レン)


「大丈夫。大丈夫だから、受け取って」

「でも……」

まだ躊躇するレンの手を、ルナマリアはガシッと掴んだ。

「お願い!気しなくて良いから!だからそのまま心優しい立派なまま成長して!!!」

「え?え?え?は、はい。分かり…ました?」

全く意味は分からないが、ルナマリアの勢いに押され、流されるまま頷く。

結局、ルナマリアの好意に甘える形で、レンはお金を受け取った。

「……本当にありがとうございます……何てお礼を言えば良いか……」


(ゲームでは1度だってお礼言われた事無いけどね!!)


「んーん。気にしないで。私がしたくてしてるんだから」

(これが貢ぐとゆう事なのかーー?)


ゲームでヒロインがシンにお金を渡していた事とやっている事は変わらないのでは無いかーー?

最早もうヒモ化?!

でも、私がしたくてした事だしーー?

段々良く分からなくなって来たが、とりあえず、ルナマリアの目的は、レンが、母親が安心する、立派な男(期間限定)になってもらう事!

そして、少しでもヒロインの役に立てるようになる事!!



「錬金術の特訓、頑張ろうね」

「…はい!」

ルナマリアの言葉に、レンは真剣に頷いた。


レンは努力家だ。

そして、攻略対象特有のスペックの高さがある。

(私に教えられる事はこれ以上何も無い)

何せ繊細な作業や、暗記事が苦手で、錬金術に向いていないルナマリアは、早々、諦めてしまったので、基本のやり方を教えてしまった後は、もう見守るしか無い。


(レンが錬金術を使えるようになったらーーこの町を去ろう)


いつまでもここに留まれない。

ルナマリアには女神様から頼まれたお使い?がある。

今までお世話になった妖精達に、恩を返しに行かないといけないのだ。

病気の母親を置いて行くのは、気が引けるが、回復魔法は万能では無い。

一瞬体力が回復し、元気になったと錯覚するが、それは決して治った訳では無い。

いずれ、限界が来る。


ルナマリアは、今はまだ優しく、母親思いのレンを、悲しそうに、見つめたーーー。








レン達の住む町の中心にある、町の雰囲気に似つかわしくない、大きく少し古びた洋館。


「もう!何で私の思い通りになりませんの?!」

その部屋の一室。

ピンクが主体の可愛い物で取り揃えられた部屋で、ミスティアお嬢様はピンクのクッションを壁に投げつけた。


「変な女までいて……何なんですのあの女」

「数日前からあの一家に世話になってる、冒険者みたいっすよ」

取り巻きのガラの悪そうな男の1人が、紙を片手に報告する。

「冒険者?あんな小娘が?」

14歳の自分より小さい、ひ弱そうな女。

「道で倒れてたとこを、レンが助けたそうっす」

「ふん。弱いくせに冒険者になんてなるからですわ」

ピンクの椅子に腰掛けると、ピンクのテーブルに肘を置き、足を組んだ。

「早くレンを手に入れないと、私が学園に通う計画がパーですわ」

「学園は一応、年齢問わず。って書いてますけど」

ガンッ!と、ミスティアお嬢様は報告を行う男に、テーブルに置いてあったティーカップを投げつけた。


「私には計画がありますのよ!若くして学園を卒業して、華々しく、リアリテの首都である《アールレン》で暮らすの!その為には、いち早くレンが必要なのですわ!」

「す、すんません!!」

苛立つミスティアお嬢様は、ふんっと鼻息を鳴らすと、親指の爪を噛んだ。

「母親の治療費で泣き付いてくると思いましたのに…!」

「お嬢様はこの町1番のお金持ちですからねー」


レンは誰もが認める秀才だ。

町の試験では勿論、この世界(リアリテ)でも、TOPの知識を、あの若さで持っている。


(初めは目の上のたんこぶでしたが、考え方を変えてみると、大変使える存在とゆう事に気付きましたわ)


自分のスケープゴーストをさせれば良い。


「私は、こんな田舎の町で終わるような存在では無くてよ。もっと!もっと、大きな、首都のアールレンでこそ、輝く存在!価値がありますわ!」








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