おまけ 3
知識のあるレンも、魔物使が多くいて、魔物との共存をしていた和の国出身の瑞月も、全ての魔物が獰猛で無い事は、勿論知っている。フランやジュリアスも、一角獣の様な薬になる魔物や、瑞月に仕える魔物が人畜無害で、中には害の無い魔物がいる事を知った。
「僕達は知ってるけど……」
「無害な魔物がいる事を理解するのは、難しいでしょうね。見分けるのも大変でしょうし」
戦いに従事する者なら、殺気を見分ける事が出来ても、普通に生活する者がそれを判断するのは難しいし、根本的にある、魔物は全て悪。その思いを変える事は、極めて難しい。
『それが人間の浅ましい所だ。人間にも、悪い奴と良い奴がいるのだろう?魔物も同じだ。人間も、良い奴か悪い奴が、見た目で分かるのか?』
「ーーそれはーー」
分からない。少なくとも私には。
何となく、魔王の言いたい事は理解出来た。人畜無害な魔物を傷付ける人間を、魔王は許さない。
「そうだね。私も、こんな可愛い魔物に怪我させちゃうような人間、嫌いだなー」
『!』
グリフォンもトロンもだけど、可愛い魔物は沢山いるんだから!一様に敵!って攻撃するのは良く無いよね。
「でも、今回は貴方が、私を見誤ったんだから、人間にも、良い奴がいるって認識をもう少し持ってね」
『ーーそのようだな』
あれ?何か意外と聞き分けいいな。本当に魔王?ラスボス?ゲームでの魔王は、話も聞かず、めっちゃ攻撃して来た印象だったんだけどーーーー。
「あ!」
「「「『あ?』」」」
何かを思い出した様に声を発するルナマリアに、全員が注目した。
(そうだ!攻略対象達は皆一様に魔物狩りまくってるんだーー!!)
フランは元より、ジュリアスも、闇社会で無害の魔物を狩りまくってるし、レンも借金返済の為に金になる魔物をヒロインに狩らせるし、瑞月なんて魔物喰になってるし!!
魔王が怒りゲージMAXになってても頷ける。
そして私も普通に魔物狩りまくってました!攻略対象達に唆され、やりたい放題してた!ごめんなさい!
「ごめんなさい…!私が愚かでした…!」
『どうした急に?何があった?大丈夫なのか?』
普通に心配してくれる。実は魔王って、攻略対象者達に比べたら、1番真っ当な人だったんじゃないか?とすら思ってしまう。
「ヨウナと仲良くしてくれませんか?!ヨウナ、めっちゃ良い子なんです!!」
『何だ?急に何が起きた?何を我は薦められている?』
急に目の前で泣きながら女の子と仲良くして欲しいと言われ普通に戸惑う魔王。
こんなに良い魔王殺せないよ!寧ろ和解して欲しい!駄目?!じゃないと世界滅びるの?!どんだけ悲惨なクズゲーなの?!攻略対象より良い男を敵設定すんなよー!!!
ルナマリアは心の中で本気でゲーム運営陣に叫んだ。
「はっ!違う!私、隠し攻略キャラ未プレイなんだ!」
『隠し攻略キャラ未プレイーーとは?』
「ルナマリアの暴走に1つずつ付き合うとしんどいから、スルーしていいよ」
律儀に全てを拾ってくれる魔王に、スルースキルを身に付けている瑞月が助言した。
隠し攻略キャラ!確か魔王!だからスチル絵があったんだった!私はクソゲー過ぎて隠しキャラまで攻略する気が失せて未プレイだったけど、きっと、魔王とヨウナの幸せルートが存在する!初めてグッジョブだよ運営!良くやった!
「よし!ヨウナといつ付き合いますか?!」
『何の話なんだ……?!』
「ルナ、ちょっと落ち着け!」
「ルナマリア、流石に落ち着こうか。こちらのかたも大分困惑してるし、俺達もついていけていない」
ルナマリアの暴走を、慌ててジュリアスとフランが止めた。
「とりあえず、帰る?もし良かったら、また会いに来てよ。そこの子とうちの子、仲良くなったみたいだし。その時にヨウナにも会えるよ」
人間組がごちゃごちゃやっている間に、パンダの魔物とグリフォン、トロンは仲良くなった様で、3人でじゃれついて遊んでいた。
『あ、ああ。ヨウナと付き合うの意味は良く分からんが、我が部下を救ってくれた礼も兼ねて、また顔を出そう』
魔王はそう言うと、マントを翻して、その場から魔法を使い、消えた。
「ああ、行っちゃった」
「そら逃げるだろ。いきなり女紹介とか言い出されたら」
ジュリアスは呆れ気味に答えた。
でもまたお礼をしに来るって言ってたし、チャンスはそこにある!
「私、決めたよ!」
「ーー何を?」
私は、ヨウナと魔王のカップリングを推す!!
未プレイだからどうすれば良いのかとか、他攻略対象者達がどうなるかとか全く分からないけど、1番!良い気がする!
決意を新たに、ルナマリアは、世界を救いぐーたら生活を目指す為に、魔王ルートを目指す事を決めた。
因みに余談だが、現実世界でも、魔王ルートが断トツの人気を誇っており。クソゲーの中のオアシス。クソゲーに舞い降りたイケメンと称された。
オマケ 完




