即死魔法のおかげでヒロインの故郷に行くことが決まったけど質問ある?
「こちらが今回の報酬になります。」
受付さんから報酬を受け取ったのは、奴隷売買を止めた次の日のことだった。
もちろんお金をいただいた訳だが、金額についてはなんだかあれなので詳しくは記さないが相場の10倍と言っておこう。
それよりも聞いておきたいことがあった。
「あの、助けたエルフの子はどうなりましたか。」
「あっ。そのことについてお話がありまして…入ってきてくださーい」
またお話か。うん、変なことが起こるだろうな。
というか入ってきてって、いったい誰が
「…お久しぶりです。あの、覚えてくれていますか?」
ドアを開けて入ってきたのは、あの時の少女だった。
金髪は美しく整えられていて、青色の瞳には光がともっている。
…よかった。しっかり保護されていたんだな。
「うん覚えてるよ。元気になっているようで安心した。」
受付さんが少女に向かって手招きをし、自身の横に座るように誘導する。
「で、話って何ですか?本格的に旅に出ようと思うので依頼はちょっと。」
「いえ、依頼ではないんです。ただ、この子をその旅に同行させてあげられないでしょうか。」
「…はい?」
「この子の出身は、ここから北に向かったところにある、ガルラハンド森林の中にあるエルフの村です。」
地図を広げながら、指をさして説明してくれる。
「村まででいいんです。ぜひこの子をとどけてあげられませんか?」
「…行先も決まってなかったので僕は良いんですけど。その子は…その、大丈夫なんでしょうか。」
気にかけてしまった子を最後まで見守る。
それ自体に抵抗はないんだが、本人が嫌ならば強制はできないだろう。
「実は、同行したいって言うのはこの子からのお願いなんですよね。」
「えっそうなの?」
少女は涙目でこっちを向いている。
「…お願いします」
…これは断れないな。
「わかった。君の村に無事を伝えに行こう。」
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