100 完結
「てめぇ……殺す……!」
傷も癒え、奴隷の子供達も解放され、ジュリアスは激しい殺気のまま、指をポキポキ鳴らした。
「ま!待て!!この俺様は!砂丘の国の気高き皇子でーー!!」
「その肩書きが、今!ここで!何の役に立つか教えてみろや!ガキ共は関係ねぇのに巻き込みやがってーー!!」
ドガッ!!と、強く殴りつけ、タマの体は大きく吹っ飛んだ。
「親に売られたか何だかん知らねーが、こいつ等には、自由に生きる権利がある!」
貧困層出身のジュリアスは、下手をすれば、自分が、売られる側になっていた可能性もあった。
「…お兄ちゃん…!」
奴隷の子供達は、そんなジュリアスの姿に、涙を流しながら、感動した。
「くそっっ!くそっっ!!!」
殴られ赤く膨れ上がった頬を押さえながら、体を起こすと、タマはキッと、ルナマリアの後ろで隠れているヨウナを睨み付けた。
「貴様の様な落ちこぼれ…!聖女でなければ!何の価値も無い!」
「ーっ!落ち…こぼれ…」
ヨウナは、自分があの学園で落ちこぼれだと理解している。
聖女の力が無ければ、周りからチヤホヤされる事も無い。
「そんな落ちこぼれを!この俺様が必要としてやってるんだぞ?!お前みたいな落ちこぼれは、この俺様が道具として使ってこそ価値があるんだ!!」
「…必要と…されて、る…」
ヨウナは、俯きながら、小声で、復唱した。
「私…なんかを…必要と、して、くれてる……」
(今まで、誰も私を必要としてくれた事なんて無かった…。私は、落ちこぼれだからーー)
こんなにも私を必要としてくれてる。
私を、欲してくれているーーー。
(なら、私はーーー)
ギュッと、ヨウナは目をつぶった。
『ーーーヨウナは、落ちこぼれなんかじゃないよ』
初めて、ルナマリアに声をかけられた、あの時に言われた言葉が、頭をよぎった。
『私……強くなる……!ルナマリアちゃんみたいに、誰かを守れるように……絶対です…!』
そして、自分が決意した言葉が、胸の中に下りた。
「…私は……今は、まだ、落ちこぼれかも知れないけど……強く、強くなります!ルナマリアちゃんのように…!」
顔を上げ、強い意志で、タマに向かい言い返す。
「だから、私に貴方は必要有りません!」
そんなヨウナを見て、ルナマリアは優しく、微笑んだ。
「このっ!道具如きがーー!!」
「はいはい。もーいーから、行くよー」
いまだグチグチと文句を言うタマを、攻略対象達が、連行して行った。
「ヨウナ」
「はい。どうしましたか?」
先程までの、怯えた様子は無い。
(もうーー大丈夫かな)
今まで見たことが無いくらい、明るくて、清々しい表情を浮かべるヨウナを見て、ルナマリアは、そう思った。
今までの、どこか自信の無い姿とは違い、堂々としているし、それに何より、自分の意思で、駄目男を必要無いと強く言い切るその姿は、ダメ男ほいほいとは思えない。
「きっとヨウナは、世界を救う立派な聖女になるよ」
ルナマリアは、これまでの攻略対象に言ってきた台詞を、ヨウナにも告げた。
ジージー〜ー
ーーーーーー設定変更します。
ヒロイン ヨウナ
自分に自信が無く、自分を必要としてくれる存在に依存する体質で、どれだけダメ男だとしても、受け入れてしまう。
→→→→→→→→→が、ルナマリアと出会い、強くなりたいと心に決め、誰かに依存する事を止めた。
ダメ男ほいほい→→→→→→強く優しい女性
自分を選んでくれた攻略対象とともに、世界を救う聖女→→→→→自分自身と、大切な友達と一緒に、世界を救う聖女
ジージー〜ー
ーーーーーーーー設定変更完了しました。
「あー平和だなぁ」
聖女の手により、この世界は平和になった。
のんびりのほほんぐーたら生活は、今からが本番。
「ルナマリア!どうした?」
「……ルナ、早く行くぞ」
「ルナマリアー!こっちこっち!こっちに街があるよー」
「もう少しで目的地に着きますね」
フラン、ジュリアス、瑞月、レンが、自分を呼ぶ声が聞こえる。
「はーい。今行くよー」
一緒に旅をする事になった仲間と一緒に、ルナマリアの冒険ーーぐーたら生活を目指す旅は、続いて行くーー。
お終い
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