表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/103

28





「待たせてごめんねグリフォン……僕も、一緒に戦うから、僕と、魔物使(テイマー)してくれる?」

『キュイ!キュイーー!!』

瑞月(みづき)の誓いの言葉に呼応するように、グリフォンは声高く叫んだ。


ピカッッーーー。

2人を青い光が包む。


《グリフォン、魔物使(テイマー)契約しました》



「嘘…!嘘っ!」

計画が全て狂い始め、乱暴に頭を搔く清香(きよか)先生。

史上最年少の魔物使(テイマー)の誕生だった。


「くっ!トロン!もう一度ーー!!」

「もう止めよう」

清香(きよか)先生の言葉を遮り、瑞月(みづき)は、トロン自身に向かい、悲しそうに、声をかけた。


「こんな事、君も望んでないよね?君は無理矢理調教されてるだけ……逃げて来ていいんだよ」

『……ニ…ゲ…ル』

「!止めなさい!逃げる事は許さないわ!またお仕置きされたいの?!」

『…ヤ…ダ……モウ、コンナコト、シタクナイーー!』

「トロン!!」



ピーーーーー!!!!

大きな音と共に、青い光が、今度はトロンと瑞月(みづき)を包む。



《トロン、魔物使(テイマー)解除しました》


《トロン、魔物使(テイマー)契約しました》




天の声が響くとともに、瑞月(みづき)の元に向かうトロン。

そのまま、今度は瑞月(みづき)を後ろに、清香(きよか)先生に向き合った。


「おー凄ーい。流石攻略対象者」

レベチ半端無いな。と、ルナマリアは拍手を送った。


魔物使(テイマー)として開花した瑞月(みづき)は、無理矢理従えていたトロンを解き放ち、自らの意思で、瑞月(みづき)と再契約した。


「こんな…!有り得ない…!私の調教が破られるなんて…!」

「どうして?初めから、清香(きよか)先生は瑞月(みづき)より何も優れてなかったじゃない」

ショックを受けて放心気味の清香(きよか)先生に向かい、悪意無く本心を告げるルナマリア。


「はぁ?!私は教師よ!?瑞月(みづき)君の先生なの!今まで、私が瑞月(みづき)君を育ててきたのよ?!」

「うん。出来の悪い教師がいるんだなぁ。って思ってたよ」

益々火に油を注ぐ発言をする。


清香(きよか)先生も本当は分かっていたでしょう?自分が瑞月(みづき)より優れていないこと」


清香(きよか)先生は、ファンクラブには、トロンの姿を見せ、直接、魅力(チャーム)をかけていたのに、瑞月(みづき)にはギリギリまでしなかった。


「貴女は瑞月(みづき)の力を恐れていた。トロンを瑞月(みづき)に直接会わせたら、トロンは貴女では無く、瑞月(みづき)を選ぶと思ったから」



魔物使(テイマー)として、魔物とのコミニケーションに優れ、好かれる才能。


そして、魔物使(テイマー)として、自分の調教を打ち破る力。



清香(きよか)先生は魔物と上手くコミニケーションをとり、好かれる人格が圧倒的に無い。


「貴女は初めから、瑞月(みづき)より魔物使(テイマー)として全てが劣っているーーー貴女は瑞月(みづき)の教師には相応しくない」

ハッキリと、これ以上無い程、ルナマリアは清香(きよか)先生に油を注ぎまくった。




「…は……ははは」

不気味な笑い声をあげる清香(きよか)先生。


「?どうしたんだろ?」

ルナマリアは、急に様子のおかしい笑い方をする清香(きよか)先生を不思議に思い、首を傾げた。

「いや……これ以上無いくらい挑発してたよルナマリア」

無意識に、ただ純粋に話していたとしたら、恐ろしいと、瑞月(みづき)は思った。



「許さない許さない許さないーー殺してやるわ」


ガッシャァアーーーンンンッッッッ!!!!

盛大に窓ガラスが割れる事が響くと、教室内に、沢山の魔物が入室して来た。

ふとグラウンドを見ると、外にも魔物がいるのが見える。

「こんなに大勢の魔物を……!」

魔物使(テイマー)している。

和の国の魔物使(テイマー)の学校の教師として、恥じない実力の持ち主だと示すように。



ルナマリアは、集まった魔物達を見渡すと、初めて、険しい表情を浮かべた。

「この魔物達……悪意がある。人を襲う魔物ね」

「え?!」

魔物使(テイマー)は、人間と友好関係を結べる、穏やかな魔物としか魔物使(テイマー)しない。

出来ないはずだった。

悪意ある、人を襲う魔物を、強制的に支配下に置いている。

調教に関しての実力が強い。


「そうよ!こいつ等、人を襲いたいらしいから、人を襲う時には最適な魔物よ!」

人を襲う魔物と、利害が一致している。

だからこそ、魔物使(テイマー)出来た。


でも、それは魔物使(テイマー)としては失格。



悪意のある魔物とは、魔物使(テイマー)として優れている瑞月(みづき)も、コミニケーションが取れず、調教を解く事は出来ない。



「本当に教師として相応しく無い方ですね」


ルナマリアは今度は、悪意を持って、言葉にした。


「黙れ黙れ黙れ黙れ!ここであんた達を皆、殺して!瑞月(みづき)君だけ!連れて帰る!2人だけでずーーーっと!過ごすのよ!愛してるの!瑞月(みづき)君だけ!」

「いや、ほんと年齢考えた方が良いですよ?」

瑞月(みづき)は8歳。清香(きよか)先生は30代。

これだけでもう犯罪だ。


「黙れ!愛に歳の差なんて些細なものなのよ!」

瑞月(みづき)怯えてますよー」

清香(きよか)先生的には、魅力(チャーム)で、虜にした状態で、相思相愛プレイを楽しみたかったのだろうけど、今はもうそれは出来ない。

いや、上の文面を見ただけで、恐怖しか無い。

本当に瑞月(みづき)魅力(チャーム)されなくて良かった。

こんなの、ただのトラウマまで一直線コースだ。


(将来、もっと辛い事が起きて、ホラー系ストーカー男になってしまうんだから、今くらい、助けてあげないとね)


「ちょっと!ルナマリア!起きてる!?」

魔物に囲まれ、危機一髪の状況の筈なのだが、ルナマリアはのほほんと考え事をしてる様子で、瑞月(みづき)はルナマリアの体を揺さぶった。

「起きてるよー」

「そんな呑気にしてる場合?!このままじゃ僕達……」

魔物使(テイマー)に目覚めたとは言え、この状況を打破することは、瑞月(みづき)では不可能。

顔面蒼白で震える瑞月(みづき)に、ルナマリアは優しく微笑みかけると、頭を撫でた。


「大丈夫。お姉さんに任せなさい」

瑞月(みづき)君に馴れ馴れしく触るんじゃねーー!!!」

怒号とともに、一斉に襲いかかる魔物。

ルナマリアは、そっと、祈るように手を組み、瞳を閉じた。



「おいで……私の守護神獣ーー《ファイティン》」




魔法陣がルナマリアの周りに浮かび上がり、白い光とともに、ルナマリアの前に現れる、車ほどの大きな、綺麗な存在。

虎のような綺麗なオレンジと黒い線の艶やかな毛並みに、体つき。

青い鋭い瞳に、鋭い牙。

その風格だけで、只者では無いと理解出来る。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ